Googleが2006年9月から開始した新聞アーカイブズのデジタル化プロジェクトを中止するようです。各紙の報道によると、Googleは同プロジェクトに協力している各新聞社に対して、これ以上の新聞のデジタル化等を行わなわず、今後はGoogle One Passといった別のプロジェクトに注力すると通知したとのことです。
2011年5月19日に英国知的財産局(UK-IPO)が、“Intellectual Asset Management for Universities”と題するレポートを公開しました。大学関係者向けのこのレポートでは、大学が自組織の生み出した知的財産を効果的に活用する方法について解説されているようです。
2011年5月12日に、スペイン下院において「科学・技術・イノベーション法」(Ley de la Ciencia, la Tecnología y la Innovación)が賛成多数で可決したようです。(上院は5月4日に通過。)スペイン科学・イノベーション省の説明によると、この法律は、民間企業におけるイノベーション活動の促進、若手研究者の安定した雇用の整備等を目的としたもののようです。また、国家イノベーション機構(Agencia Estatal de Investigación)の創設や、公的資金を基に行われた研究成果はOAとして利活用すること等も条文には盛り込まれているようです。また、スペイン文化省の5月14日付けのプレスリリースによると、この法律によってスペイン文化遺産機構やスペイン国立図書館のほか、18の博物館と9つの文書館が、科学・技術研究の支援を行う「遂行機関」(agentes de ejecución)として登録されるとのことです。それらの「遂行機関」は、科学活動の促進を目的とした予算に基づく調査プロジェクトへの参加等が可能となり、また、「公共のための科学コミュニケーション」活動も担うこととなったようです。
“D-Lib Magazine”の2011年5・6月号に、ユアン・リー(Yuan Li)氏とミーガン・バナッハ(Meghan Banach)氏による“Institutional Repositories and Digital Preservation: Assessing Current Practices at Research Libraries”という論文が掲載されています。著者らは2010年、北米研究図書館協会(ARL)加盟館のうち機関リポジトリを運用している72館を対象として、機関リポジトリにおける電子情報保存のポリシーや戦略、コンテンツを保存する権利、コンテンツの質、持続可能性といった点についてアンケート調査を行ったそうです。論文では、回答館の51.5%が機関リポジトリの保存ポリシーを定めている、65.5%が機関リポジトリ外部の保存サービスを使用している、などの結果が紹介されています。
Institutional Repositories and Digital Preservation: Assessing Current Practices at Research Libraries (D-Lib Magazine) http://dx.doi.org/10.1045/may2011-yuanli