1998年にフィールズ賞を受賞した英ケンブリッジ大学の数学者ガワーズ(Timothy Gowers)氏が、学術出版大手であるElsevier社に対するボイコット活動を開始したようです。彼は、自身のブログでボイコットを呼びかけ、ウェブサイト“The Cost of Knowledge”を開設して、同社の高額な雑誌価格、図書館への電子ジャーナルのバンドル販売、米国の法案SOPA・PIPA・Research Works Actへの賛同という3点に対する抗議の意を示しています。同サイトでは、同社での出版や査読等を控えるという意思を表明する世界中の科学者(2012/2/1時点で約2,500人)の名前が列挙されています。Library Journal誌には、Elsevier社副社長による「社としては議論を歓迎するが、彼らは事実を誤解している。我々はコンテンツに対するアクセスを拡大させている」「アクセスに必要なコストはコンテンツ単位では低下している」等のコメントが掲載されています。
OCLC and Elsevier sign agreement to provide full-text searching of SciVerse ScienceDirect journals and e-books through WorldCat Local(OCLC 2012/1/31付けプレスリリース) http://www.oclc.org/news/releases/2012/20129.htm
米国大統領府科学技術政策局 (OSTP)が2011年11月から実施していた、連邦政府の助成を受けた研究に基づく学術出版物やデータへのアクセスについての情報提供依頼(Request For Information:RFI)に対して寄せられた意見の一覧が、2012年1月30日付けで公開されています。学術出版物へのアクセスについては377件、データへのアクセスについては118件の意見が寄せられたとのことです。このRFIは、あるべき政策やそれに伴う課題、関係者の役割等について、OSTP が意見を求めていたものです。