アーカイブ - 2011年

1月 7日

Nature Publishing Group、オープンアクセス等のビジネスモデルを発表 新たにオープンアクセスジャーナルを創刊へ

2011年1月6日、Nature Publishing Group(NPG)が、オープンアクセスと定期購読に基づくビジネスモデルの声明を発表しています。NPGのプレスリリースでは、Natureのようなトップジャーナルは、発行部数が多く1論文にコストがかかるため、従来通り定期購読に基づくビジネスモデルが望ましいものの、発行部数の少ないローコストの雑誌については、著者から費用(article processing charges)を徴収するなど、オープンアクセスに基づくビジネスモデルが適当であると述べているようです。そして今後NPGは、このオープンアクセスでの事業を拡大していくと述べ、新たにオープンアクセスジャーナルとして、査読付きの“Scientific Reports”の創刊を発表しています。この“Scientific Reports”は、生物学や化学、地球科学、そして物理学といった自然科学をカバーするもので、2011年6月に創刊されるようです。

NPG position statement on open access publishing and subscription business models. (2011/1/6付け NPGのプレスリリース)
http://www.nature.com/press_releases/statement.html

OCLCと英国Combined Regions、オンラインでの英国の公共図書館総合目録作成計画を発表

2011年1月6日にOCLCが、英国およびアイルランドの図書館ネットワーク団体であるCombined Regionsとともに、オンラインでの英国の公共図書館総合目録の作成計画を発表しています。英国の約80%の公共図書館から提供を受けた書誌データを収録し、900万件の書誌データと5000万件の所蔵情報を検索できるようになるとのことです。

OCLC and The Combined Regions announce plans to launch Web-based public library national union catalogue in UK (2011/1/6付け OCLCのニュース)
http://www.oclc.org/news/releases/2011/2011.htm

エジプト・アレクサンドリア図書館、文化振興活動等のための新事業に着手

エジプトのアレクサンドリア図書館(BA)が、カイロにあるEl-Sennary Houseで新たな事業に着手したようです。2011年1月4日付けの同館のニュースによると、新たな事業とは、ナポレオンが設立し、そこで有名な『エジプト誌』が編纂されたL'Institut d'Egypteの役割を復活させることを目的としたもので、El-Sennary Houseでは、若者のための文芸サロンや芸術展、コンサート、カリグラフィーやヒエログリフ、コプト語の教育コース等が開催される予定とのことです。

The BA Launches New Activities in El-Sennary House (2011/1/4付け BAのニュース)
http://www.bibalex.org/news/newsdetails_en.aspx?id=3112

米国メトロポリタン美術館、キュレーター等が所蔵コレクションについて語るページを開設

2010年1月5日に米国メトロポリタン美術館は、同館職員が所蔵コレクションについて幅広いテーマで語る、“Connections”というページを開設しています。各エピソードは職員のナレーションとテーマに関連する美術作品の画像で構成され、またその美術品に関する情報へのリンクも設定されているとのことです。登場する職員は、キュレーターや修復担当者、科学者、図書館員等のようです。1月7日現在、Connectionsには4つのエピソードが公開されており、今後も毎週更新されるとのことです。

Connections
http://www.metmuseum.org/connections/

Metropolitan Museum Launches Connections Series of Online Episodes Featuring Museum Staff (2011/1/4付け Metropolitan Museum of Artのプレスリリース)

OCLC、研究図書館のあまり利用されていない資料を大規模な電子図書館環境で共同管理することをテーマとしたレポートを公開

2011年1月6日、OCLCが“Cloud-sourcing Research Collections: Managing Print in the Mass-digitized Library Environment”と題するレポートを公開しました。これは、OCLC ResearchやHathiTrust、ニューヨーク大学Elmer Holmes Bobst図書館、研究コレクションへのアクセスと保存に関するコンソーシアム(Research Collections Access & Preservation)が、数年間にわたって進めてきた研究成果とのことです。研究目的は、研究図書館が所蔵している、ほとんど使われていない紙の本を、リポジトリ等の共有サービスプロバイダに対して、管理をアウトソーシングすることについて検証することにあるようです。レポートでは、HathiTrustによって管理されている大規模なデジタルコレクションが存在しており、多くの図書館にとっては紙の本の管理に関しては再検討を行う環境が整っていること、研究機関があまり使われていない資料の管理を、共有サービスプロバイダへアウトソーシングすることで、図書館スペースの確保と管理コストの抑制につながる可能性があること等が記されているようです。

