アーカイブ - 2012年 10月

10月 25日

E1352 - 米国歴史学協会によるゴールドOAに対する憂慮とその反響

E1352 - 米国歴史学協会によるゴールドOAに対する憂慮とその反響

2012年9月24日,米国歴史学協会(American Historical Association:AHA)は,学術雑誌のオープンアクセス(OA)化に関する声明を発表した。声明は,9月4日のAHA理事会において全会一致で承認されたもので,学術雑誌のOA化に関する最近の議論が人文・社会科学系とは大きく異なる,自然科学系の枠組みに基づいたものであることを憂慮したものとなっている。この声明の内容とそれに対する反響を紹介する。...

E1351 - 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2012/10/24現在)

E1351 - 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2012/10/24現在)

東日本大震災後の図書館等をめぐる状況について,『カレントアウェアネス-E』での既報に続き,2012年8月下旬から10月下旬にかけての主な情報をまとめた(E1155E1161E1166E1172E1177E1205E1222E1248E1263E1274E1302E1328参照)。...

アイルランド政府、公的資金に基づく研究成果をオープンアクセス化へ

アイルランド政府が国レベルのオープンアクセスポリシー“National Principles for Open Access Policy Statement”を発表しました。これは、公的資金に基づく研究成果については、オープンアクセスとして提供する方針を定めたもので、声明文ではそれらの研究成果はオープンアクセスリポジトリへ登載されるべきとされています。

National Principles for Open Access Policy Statement (PDF)
http://www.tcd.ie/Library/assets/pdf/National%20Principles%20on%20Open%20Access%20Policy%20Statement%20%28FINAL%2023%20Oct%202012%20v1%203%29.pdf

Ireland has announced a National Open Access Policy (STM Publishing 2012/10/25付けの記事)
http://www.stm-publishing.com/ireland-has-announced-a-national-open-access-policy/

10月 24日

研究図書館がMassive Open Online Courseに関わる際の法的・政策的な課題は? ARLがイシューブリーフを公表

北米研究図書館協会(ARL)が2012年10月22日付けで“Massive Open Online Courses: Legal and Policy Issues for Research Libraries”と題した文書を公表しました。大人数が同時に参加できる無料のオンライン講義である“Massive Open Online Course(MOOC)”をテーマに、研究図書館がMOOCにどのように関わるか、その際の法的・政策的な課題はどういうものかについて検討されています。

Massive Open Online Courses: Legal and Policy Issues for Research Libraries(PDF:15ページ)
http://www.arl.org/bm~doc/issuebrief-mooc-22oct12.pdf

米国で所有者の権利を保護する“Owners' Rights Initiative”が誕生、図書館界からALAやARLも加盟

2012年10月23日、米国で、“You Bought It, You Own It!”を謳い、所有者の権利を主張する“Owners' Rights Initiative(ORI)”という組織が立ちあげられました。米国自由貿易連合(AFTA)等の組織やeBay等の企業に加えて、図書館界から米国図書館協会(ALA)と北米研究図書館協会(ARL)も参加しています。

Owners' Rights Initiativeは、どの国で製造されたかに関わらず購入した製品を再販売することができる権利を保護することを目的としています。その背景には、ファーストセールドクトリン(合法的に入手したものは著作権者の許諾なく販売・貸出できる権利)、そして“Kirtsaeng v. Wiley & Sons”裁判の存在があります。

同裁判は、Wiley社が、同社の教科書の廉価なアジア版を米国に輸入し販売していたタイ人男性を著作権侵害で訴えていたものです。2011年8月には控訴裁判所によって、国外で印刷された図書にはファーストセールドクトリンが適用されないという判決が下され、図書館による貸出サービスへの影響も懸念されていました。2012年10月29日には最高裁判所において審議が行われる予定となっています。

Owners' Rights Initiative

国立がん研究センターと堺市立健康福祉プラザ、視覚障害者等へのがん情報普及に向けた協定を締結

2012年10月23日、独立行政法人国立がん研究センターと堺市立健康福祉プラザ視覚・聴覚障害者センターが、視覚障害者等にがんに関する情報を広く提供することを目的とした協定を締結しました。協定によって予定されている活動として、以下の3つが挙げられています。

