アーカイブ - 2012年 2月

2月 22日

オランダ王立図書館(KB)、電子書籍の貸出を開始へ

2012年2月17日に、オランダ王立図書館(KB)が電子書籍の貸出を開始すると発表しています。これは、同館のプラットフォーム“EBook Library”を使い、180,000点以上の電子書籍を登録利用者に1週間貸し出すもののようです。電子書籍は、テキスト検索やアノテーションの付与も可能で、個人での書籍リストも作成できるようです。また、提供される電子書籍は、多くが人文・社会科学系の英語の図書とのことです。同館は電子書籍のほかにも、10,000点の電子ジャーナルを電子図書館を通じて提供しており、こちらも人文・社会科学関連の英語の電子ジャーナルがメインとなっているようです。

Tienduizenden e-publicaties te leen (KB 2012/2/17付けの記事)
http://www.kb.nl/nieuws/2012/ebl.html

米国音楽図書館協会が、ディスカバリサービスにおいて音楽資料が持つ課題や要件等をまとめた文書を作成中

米国音楽図書館協会(Music Library Association:MLA)が、ディスカバリーサービスで楽譜や録音資料等の音楽資料を発見する際の課題や要件をまとめた“Music Discovery Requirements”という文書のドラフト(第2版)を2012年2月9日付けで公表しました。3月16日までコメントを募っており、次に作成される版が最終版になるとのことです。文書の概要部分では、図書等にはない音楽資料特有の事情として、異なるタイトルの多種多様なバージョンが存在することや、演奏に使われた楽器や歌手のような情報を含むこと等が挙げられています。同文書の作成グループによるブログも開設されており、そのリーダーを務めるイーストカロライナ大学のNara Newcomer氏が2月16日~19日に開催されたMLA年次大会で行ったプレゼンの資料も公開されています。

Music Discovery Requirements(PDF)
http://personal.ecu.edu/newcomern/musicdiscoveryrequirementsfeb92012.pdf

Appendix A. Compiled Details of Indexing and Display Requirements -
Index-Focused Version(Excel)

欧州文書館ポータル“Archives Portal Europe”が本格稼働、次期プロジェクトも開始へ

2009年1月から2012年1月までの期間で行われていた、欧州の文書館(archives)のポータルサイト“Archives Portal Europe”の開発等を目的としたプロジェクト「APEnetプロジェクト」が終了し、Archives Portal Europeのウェブサイトが本格稼働となったようです。同ウェブサイトでは、欧州14か国の60機関の資料、6400万ページについての1400万の記述情報が利用可能とのことです。また、2012年3月からは、後継の「APExプロジェクト」が始まるようです。

Archives Portal Europe
http://www.archivesportaleurope.eu/Portal/index.action

The APEnet project is over - Long live the Archives Portal Europe(APEnet 2012/2/13付けニューズレター)
http://www.apenet.eu/index.php?option=com_content&view=article&id=123&Itemid=172&lang=en

About APEnet(APEnetのウェブサイトの情報)

被災地等での電子書籍制作を活性化させる経済産業省「コンテンツ緊急電子化事業」を日本出版インフラセンターが受託

日本出版インフラセンター(JPO)が、2011年度第3次補正予算で経済産業省が実施する「コンテンツ緊急電子化事業」の補助事業者を受託したそうです。同事業は、被災地の復興等を目的として、国が補助事業者を通じて出版社の電子書籍制作費用のうち1/2(東北の出版社が保有する書籍及び東北関連書籍については2/3)を補助するというものです。予算は約10億円とされています。経済産業省の資料では、デジタル化の要件として以下が挙げられています。

・東北・被災地域で書籍のデジタル化作業を行うこと。
・被災3県の中心的な図書館に対して、デジタル化対象書籍を1冊ずつ献本すること。
・複数社の共同出資等により、事業規模や雇用規模が大きく、我が国電子書籍産業全体にとって重要な役割を果たす企業であること。
・互換性ある標準フォーマットを採用している等、電子書籍流通を促進させる上で適切な形式でデジタル化を行うこと。
・各電子書籍にメタデータ付与等、検索及び販売の用に供する電子書籍情報データベースを構築すること。

平成23年度「地域経済産業活性化対策費補助金(被災地域販路開拓支援事業(コンテンツ緊急電子化事業))」に係る補助事業者の公募について<平成23年度第3次補正予算事業>(経済産業省 2011/12/2付け発表)

