米国では,2011年7月からカリフォルニア州のサンタクラリタ市で民間企業LSSI社による公共図書館の運営が開始されるなど,営利企業による公共図書館の運営に注目が集まっている。米国図書館協会(ALA)は,2011年6月に,公共図書館の民営化が検討されている自治体の図書館関係者に向けて,主な論点や注意すべき点,行動の提案等を示した文書“Keeping Public Libraries Public”を公表した。以下にその概要を紹介する。...
2011年8月16日,毎年恒例のビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団による2011年の「学習へのアクセス賞」(E827,E968,E1089参照)が,東アフリカの住民にインターネットへのアクセス環境等を提供している国際NGO「乾燥地域情報ネットワーク」(Arid Lands Information Network:ALIN)に贈られた。同賞は,コンピュータやインターネットを通じて人々と情報を結びつけるための革新的な努力を行っている米国外の公共図書館や関連施設を表彰するもので,受賞団体には賞金として100万ドルが贈られる。また,今回は財団のパートナーであるマイクロソフト社から,ALINが地域コミュニティを支援するのに役立つソフトや技術指導等,約27万ドル相当の支援が行われる。...
2011年9月6日に、グーテンベルクプロジェクトの創始者である、ハート(Michael S. Hart)氏がイリノイ州のアーバナの自宅で亡くなったそうです。享年64歳でした。ハート氏は、1947年ワシントン州タコマに生まれ、40年前の1971年にグーテンベルクプロジェクトを立ち上げた人物でした。プロジェクトのウェブサイトには、プロジェクトにかかわったGregory B. Newby氏による記事が掲載されています。
2011年9月5日、オランダ王立図書館(KB)とアムステルダム大学図書館、ライデン大学図書館が共同で、“Eerste Hulp Bij e-Onderzoek”(First Aid for e-research)というガイドブックを刊行したようです。執筆したのは、歴史研究者でジャーナリストでもあるEwoud Sanders氏で、三館の依頼で実現したようです。このガイドブックは、数多くあるデジタルリソースの「ジャングル」の中で学生が迷わないように、学生の情報検索スキルの向上に役立つものとして作成されたようです。ガイドブックは、ライデン大学とアムステルダム大学の人文学専攻の1年生に配布されたものですが、KBやライデン大学図書館のウェブサイトでもPDF形式で公開されています。
デンマークの電子研究図書館(DEFF)やドイツ研究財団(DFG)等の4機関が共同で運営しているKnowledge Exchange(KE)が、“Legal Status of Research Data in the four partner countries”と題するレポートを、2011年8月4日付けで公開しています。このレポートは、KEに参加している4か国、すなわち、英国、オランダ、ドイツ、デンマークにおける、研究データの法的な位置付けについてその現状をまとめたもので、研究データへのアクセスの阻害する原因を特定し、オープンに利用できるデータとするための前提条件を明らかにすることを目的としたもののようです。なお、9月9日にベルギーのブリュッセルで、このレポートをテーマにしたセミナーが開催されるようです。
2011年9月3日付けのNew York Timesに、“In Classroom of Future, Stagnant Scores”と題する記事が掲載されています。記事では、米国アリゾナ州のKyrene学区において、2005年以来3,300万ドルを費やして生徒にラップトップの端末を配布したりする等教育のICT化に取り組んだにもかかわらず、テストの成績が芳しいものではないことが取り上げられています。また、記事ではこのKyrene学区でのICT化導入の経緯や実際の利用の仕方、教育のICT化の効果に関する研究、教師の状況等が紹介されているようです。