(1)点訳・音訳資料の作成(「がんになったら手にとるガイド」、がんの冊子53タイトル、ウェブサイト「がん情報サービス」掲載情報)
(2)点訳・音訳資料の全国への普及(視覚障害者情報提供ネットワーク「サピエ」を通じて)
(3)がん相談窓口向け情報提供(ニーズに応じた資料の点訳・音訳を支援する体制整備)

国立がん研究センターと堺市立健康福祉プラザ視覚・聴覚障害者センターとのがん情報普及のための協定締結について(国立がん研究センター 2012/10/23付けプレスリリース)
http://www.ncc.go.jp/jp/information/press_release_20121023_02.html

がん情報サービス
http://ganjoho.jp/

堺市立健康福祉プラザ
http://www.sakai-kfp.info/index.html

国がん、視覚障害者向け情報提供で協定締結(医療介護CBニュース 2012/10/23付け記事)

MITによる研究成果のオープンアクセス化がもたらした世界的な影響(記事紹介)

2009年3月に研究成果のオープンアクセス化方針を採択したマサチューセッツ工科大学(MIT)が、2012年10月22日付けで掲載したニュース“Worldwide Impact of Open Access to MIT Faculty Research”でその影響を振り返っています。

同大学の教員が機関リポジトリ“DSpace@MIT”でオープンアクセスとして公開した論文はこれまでに7,000本に及び、これは教員の発表した論文全体のおよそ33%に当たるそうです。公開された論文はほとんど世界中の国々からアクセスがあり、ダウンロード回数は累計で63万回を超えるということです。DSpace@MITの論文は、学位取得を目指す学生や、学術情報へのアクセスが限られる環境にある教員、在野の研究者、医療情報を求める人々、キャリアアップのために頑張っている人々など、世界中の幅広い人々から読まれており、論文を活用した人々から寄せられた声もいくつか紹介されています。

Worldwide Impact of Open Access to MIT Faculty Research(MIT 2012/10/22付けニュース)
https://libraries.mit.edu/sites/news/worldwide-impact-access/9624/

17世紀半ばから現代までの学術論文執筆者のうち、女性が占める割合は?(記事紹介)

2012年10月22日付けのChronicle of Higher Educationが“Scholarly Publishing's Gender Gap”という記事を掲載しています。記事は、米国ワシントン大学のJevin West氏とJennifer Jacquet氏による“Eigenfactor Project”の成果を紹介したものです。

このプロジェクトでは、JSTORを利用して、1665年から2010年までの学術論文を集め、それらを自然科学から人文・社会科学までの1,800近くの研究分野に分類し、各研究分野の論文における女性の割合を算出したとのことです。その結果、調査対象の345年間全体で、全著者のうち女性が占める割合は22%とのことですが、女性が筆頭著者となっているのは約19%となり、女性は第3、第4、第5著者として登場しているようです。また、データによると最近では女性の割合が全体的に上昇しており、1990年から2010年までは女性の割合は27%となっているとのことです。

Gender composition of scholarly publications (1665 - 2011) (Eigenfactor Projectのウェブサイト)
http://www.eigenfactor.org/gender/

ドイツの“Library of the Year 2012”が授与される

2012年10月24日にドイツ図書館協会(DBV)とツァイト財団(ZEIT-Stiftung Ebelin und Gerd Bucerius)から、ヴィルダウ工科大学(Technische Hochschule Wildau)図書館に対し、第13回目となる2012年のドイツ版“Library of the Year”が授与されました。同館のRFID技術や多言語マルチメディアガイドといった、利用者のための最新の技術が授賞の理由とされています。

Moderne Technik zum Vorteil der Besucher: "Bibliothek des Jahres 2012" in Wildau (ekz 2012/10/13付けの記事)
http://www.ekz.de/index.php?id=5735

"Zukunftstechnologien fu"r die Nutzer“: Bibliothek der Technischen Hochschule Wildau (FH) ist "Bibliothek des Jahres 2012“(dbv 2012/6/19付けの記事)

Amazon.co.jpが日本向け「Kindleストア」を10月25日にオープン、Kindleの国内予約販売も開始

Amazon.co.jpが、2012年10月25日に日本向けの「Kindleストア」をオープンし、5万冊の日本語タイトルを含めた電子書籍の販売を開始すると発表しました。併せて、Kindle Paperwhite、Kindle Paperwhite 3G、Kindle Fire、Kindle Fire HDの4機種の国内予約販売も開始しています。