国立公文書館、『アーカイブズ』第42号を公開

国立公文書館が『アーカイブズ』第42号を同館のホームページで公開しています。同誌では、「I.地方自治体の公文書館機能の整備」「II.第42回国際公文書館円卓会議(CITRA)」「III.公文書館をめぐる国・地方の動き」「IV.国立公文書館ニュース」の4つの項目に分けて、17件の記事が掲載されています。

アーカイブズ:第42号 (国立公文書館のページ)
http://www.archives.go.jp/about/publication/archives/042.html

1月 6日

図書館での利用者向けの電源の問題(米国)

Library Journal誌で、公共図書館や大学図書館での、利用者向けの電源の問題を取り上げた記事が掲載されています。ノートパソコンや携帯端末の普及により、電源を取るためのコンセントへの需要が高まっているものの、既存の設備では対応できないところもあり、利用者が机や椅子を電源に近いところに動かしたり、延長コードを持ちこんだりすることもあると紹介されています。対応策としては、座席等の配置換えやコンセントの追加などが行われており、新しい建物がオープンするテキサス州のある公共図書館では、以前は利用者が電源を取るために変な場所にいたりしていたため、新しい図書館では、460個のコンセントを設けたとのことです。

A Digital Generation Scours the Library for a Plug(2010/12/30付けLibrary Journalの記事)
http://www.libraryjournal.com/lj/home/888602-264/a_digital_generation_scours_the.html.csp

OverDrive社、携帯端末だけで図書館の電子書籍を直接借り出せるアプリをリリース(米国)

米国の電子書籍ベンダーのOverDrive社は、同社がサービスを提供している図書館の電子書籍を、iPhoneやAndroid端末などの携帯端末で直接借り出して閲覧できるアプリをリリースしたとのことです。

米OverDrive社、公共図書館の電子書籍をスマートフォンに直接ダウンロードできるビューワアプリをリリース(2011/1/6付けhon.jpの記事)
http://hon.jp/news/1.0/0/2029/

Libraries Provide Direct eBook Downloads on iPhone & Android(2011/1/4付けOverDrive社のプレスリリース)
http://www.overdrive.com/News/getarticle.aspx?newsArticleID=20110104

Library Journal誌が選ぶ「ライブラリアン・オブ・ザ・イヤー」の2011年の受賞者が発表

米国のLibrary Journal誌が選定する「ライブラリアン・オブ・ザ・イヤー」(Librarian of the Year)がの2011年の受賞者が発表されています。選ばれたのはパール(Nancy Pearl)氏で、著作やラジオ等での活動も含めた、読書アドバイザーとしての活動が評価されたとのことです。

Nancy Pearl: LJ's 2011 Librarian of the Year(2011/1/15付けLibrary Journalの記事)
http://www.libraryjournal.com/lj/home/888408-264/nancy_pearl_ljs_2011_librarian.html.csp

BIOGRAPHY(Nancy Pearl氏のウェブサイトより)
http://www.nancypearl.com/?page_id=2

フランス国立図書館(BNF)、同館ウェブサイトの音声での提供を開始

フランス国立図書館(BNF)が、同館のウェブサイトのフランス語ページをウェブ情報読み上げサービス“ReadSpeaker”を利用した音声での提供を開始しています。各ページにある“Écouter la page”のボタンをクリックすると、音声が再生されるようです。

Vocalisation des pages par ReadSpeaker(BNF)
http://www.bnf.fr/fr/la_bnf/anx_actu_bib/a.vocalisation.html

