米国のイェール大学図書館が利用者用に新たに導入したウェブリソースが、思わぬ発見に繋がったようです。2012年1月19日付けのイェール大学図書館のニュースによると、同大学のアソシエイトライブラリアンであるFred Shapiro氏が、新規導入された“Illustrated London News Historical Archive”を使って“feminist”という単語を検索したところ、1894年の使用例が見つかり、それがOxford English Dictionaryに記載されている最も古い事例をさらに遡るものであったことが明らかになったようです。
米国の調査機関Pew Research CenterのInternet & American Life Projectが、2011年12月から2012年1月の間に、米国でタブレット端末や電子書籍リーダーを所有している18歳以上の大人がそれぞれ約2倍(10%から19%)になったという調査結果を発表しています。更に、2012年1月時点で、29%の米国人がタブレット端末か電子書籍リーダーのいずれか(何らかのデジタル読書用機器)を所有していることになるとも述べられています。
2012年1月20日、欧州のPEER(Publishing and the Ecology of European Research)が、研究者によるセルフアーカイビング(オープンアクセスのグリーンロード)が欧州における研究の生態系に与える影響について「経済性」という観点から調査したプロジェクトの最終報告書“PEER Economics Report”を公開しました。同報告書では、学術出版社やリポジトリを運営している研究機関のコスト構造の比較分析がなされており、冒頭の要約によると「出版社が査読等の論文の内容保証にかけている費用は1本あたり平均250ドル」「メタデータを含めて論文の出版にかかる費用は1本あたり170~400ドルで、内製・外注の別(make or buy decisions)やジャーナルの規模によって上下する」「ジャーナルを英語で発行する出版社は低賃金国へ外注する際に有利である」といった調査結果が含まれているようです。
米国大統領府科学技術政策局 (OSTP)による、連邦政府の助成を受けた研究の成果出版物やデータへのアクセスについての情報提供依頼(Request For Information:RFI)に対し、ARL(北米研究図書館協会)、Creative Commons、コロンビア大学図書館等が、その返答を公開しています。このRFIは、あるべき政策やそれに伴う課題、関係者の役割等について、OSTPが意見を求めていたものです。
2012年1月23日をもって、英国図書館(BL)のOPAC“Integrated Catalogue”が終了したようです。今後は、既に公開済みの、Ex Libris社のディスカバリインタフェース“Primo”を用いたサービス“Explore the British Library”が同館のオンラインカタログとして提供されるとのことです。検索範囲等、両カタログの違いについては“Explore the British Library to replace the Integrated Catalogue”というウェブページで解説されています。
経済学分野の論文アーカイブサイトである“RePEc”(Research Papers in Economics)でカバーされているジャーナルの数が5,000を突破したと発表されています(うち、3,300タイトルがワーキングペーパーシリーズ)。RePEc全体では約115万点のデータが登録されているとのことです。RePEcには、一橋大学や日本貿易振興機構アジア経済研究所の機関リポジトリからもデータが提供されているようです。