英国学士院(British Academy)が、オックスフォード大学出版局とともに、オンラインで出版物を提供するプラットフォーム“British Academy Publications Online”(BAPO)を公開しました。BAPOでは、英国学士院発行の人文・社会科学に関する学術書やエッセイ集等がフルテキストで利用できるようです。現在100タイトルが提供されており、機関向けにフリートライアルを提供しているようです。
米国情報標準化機構(NISO)が,2012年1月19日付けで,相互貸借(ILL)等の資源共有活動において,図書館間の物理的資料の配送にかかる時間やコストを削減することを目的とした推奨指針「図書館資料の物理的配送」(Physical Delivery of Library Resources)を発表した。このような指針の策定に至った背景として,第1節では,電子リソースの増加にもかかわらず米国の多くの図書館では図書やAV資料といった物理的資料の配送が依然として大きな課題であると説明されている。...
2012年1月16日,米国OCLCの研究部門OCLC Researchが,“Social Metadata for Libraries, Archives and Museums”と題したレポートの第2部(2011年12月付)を公開した。3回に分けて公開が予定されている一連のレポートは,図書館・博物館・文書館(MLA)等の機関のウェブサイトにおいて,タグ付けやコメント付与といったソーシャル機能を用いてユーザーが作成した,いわゆるソーシャルメタデータ(social metadata)の活用をテーマとしたものである。...
ドイツのゲーテ・インスティトゥートが、2011年のタイ洪水で被災した資料を救済する活動を行っているそうです。その紹介記事では、バンコク北部のアユタヤにあるマハ・チュラロンコン仏教大学等の被災状況、資料保存の専門家であるZentrum für Bucherhaltung(ZfB)社のManfred Anders氏らが現地入りして行っている救済活動の様子について報告されています。同社は、1990年代にドイツ国立図書館の職員を中心に設立された企業で、脱酸処理、カビの除去、自然災害対応などを専門としており、2002年のエルベ川の氾濫、2004年のアンナ・アマーリア公爵図書館の火災、2009年のケルン市歴史文書館の倒壊においても活動してきたとされています。被災資料のうち特に貴重なものについては、現在冷凍されており、今後ZfBで真空凍結乾燥及びガンマ線による処理がなされるそうです(この作業にかかるコストは1kgの紙あたり35ユーロとのことです)。
英国のサリー州(Surrey County)が、2012年夏のロンドンオリンピック開催時に、州内の図書館や博物館を、旅行者に対して地元のイベントや飲食店等の情報を提供する「ポップアップ」な観光案内所(tourist information point)にするという取り組みについて発表しています。これは、ポップアップストア(空き店舗などを利用して短期間だけ営業する販売店)に倣ったものとされています。夏に向け、図書館職員らはオリンピックに関する研修を受けたり、地元の情報をリサーチしたりしているそうです。同州では、他にも、オリンピック開催までに全図書館にWi-Fiを入れることも計画しているそうです。