2011年9月6-7日に、第3回目となるe-Inclusion欧州大会2011(European Congress on E-Inclusion 2011:ECEI2011)が、ベルギーのブリュッセルで開催されるようです。e-Inclusionとは、欧州委員会のホームページの定義によると、ICTの利益を享受する際に「何者も取り残されない」こと、すなわち、全ての個人とコミュニティが情報社会のあらゆる局面に加わることを意味するようです。このECEI2011では、“Transforming Access to Digital Europe in Public Libraries”をテーマに掲げ、公共図書館がEUの政策や戦略等にどこでどのように貢献しうるのかを焦点に、EUのe-Inclusionに関する戦略と公共図書館との間の連携について議論されるようです。
European Congress on E-Inclusion 2011: ECEI11: Transforming Access to Digital Europe in Public Libraries http://www.ecei11.eu/
OCLCのWorldCatが、2011年8月26日で40周年を迎えたとのことです。1971年に“OCLC Online Union Catalog and Shared Cataloging system”として開始した最初の日には、オンラインで133点の書籍の目録がとられたとのことです。現在では、17億以上の資料の2億4000万以上のレコードが登録されており、また、ネットワークの通信速度は、当初の41万6千倍(ワイヤレスでも2500倍)の速度となっているとのことです。
スペインで、オープンソースのeXtensible Catalog(XC)を採用した総合目録開発プロジェクトが進行中で、その報告書の英語版“Common Access Point for the General State Authority Libraries”が公開されています。
このプロジェクトを進めているのは、2009年9月22日に立ち上がった、スペイン国立図書館や文化庁などの省庁が参加する“BAGE Union Catalog Working Group”というWGだそうです。同WGでは図書館システムと総合目録“Punto de Consulta Único”(PCU。英語では“Common Access Point”)の開発を目的としており、前者についてはオープンソースのKohaを用いた“Kobli”という図書館システムの開発が進められているようです。
2011年8月22日付けのWebUrbanistで世界の美しい図書館として13館が紹介されています。記事では、18世紀から20世紀初頭に建てられた図書館を取り上げており、オランダ・アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum Amsterdam)の図書閲覧室、アイルランドのトリニティ・カレッジ(ダブリン大学)の図書館(Trinity College Library)等が紹介されています。
デジタル時代の権利に関する活動を行っている団体Open Rights Group(ORG)のブログに、2011年6月に発表された、英国図書館とGoogleとの間の著作権切れ資料のデジタル化に関する提携についての記事が掲載されています。ORGは提携の契約文書の写しを入手したとのことで、文書へのリンクも貼られています。記事の内容は、民間企業との提携により利用に制限が発生する恐れがあることなどを懸念するトーンのものです。
2011年8月24日付けの米国コーネル大学図書館のニュースによると、コーネル大学、デューク大学、エモリー大学、ジョンズ・ホプキンス大学が、また同日付のカリフォルニア大学のニュースによると同大学も、共同デジタルリポジトリHathiTrustの孤児作品プロジェクト(Orphan Works Project)に参加したようです。ミシガン大学等が中心となって進めているこの孤児作品プロジェクトは、HathiTrustに含まれている孤児作品を特定するものです。コーネル大学等は、このプロジェクトに参加することで、デジタル化された孤児作品を所属研究者や学生等に対して、利用提供できるようになるようです。