2011年6月1日にスペイン国立図書館(BNE)が、同館の所蔵しているレコード等の歴史的録音資料のインターネット提供を開始しました。今回公開されたのは、1924年から1943年までのオペラやソナタ、タンゴ等の作品約460点で、それらは同館の電子図書館“Biblioteca Digital Hispánica”を通じて視聴できるようです。BNEは、所蔵している1900年代のレコード資料約21,000点を順次デジタル化し、提供すると発表しています。
Registro sonoro musical (Biblioteca Digital Hispánicaに登録されている歴史的録音資料の一覧)
米国議会図書館(LC)が、2011年5月31日にデジタル情報の保存に関するブログ“The Signal: Digital Preservation”を開設したようです。6月1日付けの記事“What Do Teenagers Know About Digital Preservation? Actually, More Than You Think…”では、LCの図書館員らが8年生の生徒たちに講義を行った経験について紹介されています。デジタル情報の中でも10代の子どもたちにとって身近なデジタル写真の保存をテーマとして取り上げ、FacebookなどのSNSにアップロードした写真はサイトの消滅によって消える可能性がある、どのようなデバイス・場所に保存するのが最適か、といった内容について話したそうです。同記事では、生徒のほとんどはデジタル写真のデータが「危うい」状態にあることを認識しており、多くは適切なバックアップを行っていたことに喜びとともに驚いた、と記されています。
2011年5月28日から6月5日頃にかけて、欧州の図書館員等が、デンマークのコペンハーゲンからドイツのベルリンまでを自転車で走破するプロジェクト“Cycling for Libraries”を開催しています。このプロジェクトは、ベルリンまでの約650kmを走る間に世界中から100人の図書館員を集めること、そして、走行ルートにそってセミナーを開催し図書館分野の戦略課題について議論することを目的としているとのことです。また最終日の6月7日には、ベルリンで開催される図書館会議でイベントを行うようです。“Cycling for Libraries”のウェブサイトには、道中の写真等が掲載されているほか、ハッシュタグ“#cyc4lib”を使用してTwitterでサイクリングの様子を紹介しています。
2011年5月24日に米国大学出版協会(AAUP)が“Digital Book Publishing in the AAUP Community Survey Report”の2011年春期版を公開しました。これは、AAUP加盟の出版局がどの程度デジタル出版戦略を取り入れているか等について調査したものとのことです。今回の調査は、2009年冬期の調査に続いて2回目とのことで、調査にはAAUP加盟出版局の55%にあたる71の出版局が回答したようです。その結果、回答した全ての出版局が少なくとも2つのデジタル出版戦略を掲げていること等が明らかになったようです。
米国国立公文書館(NARA)が、同館初の「ウィキペディアン・イン・レジデンス」(Wikipedian in Residence)として、ボストンの大学院生が選ばれたと発表しています。NARAとWikipedianコミュニティとの連携役としての役割が期待されているとのことです。「ウィキペディアン・イン・レジデンス」は、ある機関に関するWikipediaの記述を促進するために、その機関のインターン等として活動するもので、これまでに大英博物館やスミソニアン協会等での例があるようです。