2011年2月から毎月、オランダSURF財団は「ハイブリッド型」の研究論文への表彰を実施していますが、このほど2011年5月19日に4月期の対象論文を発表したようです。この「ハイブリッド型」の論文“Enhanced Publication”は、本文だけではなく研究データや画像、動画等と結びついた、オンラインで利用できる新しいタイプの刊行物とされているようです。受賞した論文は、OA誌であるJournal of Archaeology in the Low Countriesに掲載された、 Smits氏らの“Mesolithic and Neolithic human remains in the Netherlands: physical anthropological and stable isotope investigations”のようです。論文ではマッピングされた発掘調査地点と出土資料を見ることができ、それが理解しやすいものとなっていること、研究データの完全なデータセットへも容易にアクセスできるとされているようです。
2011年5月26日に、米国ヒューレッド・パッカード(HP)社は、これまで進めてきた、ポール・マッカートニー氏の100万点以上の作品のデジタル化が終了し、プライベートクラウドでのデジタルライブラリー“Paul McCartney Digital Library”を開設したと発表しています。なお、ビートルズ時代の作品や資料は、この“Paul McCartney Digital Library”には含まれていないようです。また、一部の写真コレクションについては、“Paul McCartney Digital Library”を通じて公開されているとのことです。
2011年5月26日付けのReadWriteWebに“Crowdsourcing Project Will Help Identify and Recover Lost Films”と題した記事が掲載されています。記事では、ドイツのフィルム・テレビ博物館のフィルムアーカイブズを中心に、ドイツの他、フランスやポーランド、ニュージーランド等の各国の映画協会等が参加している、“LOST FILMS”というプロジェクトについて紹介しています。この“LOST FILMS”では、古い映画のスチール写真等をアップロードして、それに対して利用者がタグを付けたり、あるいはコメントを付けたりすることで、「失われた」映画に関する情報を集めているようです。現在、“LOST FILMS”には、約3,500点の映画が登録されており、これまでに56点の映画の存在が新たに発見され、72件の情報については同一映画と確認されているようです。