知のデジタルアーカイブに関する研究会(第8回)の配布資料が公開

2012年2月15日に開催された「知のデジタルアーカイブに関する研究会(第8回)」の配布資料が、総務省のウェブサイトで公開されています。

知のデジタルアーカイブに関する研究会(第8回)配布資料(総務省 2012/2/21付け)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/shuppan/02ryutsu02_03000083.html

参考:
知のデジタルアーカイブに関する研究会(第7回)の配布資料が公開
http://current.ndl.go.jp/node/19795

2月 21日

米国議会図書館(LC)、個人でのデジタル情報保存の際に役立つリソース等をまとめたウェブページを公開

2012年2月16日に、米国議会図書館(LC)が、個人でのデジタル情報保存のためのリソースをまとめたウェブページを公開したようです。これは、同国で4月に予定している“Personal Digital Archiving Day”に向けて、地域の文書館や図書館等を対象に作成されたもので、イベントの企画の仕方やイベントで利用できる動画・資料等がまとめられているようです。

Personal Digital Archiving Day Kit
http://www.digitalpreservation.gov/personalarchiving/padKit/index.html

Hey Libraries and Archives: Personal Digital Archiving Kit Now Available (The SIgnal: Digital Preservation 2012/2/16付けの記事)
http://blogs.loc.gov/digitalpreservation/2012/02/hey-libraries-and-archives-personal-digital-archiving-kit-now-available/

学位論文のオープンアクセス化の現状や公開への障壁に関する調査報告書が発表される(英国)

英国のユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)図書館とUK Council for Graduate Education(UKCGE)が、共同で、“Electronic doctoral theses in the UK: a sector-wide survey into policies, practice and barriers to Open Access”という報告書を公表しました。同報告書は、英国情報システム合同委員会(JISC)の助成を得て2010年に行われた、学位論文のオープンアクセス(OA)化の現状、各機関の方針、公開への障壁等に関する調査の結果をまとめたもので、英国内の144の高等教育機関から回答が得られたとされています。その結果、以下のようなことが判明したそうです。

・5年後には、回答機関の81%が学位論文をOAで公開していることになる見込みである。
・回答機関の50%が機関リポジトリを開設している。
・回答機関の63%が学位論文の電子投稿を受け付けており、49%が電子投稿を義務化している。
・学位論文公開に当たっての最大の障壁は、それらが個人情報等の取扱注意な内容(sensitive content)を含んでいることである。
・電子的学位論文の長期保存については注目が薄い。

Googleが助成したデジタル人文学研究へのインタビューとその分析(文献紹介)

米国のイリノイ大学アーバナシャンペーン校図書館情報学大学院のVirgil E. Varvel Jr.氏とAndrea Thomer氏が執筆した“Google Digital Humanities Awards Recipient Interviews Report”(2011年12月付け)というレポートが公開されたようです。彼らは、Googleによるデジタル人文学研究への助成を受けたプロジェクトのうち、ミシガン大学等による8件へのインタビューを行い、そこから浮かび上がった課題を分析しているようです。

Google Digital Humanities Awards Recipient Interviews Report
https://www.ideals.illinois.edu/handle/2142/29936

参考:
Googleが支援するデジタル人文学の研究プロジェクトが決定
http://current.ndl.go.jp/node/16523

Europeana Librariesのアグリゲーションインフラの仕組み等を解説したデータ提供館向けハンドブック

2012年2月20日付けのLIBERの記事によると、欧州の大学図書館・研究図書館19館からなる資料デジタル化プロジェクトEuropeana Librariesが、データ提供館向けに、デジタル化資料が“Europeana”や“The European Library”のポータルサイトで利用できるようになる仕組み等について解説したハンドブック“European Library Standards handbook”を公開しているようです。ハンドブックには、データ提供館の役割、データ送信手順やそのために必要な技術的・組織的・財政的な条件、データ提供館にとって有用なリソース等がまとめられているようです。

The European Library Standards Handbook (PDF)
http://www.europeana-libraries.eu/documents/868553/50dd6233-7780-42fa-8e36-9678a0ee03cd

Now Launched: the European Library Standards Handbook (Ligue des Bibliotheques Europeennes de Recherche 2012/2/20付けの記事)