ReadSpeaker
http://www.readspeaker.com/

米国セントジョンズ郡図書館、2010年の“Food For Fines”の成果を公表

米国フロリダ州のセントジョンズ郡図書館(St. Johns County Library)が、2010年11月8日から12月22日まで実施した、貸出資料の延滞等に伴う罰金1ドルの代わりに缶詰等の腐敗しない食料品1品を受け取る“Food For Fines”の成果を公表しています。この取組みは2008年から実施されており、3回目となる2010年はこれまでで最多となる18,614品の食料品が集まったとのことです。同様の取組みは、米国の複数の公共図書館やオーストラリアのシドニー工科大学(University of Technology, Sydney)の図書館でも行われたようです。

Food For Fines - Thanks!(セントジョンズ郡図書館)
http://www.sjcpls.org/content/food-fines-thanks

台湾工業技術研究院、電子書籍端末向けに図書館資料11,000冊の貸出を計画

台湾の工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute)が、2012年に公共図書館の所蔵資料11,000冊を電子書籍端末向けに貸出できるようにする計画を立てているようです。この計画には、台湾の公共図書館500館が協力するとのことです。コンテンツはEPUBフォーマットで、デジタル著作権管理(DRM)技術を利用して提供され、貸出期間は14日間に設定されるとのことです。また、利用登録をすれば、台湾以外の国の人も利用可能にする考えのようです。

Taiwan libraries to offer 11,000 titles for e-readers(Network World 2011/1/5付けの記事)
http://www.networkworld.com/news/2011/010511-taiwan-libraries-to-offer-11000.html

1月 5日

島嶼地域の住民に図書館の本を届けるブックボート(フィンランド)

Scandinavian Public Library Quarterly誌(vol.43, no.4)に、フィンランドの島嶼地域の住民に図書館の本を届けるブックボートのサービスを紹介した記事が掲載されています。フィンランド西部の町Pargasで30年以上にわたり実施されているもので、人命救助用の船を兼用して、5月から9月までの間、4週間ごとに、11の場所を巡回しているとのことです。船のスペースが限られているため、資料は、島の住民が必要としそうなものを図書館員が考えながら、600冊程度が選ばれるとのことです。近年では、周辺地域でのサービスやフェリーを使ったサービスも開始されているとのことです。

No man is an island (When there is a book boat service available) (Scandinavian Public Library Quarterly, vol.43, no.4)
http://splq.info/issues/vol43_4/07.htm

(PDF版)
http://splq.info/issues/vol43_4/SPLQ-4-2010.pdf

参考:
CA1656 - 小特集 北欧のコミュニティと公共図書館:ノルウェー / マグヌスセン矢部直美

デジタル時代で変わりゆく図書館の役割(記事紹介)

2011年1月3日付けのHuffington Post紙に、“The Changing Role of Libraries in the Digital Age”と題した記事が掲載されています。執筆者は、米ソニーのDigital Reading Business部門のSteve Haber氏です。記事では、デジタル時代にあっても、図書館は情報とアイディアへのオープンかつ無償のアクセスを提供する中心的な役割を担い続けるだろうと述べられ、電子書籍を扱うようなテクノロジー産業は、図書館員に対して、電子書籍端末の扱い方等の研修や、資料への特別なアクセス方法、そして、テクノロジーの市場展望に関する知識等を提供することで、図書館を支援することができるし、またすべきであるとも述べているようです。最後に、米ソニーの立場から、上述の支援を行うことのできるものとして、“Reader Library Program”を紹介しています。

The Changing Role of Libraries in the Digital Age (2011/1/3付け Huffington Postの記事)
http://www.huffingtonpost.com/steve-haber/the-changing-role-of-libr_b_803722.html?ref=tw

参考:

オーストラリア・クイーンズランド州立図書館、Wikimedia Commonsに写真5万件を提供

オーストラリアのクイーンズランド州立図書館(State Library of Queensland)が、デジタルメディアを集積するWikimedia Commonsに、19世紀半ば以降の写真5万件を提供しています。Wikimedia Commonsのウェブサイトから、クイーンズランド州の都市ブリスベンで起きた洪水やストーリー・ブリッジの建設の様子等を見ることができるようです。

State Library of Queensland images on Wikimedia Commons(John Oxley Library Blog)
http://blogs.slq.qld.gov.au/jol/2010/12/22/state-library-of-queensland-images-on-wikimedia-commons/

State Library of Queensland donates 50,000 photos to Wikimedia Commons(News.com.au 2011/1/5付けの記事)

