国際標準化機構(ISO)が、創作者等の名称に関する国際標準識別子“ISNI”(International Standard Name Identifier)を国際規格ISO 27729:2012として発行したそうです。ISNIは、各個人に対して16桁の数字がIDとして与えられるもので、ISNI国際機関によって管理・運営されています。
国際図書館連盟(IFLA)が刊行する“IFLA Journal”の38巻1号(2012年3月)が公開されました。フランス国立図書館(BNF)の電子出版物納本の現状についてまとめた“The state of e-legal deposit in France”に始まり、米国シモンズカレッジのライブラリースクールにおけるデジタルキュレーション教育を紹介する“Out of the classroom and into the laboratory”や、図書館以外の建物の図書館としての再活用に関するドイツ等における事例を紹介する“The second hand library building”等、計10本の記事が掲載されています。
米国東海岸のワシントンD.C.を流れるポトマック川沿いでは3,700本の桜が満開となっているそうです。これらの桜は今から100年前の1912年3月に東京市から友好親善のために寄贈されたもので、それを記念して毎年3月頃には全米桜祭り(National Cherry Blossom Festival)が開かれているそうです。同じくワシントンD.C.に位置する米国議会図書館(LC)では、寄贈100周年を記念して、3月20日から9月15日まで、“Sakura: Cherry Blossoms as Living Symbols of Friendship”と題した展示を開催しています。
COUNTER(Counting Online Usage of NeTworked Electronic Resources)が、2012年3月付けで、電子ジャーナルの利用統計を用いたジャーナル評価指標Usage Factor(UF)に関する実務指針“Code of Practice for Usage Factors”の第1版のドラフトを公開しました。9月末までコメントを募集しており、2013年中に正式版の公開が予定されているようです。
(1)The CIA's Role in the Study of UFOs, 1947-90
(2)Watergate: the Nixon Grand Jury Records
(3)Bay of Pigs: Military Evaluation of the Central Intelligence Agency Para-Military Plan, Cuba
(4)Iraq Weapons of Mass Destruction: Senate Report 109-331
2012年3月20日に、米国コロラド州のデンバー公共図書館(Denver Public Library)が、地域住民からデジタル化した写真資料等をアップロードしてもらい地域のデジタルアーカイブを作成する“Creating Your Communities”というプロジェクトサイトを公開しました。“Creating Your Communities”には、同館のデジタルアーカイブから約90万点の資料が登載されており、これに地域住民が自分の写真やコロラド州の歴史に関連した資料等をアップロードするようです。
2012年3月20日付けのThe Digital Shift誌の記事で、公共・学校図書館に対して電子書籍サービスを提供している米国のOverDrive社が2012年4月にAPIをリリース予定であると報じられています。APIで可能となることとして、検索、シングルサインオン、貸出のような機能が挙げられています。これにより、例えば、利用者が図書館のOPACで同社の電子書籍を検索してそのまま借りることができるようになる等と期待されています。その他、記事では、3M社とPolaris Library Systems社の連携や、BiblioCommons社、Innovative Interfaces社、SirsiDynix社等のシステムベンダの動向も紹介されています。
Ebook Providers, ILS Vendors Move Rapidly to Remove Friction From E-Lending; OverDrive APIs Coming in April | PLA 2012(The Digital Shift 2012/3/20付け記事)
欧州委員会の助成のもと、2012年3月19日に、DM2E(Digital Manuscripts to Europeana)という3年間のプロジェクトが発足したようです。DM2Eは、図書館やアーカイブズ機関等から、デジタルコンテンツを欧州のデジタル文化遺産ポータルである“Europeana”へより提供しやすくするためのLinked Dataツールの開発を行なうプロジェクトのようです。また、研究者や学生、一般市民が、文化コンテンツとそれに関連したメタデータを利用できるようなソフトウェアの開発も行なわれるようです。2012年3月1日に、ドイツのベルリン・フンボルト大学でDM2Eのキックオフ・ミーティングが開催されており、その報告資料がプロジェクトのブログサイトで公開されています。
OCLCが、イタリアの大学コンソーシアム“CIPE”(Consorzio Interistituzionale per Progetti Elettronici)との間に、CIPE参加大学の図書館の書誌レコードをOCLCの総合目録WorldCatへ登録するという協定を締結したと発表しました。2007年に設立されたCIPEには、ボローニャ大学、フィレンツェ大学、ジェノヴァ大学等、北部及び中部に位置するイタリアのトップクラスの11大学が参加しているそうです。その書誌レコード(UNIMARCフォーマット)は約1,100万件あり、この追加によってWorldCatのイタリア語資料のレコードは約4倍になるとされています。