Amazon.co.jp
http://www.amazon.co.jp/

Amazon「Kindle」を日本でも11月発売、「Kindleストア」は10月25日オープン(INTERNET Watch 2012/10/24付け記事)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20121024_568193.html

地域発展の“種”としての図書館を目指し、ペルー国立図書館が大規模キャンペーンを開始

2012年10月22日、ペルー国立図書館が、国内の自治体の協力のもと、“Semillas para el Desarrollo”(発展の種)というキャンペーンを開始しました。これは、ペルー国内の貧しい地域に図書館を設置すること、また、既存の図書館を地域の技術革新の中心に、あるいは学習や仕事、社会発展や社会的包摂の場に変えるべく、図書館員のサービス強化を行うことが目的とされています。

Afirma ministro de Cultura, Luis Peirano:Sin municipios no hay política cultural posible BNP con apoyo de AMPE lanza Campaña “Semillas para el Desarrollo”(Biblioteca Nacional del Perú 2012/10/23付けの記事)
http://www.bnp.gob.pe/portalbnp/index.php?option=com_content&view=article&id=2207:sin-municipios-no-hay-politica-cultural-posible&catid=328:noticias-octubre-2012&Itemid=816

大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)、2012年度上半期の活動報告を公開

2012年10月24日、大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)が、2012年(平成24年)度上半期のJUSTICEの活動状況をまとめた「活動報告(中間報告)」を作成し、公開しました。

平成24年度JUSTICE活動報告(中間報告)を掲載しました (JUSTICE 2012/10/24付けの記事)
http://www.nii.ac.jp/content/justice/news/2012/1024134412.php

米調査機関Pew Research Center、若者の読書や図書館利用についての調査報告書を公表

2012年10月23日、米国の調査機関Pew Research Centerが、同国の若者の読書や図書館利用に関する習慣について調査した結果をまとめた報告書“Younger Americans' Reading and Library Habits”を公表しました。この調査は、2011年11月16日から12月21日にかけて、16歳から29歳までの2,986人を対象に電話によって行われたものです。調査結果の一部として、回答者の8割以上が昨年1年間で1冊以上の本を読んでおり、6割が地元の公共図書館を利用していたことや、特に高校生(~17歳)や大学生(~24歳)という層においては読書・図書館利用の傾向が強かったことが紹介されています。また、報告書には、図書館で電子書籍を借りたことのある若者を集めて2012年春にオンラインで行われたパネルディスカッションでの意見なども収録されています。

Younger Americans' Reading and Library Habits(PDF:57ページ)
http://libraries.pewinternet.org/files/legacy-pdf/PIP_YoungerLibraryPatrons.pdf

ALA、米国図書館に関するファクトデータ集の2012年版を公開

米国図書館協会(ALA)が“Quotable Facts about America’s Libraries”の2012年版を作成しました。英語版(解説あり・なし)およびスペイン語版のPDFファイルが無料で公開されています。これは「米国では58%の大人が公共図書館の利用カードを持っている」「米国にはマクドナルドより多くの公共図書館が存在する―分館も含めると合計16,766館」のようなファクトデータがコンパクトにまとめられているもので、図書館のアドヴォカシーツールなどとして使用されるものです。

Quotable Facts about America’s Libraries(PDF:2ページ)
http://www.ala.org/offices/sites/ala.org.offices/files/content/quotablefacts2012_FINAL.pdf

Quotable Facts about America’s Libraries(ALA)
http://www.ala.org/offices/ola/quotablefacts/quotablefacts/

EBSCO社、図書館情報学分野のフルテキストデータベース“Library & Information Science Source”を発表

2012年10月23日、EBSCO Publishing社が、図書館情報学分野のフルテキストデータベース“Library & Information Science Source”を発表しました。英語及びその他言語の、学術雑誌(430タイトル以上のフルテキスト)、会議録、パンフレット、学位論文、書籍、研究者プロフィール(約5,000人)、シソーラス(1万語以上)などが収録されています。このデータベースは、2011年にEBSCO社によって買収されたH.W. Wilson社のコレクションが基礎となっており、同コレクションの全てが単一のデータベースで提供されるのはこれが初めてということです。

Library & Information Science Source Now Available from EBSCO Publishing(EBSCO 2012/10/23付けニュース)
http://www2.ebsco.com/EN-US/NEWSCENTER/Pages/ViewArticle.aspx?QSID=616

