特許庁の発表によると、独立行政法人工業所有権情報・研修館の特許電子図書館(IPDL:Industrial Property Digital Library)が、2012年3月19日から、機械翻訳によって作成された中国実用新案の和文抄録データの検索サービスを開始するそうです。サービス開始時には約5万件のデータが用意され、2012年度中には約100万件以上(過去10年分)が利用可能になる予定とのことです。これは、世界の特許文献の中で中国文献の占める割合が急増しているという背景のもと、中国国家知識産権局(SIPO)と中国実用新案の英文抄録データの交換について合意が成立したことによって可能となったもののようです。特許庁は、今後中国特許についても日本語で検索できる環境を整備していくとしています。
中国の大学図書館コンソーシアム“CALIS”(China Academic Library and Information System)が、2012年3月1日から、OCLCの図書館間相互貸借(ILL)サービスに加入したと発表されました。先日WorldCatへの投入が発表された50万点のCALISの書誌レコードが、同日から、OCLCのILLシステム“WorldCat Resource Sharing”で利用できるようになったということのようです。CALISで
は、図書の貸出は行わず、図書の一部や雑誌論文等のコピーを提供するとされており、依頼を受け付けてから通常2~3営業日程度で処理されるそうです。参加を記念して、CALISに対する、及び、CALISからの依頼は最初の500件まで無料となるようです。
2012年3月14日、2011年度の私立大学図書館協会賞が、広島修道大学図書館の「『明治法曹文庫』の関連事業」と、創価大学中央図書館「創価大学全学読書運動 Soka Book Wave」の2件に決定したと発表されました。また、同協会は、3月15日付けで「2012年度研究助成審査結果について」及び「協会ホームページの充実について(お知らせ)」という文書も発表しています。
米国カリフォルニア大学バークレー校における「バークレー電子図書館著作権プロジェクト」(Berkeley Digital Library Copyright Project)が、シリーズ刊行している白書の第二弾として“Orphan Works: Mapping the Possible Solution Spaces”を公開したようです。第二弾の白書は、孤児著作物(orphan works)問題で提案されている様々な解決策について、それぞれの長所と短所を検証したものとなっているようです。
David R. Hansen. Orphan Works: Mapping the Possible Solution Spaces (Berkeley Digital Library Copyright Project, White Paper No. 2, 2012). http://ssrn.com/abstract=2019121.