2012年1月6日に、米国のアリゾナ州立大学地球・宇宙探査大学院(School of Earth and Space Exploration)とNASAのジョンソン宇宙センターが、ジェミニ計画のデジタルアーカイブ“Project Gemini Online Digital Archive”を公開したようです。ジェミニ計画(1964-66年)は米国の2番目の有人宇宙飛行計画で、二人乗り宇宙船による地球周回飛行を行い、月飛行に必要なランデブーやドッキング等の試験を行った計画のようです。公開されたデジタルアーカイブでは、ジェミニ計画のフィルム資料をスキャンした、高精細デジタル画像が提供されているようです。
米国のイェール大学図書館が利用者用に新たに導入したウェブリソースが、思わぬ発見に繋がったようです。2012年1月19日付けのイェール大学図書館のニュースによると、同大学のアソシエイトライブラリアンであるFred Shapiro氏が、新規導入された“Illustrated London News Historical Archive”を使って“feminist”という単語を検索したところ、1894年の使用例が見つかり、それがOxford English Dictionaryに記載されている最も古い事例をさらに遡るものであったことが明らかになったようです。
米国の調査機関Pew Research CenterのInternet & American Life Projectが、2011年12月から2012年1月の間に、米国でタブレット端末や電子書籍リーダーを所有している18歳以上の大人がそれぞれ約2倍(10%から19%)になったという調査結果を発表しています。更に、2012年1月時点で、29%の米国人がタブレット端末か電子書籍リーダーのいずれか(何らかのデジタル読書用機器)を所有していることになるとも述べられています。
2012年1月20日、欧州のPEER(Publishing and the Ecology of European Research)が、研究者によるセルフアーカイビング(オープンアクセスのグリーンロード)が欧州における研究の生態系に与える影響について「経済性」という観点から調査したプロジェクトの最終報告書“PEER Economics Report”を公開しました。同報告書では、学術出版社やリポジトリを運営している研究機関のコスト構造の比較分析がなされており、冒頭の要約によると「出版社が査読等の論文の内容保証にかけている費用は1本あたり平均250ドル」「メタデータを含めて論文の出版にかかる費用は1本あたり170~400ドルで、内製・外注の別(make or buy decisions)やジャーナルの規模によって上下する」「ジャーナルを英語で発行する出版社は低賃金国へ外注する際に有利である」といった調査結果が含まれているようです。
米国大統領府科学技術政策局 (OSTP)による、連邦政府の助成を受けた研究の成果出版物やデータへのアクセスについての情報提供依頼(Request For Information:RFI)に対し、ARL(北米研究図書館協会)、Creative Commons、コロンビア大学図書館等が、その返答を公開しています。このRFIは、あるべき政策やそれに伴う課題、関係者の役割等について、OSTPが意見を求めていたものです。