2011年9月12日、英国のデジタルキュレーションセンター(DCC)が、高等教育機関における研究者とそのサポートスタッフ向けに、「データマネジメントとデータ共有計画開発指南」(How to Develop a Data Management and Sharing Plan)という新マニュアルを公開しました。このマニュアルでは、英国における研究助成団体がデータマネジメントとデータ共有の計画に対して頂いている考えを解説するとともに、その要望にどのように応えるかについて実践的な指導も行なっているとのことです。
英国物理学会(IOP)の出版部門(IOP Publishing)が提供する電子ジャーナルプラットフォーム“IOPsciece”で“article evolution”というプログラムが開始されたそうです。これは、IOPscience上のオンライン論文に対して、画像の拡大(とPowerPointへのエクスポート)機能、映像によるアブストラクト、数式表示エンジン“MathJax”の導入などの新機能が導入されるという内容のようです。まずは、“Journal of Physics A: Mathematical and Theoretical”と“Journal of Physics: Condensed Matter”の2誌に対して導入され、その他のジャーナルに対しても2012年から適用されるとのことです。
2011年9月12日に、米国の著作者団体Authors Guildとオーストラリア著作者協会(Australian Society of Authors)、カナダの著作者組合、8名の作家が共同で、HathiTrustと米国の5つの大学(ミシガン大学、カリフォルニア大学、ウィスコンシン大学、インディアナ大学、コーネル大学)を著作権侵害で訴えたようです。訴えたAuthors Guild側は、当該大学がGoogle社から、許諾を得ないままにスキャンした約700万件の著作権保護対象図書のデジタルデータを受け取り、それをミシガン大学にあるHathiTrustのリポジトリに登録したこと、2011年6月にミシガン大学がそれら著作権保護対象図書データのうち孤児作品(orphan works)と認めたものを、大学構成員に対して無制限のダウンロードを認める計画を発表したこと、他の4大学が8月にミシガン大学の計画に参加したことを指摘し、さらに700万点のデジタルファイルを管理しているセキュリティの状況についても問題視しているようです。