Library & Information Science Source
http://www.ebscohost.com/academic/library-information-science-source

10月 23日

ロシア・プーシキン美術館、浮世絵コレクションのうち約600点をデジタル化して公開

2012年10月22日、ロシアのプーシキン美術館が、同館の所蔵する18~19世紀の日本の浮世絵約600点をデジタル化してウェブサイトで公開しました。ロシア語、英語、日本語のウェブサイトが用意されています。このコレクションは帝政ロシアの海軍将校で日本美術の収集家だったセルゲイ・ニコラエヴィチ・キターエフ氏に由来するもので、デジタル化には、日本たばこ産業(JT)の海外子会社JTインターナショナルが資金提供をしています。新聞報道によると、同館の浮世絵コレクションの総数は数千点に及ぶということです。

Японская гравюра XVIII - XIX вв. из собрания ГМИИ им. А.С. Пушкина
http://www.japaneseprints.ru/

プーシキン美術館所蔵浮世絵コレクション(18-19世紀)
http://www.japaneseprints.ru/?lang=ja

プーシキン美術館所蔵浮世絵コレクション(18-19世紀) | プロジェクトについて
http://www.japaneseprints.ru/about/index.php?lang=ja

浮世絵6百点をウェブ公開 ロシアのプーシキン美術館(MSN産経ニュース 2012/10/22付け記事)

米国議会図書館の“Chronicling America”で公開されている歴史的新聞が500万ページを突破

米国議会図書館(LC)は2007年に開設したウェブサイト“Chronicling America”において全米の歴史的新聞をデジタル化して公開していますが、このたび、公開されている新聞が500万ページを突破したと発表されました。同ウェブサイトでは現在、1836年~1922年までに25の州で発行された800紙が公開されています。

Chronicling America Posts 5 Millionth Page(Library of Congress 2012/10/22付けニュースリリース)
http://www.loc.gov/today/pr/2012/12-198.html

Chronicling America
http://chroniclingamerica.loc.gov/

参考:
米国初の新聞から300年、どこでどれだけの新聞が発行されてきたかを可視化した地図
http://current.ndl.go.jp/node/18787

ルイジアナ州立大学図書館、州内の19世紀後半の新聞をデジタル化
http://current.ndl.go.jp/node/16117

LC、全米電子新聞プログラムの成果"Chronicling America"ベータ版を公開

米国初の“図書館看護師”(記事紹介)

2012年10月21日付けのArizona Daily Starに“Library nurses look after those in need”という記事が掲載されています。記事では、米国アリゾナ州のPima Countyにある複数の公共図書館を巡回しながら利用者の健康診断を行う、米国初の図書館看護師が紹介されています。記事によると、図書館利用者の中にはホームレスの収容施設に入れない人、健康保険に加入していない利用者、健康診断やコンピュータへのアクセスができない人等が増え続けており、Pima Countyとして看護師を雇用し、医療サービスを提供することになったとのことです。

名大、中央図書館の学習用図書整備指針を改正 対象資料を院生の学習用にも拡大し児童書や受験参考書、実用書等も

2012年10月19日、名古屋大学附属図書館が中央図書館の学習用図書整備指針の改正を発表しました。これは、学生からの図書購入希望や教員からの推薦図書を受付けるかどうかを決める基準であり、図書館職員による選書基準でもあるとのことです。主な改正点として以下が挙げられています。

1. 対象資料を、学部学生が学習で必要とする資料から、学部学生と博士課程前期課程の大学院生が学習で必要とする資料に拡大する。
(収集対象の資料であれば博士課程後期課程の大学院生も購入希望を出すことができる。)

2. 収集対象外の資料を減らし、以下のものを収集可能とする。
児童書、絵本、コミック本(語学学習や漫画形式の解説書を購入するため)
各種資格又は採用試験等の受験参考書(就職支援のため)
趣味・実用書(日本文化への理解と最新技術の習得のため)

3. 以下の分野を追加する。
薬学、一般言語学、医学のうち他分野と共通する資料
同時代の作家による作品、同時代の社会現象を反映した資料、最新の技術に関する資料
大学院進学、就職活動に関する資料
生活科学、諸芸に関する資料

10/19 〔中央図書館〕 中央図書館学習用図書整備指針の改正について (名古屋大学附属図書館 2012/10/19付けの記事)

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