Library Journal誌とGale社が選ぶ米国の“Library of the Year”の2011年の受賞館として、ワシントン州イサカのキング郡図書館システム(King County Library System)が選ばれています。130万人の住民に対し46の図書館でサービスを提供しており、年間で延べ1000万人以上の来館、2000万点以上の資料貸出があるとのことです。
Internet Archiveによる、紙の書籍などを保存する物理的なアーカイブ(Physical Archive)について、ケール(Brewster Kahle)氏による記事が、Internet Archiveのブログに掲載されています。デジタル資料だけでなく物理的な資料を保存する理由として、将来にオリジナル資料を確認する必要が発生した時に参照資料として使用できるようにということを挙げ、その役割を、植物の種子を保存するシードバンクになぞらえています。通常の利用はデジタル媒体を用いて行い、保存された紙資料へのアクセスはごくたまにしか行わないという想定のようです。資料は貨物用コンテナを改修したものに保存され、一つのコンテナに4万冊程度収蔵できるとのことです。1000万冊規模を目指しているとのことです。
西日本新聞社が、2011年6月7日から、世界中の新聞の一面が見られる“Today's Front Pages”に参加したそうです。これは、米国の報道博物館“Newseum”が提供するウェブページで、現在、92か国の894紙が参加しているものです。国内発行紙では、朝日新聞、西日本新聞、The Japan Times、Stars and Stripesの4紙が参加しているようです。
2011年5月4-5日に、欧州委員会(EC)の情報社会・メディア総局(Information Society and Media Directorate General)の主催で、デジタル資源の保存に関する国際ワークショップ“The Future of the Past -- Shaping new visions for EU-research in digital preservation”がルクセンブルグで開催されました。欧米17か国の研究機関や文化施設から、デジタル保存に関する専門家61名を招いて行われたこのワークショップは、デジタル保存に関する今後の研究について意見を求めることを目的としていたようです。ワークショップでは、ECの「ICTプログラム」の支援を受けて行われたデジタル保存に関する成果報告や、デジタル保存の現状と今後をテーマとしたグループセッションも行われたようです。このワークショップの報告資料がECのウェブサイトで公開されています。また6月半ばには、“Research on Digital Preservation within projects co-funded by the European Union in the ICT programme”と題する報告書も、同ウェブサイトで公開される予定のようです。