【イベント】第42回ディジタル図書館ワークショップ(3月・東京)

2012年3月13日に、筑波大学東京キャンパスで、第42回ディジタル図書館ワークショップが開催されます。一般講演に加えて、「メタデータスキーマを作ってみよう!」と題したワークショップが開催され、2010年度の総務省・新ICT利活用サービス創出支援事業で開発されたメタデータスキーマレジストリ“Meta Bridge”を使い、参加者が実際に手を動かしながら、メタデータスキーマの検索や新たなメタデータスキーマの作成を演習形式で体験できるとのことです。

第42回ディジタル図書館ワークショップ参加募集
http://www.dl.slis.tsukuba.ac.jp/DLworkshop/DLW-program.html

参考:
メタデータレジストリ“Meta Bridge”のアカウント登録受付が開始
http://current.ndl.go.jp/node/19926

東芝、音声読み上げに対応した電子書籍リーダー“BookPlace”を発売

2012年2月10日、東芝が電子書籍リーダー“BookPlace DB50”を発売開始したそうです。同リーダーには音声合成機能“TOSHIBA Speech Synthesis”を用いたコンテンツの音声読み上げ機能を備えており、読み上げに対応した電子書籍を音声で再生することができるようです。

東芝、電子書籍専用端末「BookPlace DB50」リリースの理由(ITmedia 2012/1/26付け記事)
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1201/26/news101.html

東芝、電子書籍リーダー「BookPlace DB50」発表会(PCWatch 2012/1/26付け記事)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120126_507531.html?ref=garank

BookPlace
http://dynabook.com/pc/bookplace/

参考:
E894 - “Kindle2”が引き起こした,電子書籍と音声読み上げ機能の問題
http://current.ndl.go.jp/e894

Kindle2による、テキストデータの音声読み上げの品質は?

図書館は電子書籍にどう対応するのか、愛知県安城市長による米国東部図書館視察レポート

愛知県安城市の神谷学市長による米国図書館視察のレポートが同市のウェブサイトに掲載されています。2012年1月22日から29日にかけて米国東部の3都市を巡り、ニューヨーク公共図書館、フィラデルフィア公共図書館、ペンシルバニア大学図書館、テンプル大学図書館等を見学したそうです。現在、同市では新しい市立図書館を計画中で、IT化や電子書籍時代の図書館の在り方を調査することが視察の目的のようです。また、同館では新図書館について検討する市民参加型の「新図書館整備水準策定ワークショップ」も開催してきています。

海外行政視察報告「米国東部における図書館の現状」(安城市 2012/2/20付け情報)
http://www.city.anjo.aichi.jp/mayor/message/index.html

安城新図書館:電子書籍対応へ 市長、きょうから米視察 /愛知(毎日jp 2012/1/22付けニュース)
http://mainichi.jp/area/aichi/news/20120122ddlk23010120000c.html

「安城市新図書館基本計画」を策定しました
http://www.library.city.anjo.aichi.jp/html/129135276574600000/pubcom4.html

新図書館整備水準策定ワークショップ

英国図書館(BL)、音楽資料・録音資料・環境音等を提供するウェブサイト“British Library Sounds”を公開

2012年2月20日、英国図書館(BL)が音楽資料や録音資料、環境音等5万点を提供するウェブサイト“British Library Sounds”を公開しました。これは、2007年に英国の大学等が“Archival Sound Recordings”として始めたサービスを引き継いだもののようです。ライセンスを取得している英国の大学に所属している構成員であれば研究目的でダウンロードすることも可能のようです。

British Library Sounds
http://sounds.bl.uk/

神戸大学附属図書館、兵庫県遺跡資料リポジトリを公開

2012年2月21日、神戸大学附属図書館が電子化した発掘調査報告書を公開する「兵庫県遺跡資料リポジトリ」を公開しました。現在、神戸市95件と加古川市10件の遺跡資料が公開されているようです。

兵庫県遺跡資料リポジトリ
http://rar.lib.kobe-u.ac.jp/

兵庫県遺跡資料リポジトリを公開しました(神戸大学附属図書館 2012/2/21付けニュース)
http://lib.kobe-u.ac.jp/www/modules/news/index.php?page=article&storyid=452

