アーカイブ - 2012年 12月 18日

サイモン&シュスター社が図書館に対する電子書籍の提供を認めたタイトル

米国の“ビッグ6”に数えられる大手出版社のひとつ、サイモン&シュスター(Simon & Schuster)社は、図書館に対して電子書籍を提供していません。しかしこのたび、あるタイトルについて、OverDrive社の電子書籍サービス経由で図書館に提供することになったそうです。そのタイトルは、Jean Thompson氏による“The Year We Left Home”という小説で、2013年の“All Iowa Reads”賞を受賞したものです。同賞の主催委員会は、サイモン&シュスター社に対して、賞の歴史や、受賞作品がアイオワ州でいかに読まれているか、どのくらい販売されているか、図書館で借りられているかといったデータを提示し、説得を行なったということです。2013年1月1日より電子書籍での提供が開始される予定です。

Simon & Schuster Agrees to Sell AIR 2013 eBook Edition to Libraries(Iowa Center for the Book)
http://www.iowacenterforthebook.org/simon-schuster-agrees-to-sell-air-2013-ebook-edition-to-libraries

コーネル大学の図書館内に芝生が、そのわけは

米国のコーネル大学の図書館内に芝生が設置されたと報じられています。場所はOlin LibraryおよびMann Libraryのロビーで、学生が最もストレスフルになる期末試験の最中にリラックス効果を目的として、デザイン・環境分析学科の学生らが設置したということです。

Cornell brings nature inside libraries(The Ithaca Journal 2012/12/9付け記事)
http://www.theithacajournal.com/article/20121209/NEWS01/312090057/Cornell-brings-nature-inside-libraries

Cornell carpets library with grass(Cross Campus 2012/12/4付け記事)
http://yaledailynews.com/crosscampus/2012/12/04/cornell-carpets-library-with-grass/

Cornell Puts a Lawn in the Library(Library Journal 2012/12/18付け記事)

研究データのピアレビューに関する試験的研究(文献紹介)

International Journal of Digital Curation誌の7巻2号に、Marjan Grootveld氏およびJeff van Egmond氏による“Peer-Reviewed Open Research Data: Results of a Pilot”という論文が掲載されています。著者らはオランダの学術情報の収集・提供機関であるData Archiving and Networked Services(DANS)に所属しており、そのEASYというデータアーカイブを利用して行った、研究データのピアレビューに関する試験的研究について記されています。

Peer-Reviewed Open Research Data: Results of a Pilot
http://www.ijdc.net/index.php/ijdc/article/view/231

International Journal of Digital Curation. Vol 7, No 2 (2012)
http://www.ijdc.net/index.php/ijdc/issue/view/15

参考:
英国、オランダ、ドイツ、デンマークの4か国における研究データの法的位置付けについて調査したレポート

イタリアの国立図書館でGoogleによる所蔵資料のデジタル化が開始される

2012年12月10日より、イタリアのローマ国立中央図書館(BNCR)で、Googleによる所蔵資料のデジタル化が始まりました。1871年までの資料が対象になっているようです。他方、フィレンツェ国立中央図書館(BNCF)でも、2013年1月2日からデジタル化が開始されるということで、1701年から1874年までに出版された資料が作業のため一時的に利用停止となるとされています。なお、これら2館におけるデジタル化については、2010年3月に合意が発表されていました。

Conferenza stampa "Progetto Google Books"(Biblioteca nazionale centrale di Roma 2012/12/18付けニュース)
http://www.bncrm.librari.beniculturali.it/index.php?it/325/archivio-news/130/conferenza-stampa-progetto-google-books

Progetto GoogleBooks Dal 2 gennaio 2013(BNCF 2012/12/11付けニュース)
http://www.bncf.firenze.sbn.it/notizia.php?id=1128

参考:

米国の図書館建築と景観への意識<記事紹介>

Library Journal誌に、図書館と景観(Libraries and Their Landscapes)と題する記事が掲載されています。冒頭で、共和政ローマの哲学者キケロ(Marcus Tullius Cicero)の言葉“Si hortum in bibliotheca habes, deerit nihil.”(If you have a garden in a library, nothing is missing.)を引用しつつ、図書館の設計における景観との関係や屋外空間の重要性について考察しています。

記事では、ニューヨーク公共図書館、ボストン公共図書館、サンフアンキャピストラーノ図書館(カリフォルニア州)、ドブス・フェリー公共図書館(ニューヨーク州)、ブロンクビル公共図書館(ニューヨーク州)、トレディフリン公共図書館(ペンシルバニア州)、スカースデール公共図書館(ニューヨーク州)の7館について、景観をどのように考慮しているのか等を、写真付きで解説しています。

Libraries and Their Landscapes(Library Journal 2012/12/11付け)

