デジタル人文学の研究コミュニティの最新動向を紹介するポータルサイトDigital Humanities Nowが、2012年3月に“Journal of Digital Humanities”という新たな学術雑誌を刊行すると発表しています。論文は、Digital Humanities Nowのウェブサイトの“Editors' Choice”というカテゴリーに掲載されている記事の中から選ばれており、その形式はテキストのみではなく音声や動画などを含むものも掲載されるようです。査読はオープンピアレビュー形式で行なわれ、2月29日まで創刊号である第1巻第1号の論文8本が公開されているようです。
2012年2月13日、OCLCが、総合目録WorldCatでRDA(Resource Description and Access)を採用した後の運用方針等についてまとめたディスカッションペーパーを公表し、4月15日までコメントを募集しています。RDA適用以前のレコード(legacy record)をどうするかが一つの焦点になっているようです。
米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)が2011年末に発表した“MITx”という新しいeラーニングプログラムのプロトタイプ版ウェブサイトが公開されたようです。まずは、2012年3月5日から6月8日にかけて、電気工学等を専攻する学部生向けの基本的な講義である「電子回路と電子工学」(6.002x: Circuits and Electronics)がオンラインで無料提供されるとのことです。現在、受講者を募集しているようです。MITxのサイトにログインすると、講義スケジュールやデジタル教科書、掲示板などが用意されており、受講生は毎週提供される講義映像を見て、課題をこなしたり試験を受けたりすることになるようです(それらを合わせると1週間につき10時間程度が必要とされています)。2012年秋には更なる講義が追加されるとのことです。
2002年2月14日にブダペスト・オープンアクセス運動(Budapest Open Access Initiative:BOAI)によってブダペスト宣言が提唱されてから、2012年2月14日で丸10年を迎えたそうです。同宣言は、オープンアクセス(OA)の定義を述べ、それを実現する手段として研究者によるセルフアーカイビングとOAジャーナルという2つの戦略を推奨しており、その後のOA運動の方向性を示したと位置づけられているようです。BOAIのウェブサイトによると、現在、5,568人の個人及び604の機関が同宣言に署名しています。