全国遺跡資料リポジトリ・プロジェクト
http://rarcom.lib.shimane-u.ac.jp/

2012年6月から講談社が許諾の取れた全新刊書の電子版を同時刊行できる態勢へ

講談社の野間省伸社長が2012年2月20日の記者会見で、6月から、著作権者の許諾が得られた全新刊書について紙の書籍と電子書籍を同時刊行することが可能な態勢を取ることを発表したと各紙で報じられています。実際に電子版を販売するタイミングについては、販売戦略に依るとし、同時発売の場合も紙より遅らせる場合もあるとのことです。

電子版同時発売可能に=講談社(時事ドットコム 2012/2/20付けニュース)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012022000779

講談社の全新刊、6月から紙と電子で同時刊行へ(YOMIURI ONLINE 2012/2/20付けニュース)
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20120220-OYT1T00931.htm

2月 20日

公共図書館閉鎖についての英国議会下院の調査に対する意見書が公開、委員会での意見聴取も始まる

英国の議会下院の文化・メディア・スポーツ特別委員会により2011年11月から2012年1月まで実施されていた、公共図書館の閉鎖についての意見募集に対して提出された意見書の一覧が公表されています。図書館・情報専門家協会(CILIP)、各地の図書館支援団体、The Bookseller誌等を含め131件の意見書が提出されたようです。また、2012年2月7日からは委員会での意見聴取も開始され、2月21日にはCILIPのMauger氏が出席するようです。

Culture, Media and Sport Committee - Written Evidence(意見書の一覧)
http://www.publications.parliament.uk/pa/cm201012/cmselect/cmcumeds/writev/library/contents.htm

UNCORRECTED TRANSCRIPT OF ORAL EVIDENCE To be published as HC 1815-i(2012/2/7の委員会での意見聴取の記録)
http://www.publications.parliament.uk/pa/cm201012/cmselect/cmcumeds/uc1815-i/uc181501.htm

英国の電子情報保存連合(DPC)が電子メールアーカイブの長期保存に関するレポートを公表

英国の電子情報保存連合(Digital Preservation Coalition;DPC)が、電子メールの長期保存に関するレポート“Preserving Email”を公表しました。同レポートの内容は、電子メールアーカイブというトピックに関する入門的かつ総合的なものとなっており、具体的には、技術的・法的な問題や、考慮すべき標準、オックスフォード大学ボードリアン図書館や分子生物学研究所(MRC)の事例紹介、推奨事項等について触れられているようです。

Preserving Email (PDF文書:57ページ)
http://dx.doi.org/10.7207/twr11-01

Email tomorrow … and next year … and forever: Preserving Email report published (DPC 2012/2/16付け)
http://www.dpconline.org/newsroom/latest-news/805-email-tomorrow-and-next-year-and-forever-preserving-email-report-published

参考:
DPC、電子情報保存の標準としての“JPEG2000”に関するレポートを発表

【イベント】山形文化遺産防災ネットワーク2011年度報告会・研修会(3/11・山形)

2012年3月11日、山形県立博物館で「山形文化遺産防災ネットワーク2011年度報告会・研修会~次の1000年のために、次の1年のために~」が開催されるそうです。同会は2部構成となっており、午前中は「被災直後の保全処理の課題」「クリーニング処理後の資料保存の課題」等の文化財レスキュー活動に関する実務的な研修が、午後は「山形ネット活動の記録と報告」「東日本大震災の文化財救済活動の概要」等の報告が行われるそうです。

山形文化遺産防災ネットワーク311会合のお知らせ(山形文化遺産防災ネットのブログ 2012/2/15付け記事)
http://yamagatabunkaisan.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/311-a809.html

Europeanaが検索結果を地図上に表示させる新機能を公開

2012年2月17日に、欧州のデジタル文化遺産ポータルサイト“Europeana”が、検索結果を地図上に表示させる新機能を公開しました。これは、検索結果の上位1,000件を、OpenStreetMap等上に表示させるもののようです。検索結果は紫色の円で表示され、大きな円ほどヒット数が多いようです。また、円をクリックすると、その検索結果リストが表示され、タイトルや場所等を確認することができるようです。なお、現在のところ全ての資料を地図上に表示させることはできないようですが、Europeanaは今後地図表示できる資料の数を増やしていくとしているようです。

New Feature: Map Search and Display (Europeana 2012/2/17付けの記事)
http://blog.europeana.eu/2012/02/new-feature-map-search-display/

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