ニュージーランド国立図書館、3度目となるウェブ情報のスナップショット収集の実施を公表

ニュージーランド国立図書館が、2013年2月に3度目となるウェブ情報のスナップショット収集を行うと発表しています。「.nz」ドメインで公開されているウェブサイト、ブログ、動画などを広く収集するもので、ニュージーランド国立図書館では、ドメインハーベストと呼んでいます。

なお、1回目は2008年10月に、2回目は2010年4月に実施されています。

2013 NZ Web Harvest
http://natlib.govt.nz/publishers-and-authors/web-harvesting/2013-nz-web-harvest

参考
ニュージーランド国立図書館、ウェブ情報をスナップショット収集 Posted 2010年1月21日
http://current.ndl.go.jp/node/15670

ニューヨーク公共図書館のSIBLでLynda.comのコンテンツが無料で利用可能に

ニューヨーク公共図書館(NYPL)が、オンライン学習コンテンツの提供を手掛けるLynda.comと契約し、NYPLの科学・産業・ビジネス図書館(SIBL)の60以上の端末で、利用者が無料でLynda.comのコンテンツにアクセスできるようになったとのことです。

Lynda.comではJavascriptのプログラミングやソフトウェアの使い方などのコンテンツから、給料の交渉テクニックなどのビジネスに関するコンテンツまで提供しています。

米国の公共図書館では、200館ほどが職員の研修用にLynda.comを導入しており、一部には特定の端末で利用できるところもあるとのことですが、利用者向けに広く導入するのは初めてのこととなるようです。

Lynda.com, NYPL Explore New Library-wide Access Model(2012/12/13付け記事)
http://www.thedigitalshift.com/2012/12/public-services/lynda-com-nypl-explore-new-library-wide-access-model/

英国図書館(BL)、『アレクサンドリア写本』の新約聖書をデジタル化公開

2012年12月17日、英国図書館(BL)は、同館が所蔵する『アレクサンドリア写本(Codex Alexandrinus)』のうち、新約聖書についてデジタル化公開しました。

『アレクサンドリア写本』は5世紀につくられたもので、『シナイ写本(Codex Sinaiticus)』と『バチカン写本(Codex Vaticnus)』と並び、三大ギリシャ語写本のうちの一つに数えられています。なお、シナイ写本については、BL等のプロジェクトにより既にデジタル化公開されています。

Codex Alexandrinus (Gregory-Aland 02), Bible in four volumes: Volume 4 (New Testament)
http://www.bl.uk/manuscripts/FullDisplay.aspx?ref=Royal_MS_1_d_viii

New Testament from the oldest complete Bible available online for the first time (British Library 2012/12/17付けの記事)

W3CがHTML5の仕様策定完了を発表、勧告は2014年予定

2012年12月17日、World Wide Web Consortium(W3C)が、HTML5およびCanvas 2Dの仕様策定完了を発表しました。現時点ではW3C標準ではなく、最終的な標準化完了(勧告化)は2014年の予定です。

W3CがHTML5仕様策定完了、勧告候補に。HTML5.1のドラフトも発表(Publickey 2012/12/18付け記事)
http://www.publickey1.jp/blog/12/w3chtml5html51.html

HTML5 Definition Complete, W3C Moves to Interoperability Testing and Performance(W3C 2012/12/17付けニュース)
http://www.w3.org/News/2012.html#entry-9667

W3CがHTML5の仕様策定を完了、2014年の勧告公開に向けた最終フェーズへ移行(ITpro 2012/12/18付け記事)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20121218/445148/

W3C、HTML5の仕様策定完了を発表、勧告は2014年予定(INTERNET Watch 2012/12/18付け記事)

学習プロセスに対するデジタル化の支援可能性を問う フランス国立図書館等が『カンディード』のiPadアプリとオンライン版を公開へ

2012年12月17日、フランス国立図書館(BNF)と、通信大手のOrange社がヴォルテール財団の協力の下、近世フランスの哲学者ヴォルテールの著作『カンディード』(Candide)のデジタル版を公開すると発表しました。無料のiPad用アプリを2012年12月に公開し、オンライン版を2013年1月に公開するとしています。

これは、学習プロセスにデジタル化はどのような支援が可能なのかを調査するために行われたプロジェクトで、iPadアプリについては2013年の第1セメスターで教育現場における検証が行われるとのことです。

このデジタル版は、テキストとBNF所蔵の写本史料を同時に表示させることが可能で、俳優のDenis Podalyde氏による朗読が提供されているようです。また、主人公のカンディードの旅路をマップで表示させたり、感想や分析をコメントして他の利用者と共有できる、“庭”(Le Jardin)という機能があるとのことです。

Orange and the Bibliotheque nationale de France, with the participation of the Voltaire Foundation, are launching an enhanced digital edition of Voltaire's Candide (PDF)