2011年5月18日、米国の書誌情報サービスの大手Bowker社が、同社の出版情報データベースBooks in Printのデータをもとに、米国の書籍出版統計を発表しました。Bowker社のプレスリリースによると、電子書籍の普及にもかかわらず、2010年における米国の従来型の印刷図書の出版点数は、前年に比べて5%増加する見込みであるとのことです。また、新タイトル数は2009年は302,410点であったのに対し、2010年は316,480点となるとのことです。
2011年5月23日付けのChronicle of Higher Educationに、“Gaming the Archives”という記事が掲載されています。記事では、大学図書館等の多くの機関において、所蔵しているアーカイブズ資料へのメタデータ付与が資金とマンパワーの関係から難しいとされていることを踏まえ、そのメタデータ付与の作業をゲームにして公開することで、図書館員以外の協力を得て行おうとする取組み“MetaData Games”を紹介しています。この“MetaData Games”を開発したのは、米国・ダートマス大学でデジタル人文学を教えるMary Flaganan氏と同大学のアーキビストPeter Carini氏らとのことです。ゲームでは、一人用あるいは二人用プレイが可能で、それぞれ画面に表示されるデジタル化された写真資料に対してタグをつけるようになっているようです。大学のアーカイブズから200点の画像を選択し、それをテスト環境で実験したところ、1画像あたり約32もしくは33件のタグがプレイヤーによって付与されたとのことで、Flaganan氏は「(付与された)メタデータの90%以上は役立つものだったと言ってよいと思う。」とコメントしているようです。なお、このゲームは2011年夏の公開を予定しており、オープンソースとして提供されるようです。
欧州の国立図書館で構成される欧州図書館(The European Library;CA1556参照)が,2011年4月に,2010年度の年次報告を公開した。欧州図書館は,欧州国立図書館長会議(CENL)のメンバーである欧州の48の国立図書館が参加するデジタル図書館で,オランダ王立図書館が事務局業務を担っている。書籍,ポスター,地図,録音,動画等のデジタル資料と書誌的データを自らのサイトで提供するとともに,欧州の文化遺産ポータル“Europeana”にもコンテンツを提供している。...
2011年5月3日に,米国OCLCが『すばやいデジタル化: 特殊コレクションデジタル化の迅速な処理について』(Rapid Capture: Faster Throughput in Digitization of Special Collections)と題するレポートを刊行した。このレポートは,非図書資料のデジタル化作業の簡素化・合理化の方法を紹介することを目的として,米国の大学等におけるデジタル化の事例を解説したものである。OCLCはこれらのケースを参考に,読者の所属するそれぞれの館でデジタル化の規模拡大に役立て,ひいては特殊コレクションへのアクセス増大につなげてほしいとしている。以下では紹介されている9つの機関のうち,4機関を取り上げる。...