2011年6月6日に、欧州の文化遺産ポータル“Europeana”が新たなバーチャル展示として“Yiddish Theatre in London”を公開しました。19世紀以来、東欧のユダヤ人が英国・ロンドンに移住した際に、東欧の演劇文化と彼らの話すイディッシュ語をもたらしたことから、ロンドンのイースト・エンドにイディッシュ語による演劇文化が花開いたとされています。この展示は、ロンドンのJeweish Museum Londonの協力を得て作成されたもので、当時の演劇やそれに関わった人々、建物等の写真や資料等を公開しているようです。
2011年6月2日から3日にかけて、米国サンフランシスコで、図書館・文書館・博物館におけるLinked Open Dataに関する国際会議“Linked Open Data in Libraries, Archives, and Museums Summit”(LOD-LAM)が開催されました。この会議を受けて、LOD-LAMのブログに、文化機関のLinked Dataのオープン性/有用性を評価するための基準のドラフトの提案が掲載されています。データの利用条件等に応じて4つに分けるもので、オープン性の高い順に、手続き不要で自由に利用できる「パブリックドメイン」、リンクバックによる「表示」(Attribution)ライセンス、リンクバック以外による「表示」ライセンス、データ再利用の方法に制約がかかる「表示-継承」(Attribution Share-Alike)ライセンス、の4つが示されています。
Proposed: a 4-star classification-scheme for linked open cultural metadata(LOD-LAMのブログ 2011/6/6付けの記事)
欧州のアーカイブズ機関の国際的なネットワーク組織であるIntarnational Centre for Archival Research(ICARUS)が、2010-2011年の年報を刊行しています。ICARUSは、2011年現在、中・東欧を中心とした欧州20か国から、87のアーカイブズ機関が参加している組織で、参加機関に対する研修・教育プログラムの提供、人的交流の促進、アーカイブズ資料のデジタル化プロジェクトの推進や、それを提供するプラットフォームの維持管理等を行っている国際組織のようです。このたび刊行された年報では、組織の概況の他に、アーカイブズ資料デジタル化の進捗、現在進行中のデジタル化資料の提供プラットフォーム“Monasterium”や“Matricula”等のプロジェクトについて報告しています。