オープンアクセスをめぐる2010年の動向をまとめた記事

ズーバー(Peter Suber)氏による“SPARC Open Access Newsletter”の第153号に、オープンアクセスをめぐる2010年の動向をまとめた記事が掲載されています。資金提供機関や大学におけるOAポリシーの採択、OA誌やOAリポジトリの増加状況、OAアーカイビング、OA誌、データ共有、書籍とデジタル化、著作権とライセンシング、景気後退の影響、のそれぞれについて状況をまとめた後、出来事についてワースト10とベスト10があげられています。ベスト1は、多くの機関によるOAの義務化、となっています。

Open access in 2010(SPARC Open Access Newsletter, issue #153, 2011/1/2付け)の記事
http://www.earlham.edu/~peters/fos/newsletter/01-02-11.htm

米国議会図書館(LC)が選ぶ2010年の電子情報保存事業の進展トップ10

2010年12月29日付けの米国議会図書館(LC)のニュースに、LCが選ぶ2010年の電子情報保存事業の進展トップ10が掲載されています。これは、LCの電子情報保存事業のページ“digitalpreservation.gov”に掲載されたイベントや出来事等の中から選ばれたもので、LCに関連するものが多くなっているものの、世界の他機関での活動もカバーしているとのことです。取り上げられた内容は以下のとおりです。
(1) LCがTwitterの保存を開始
(2) ブルーリボン・タスクフォースが、持続可能なデジタル保存とアクセス問題に関する最終報告書を刊行
(3) Mementoプロジェクトが2010年の「デジタル保存アワード」を受賞
(4) 全米デジタル情報基盤整備・保存プログラム(NDIIPP)がデジタル情報保存に対する意識を高める動画を公開
(5) 国家デジタル管理連盟“National Digital Stewardship Alliance”(NDSA)やLOCKSS、Hathi Trust等の協同事業が拡大
(6) 欧州のPlanetsプロジェクトがタイムカプセル等の試みで注目を集める
(7) LCがパーソナル・アーカイビング・デーでアウトリーチ活動を行う
(8) 地理空間データの保存が注目を集める

読書推進運動協議会、2011年度「こどもの読書週間」の標語を募集

社団法人読書推進運動協議会が、2011年4月23日から5月12日の第53回「こどもの読書週間」の標語を募集しています。2010年度の標語は「たんけんしたいな 本の森」でした。

「こどもの読書週間」標語募集(読書推進運動協議会)
http://dokusyo.or.jp/jigyo/kodomo/11hyougo/11hyougobosyu.htm

こどもの読書週間(読書推進運動協議会)
http://dokusyo.or.jp/jigyo/kodomo/top.htm

米国カリフォルニア州の図書館、貸出用のギターの購入を計画

米国カリフォルニア州の図書館“East Palo Alto Library”で、利用者に貸出するためのエレクトリックギターの購入を計画していることがLibrary Journalで取り上げられています。この計画は同館に勤務するスウィーニー(Patrick Sweeney)氏が提案しているもので、ギターをアンプやケーブルと共に10本から15本購入するために、カリフォルニア州立図書館に5,000ドルの助成を求めているとのことです。

A Small California Library Hopes To Circulate Electric Guitars(Library Journal 2011/1/3付けの記事)
http://www.libraryjournal.com/lj/home/888606-264/a_small_california_library_hopes.html.csp

米国の専門図書館協会(SLA)、知識やアイデア共有のためのウェブサイト“Future Ready 365”を開設

米国に本部を置く専門図書館協会(SLA)が、ブログ形式のウェブサイト“Future Ready 365”を開設しています。このサイトは未来に向けて知識やアイデア等を共有するためのもので、質問に対する回答という形で協力者に自身の考え等を文字や画像で投稿してもらうようです。利用者の要求に応えるために現在行っているあるいはこれから行うことは何か、未来への備えに対する障壁は何か、といった質問が挙げられています。

SLA is Future Ready 365(SLA Blog 2011/1/1付けの記事)
http://slablogger.typepad.com/sla_blog/2011/01/sla-is-future-ready-365.html

Future Ready 365
http://futureready365.sla.org/

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