社会科学・人文科学分野の研究データを扱う英国データアーカイブ(UK Data Archive)が、研究データの管理と共有についてのガイド“MANAGING AND SHARING DATA”の第3版を公開しています。主な内容は、「研究データ共有の理由と方法」「データ管理のプランニング」「データのドキュメンテーション」「データのフォーマット」「データの保存」「倫理と同意の問題」「著作権」「データ管理戦略」となっています。
米国議会図書館(LC)は、ジャンル/形式用語(genre/form terms)を示す典拠レコードを米国議会図書館件名標目表(LCSH)から正式に分離し、LCジャンル/形式用語シソーラス(Library of Congress Genre/Form Terms for Library and Archival Materials:LCGFT)とするためのデータ処理を、2011年5月24日に実施するとのことです。LCGFTに収録される用語は、資料が「何についてであるか」ではなく、「何であるか」を表すものです。今回のデータ処理では、新たなプリフィクスを付したLCCNの付番など、LCSHからの分離を明確化する措置が行われるようです。5月24日に、MARCの修正典拠レコードの一括再配布が行われるとのことです。
2008年に建設が始まった米国シカゴ大学の新図書館が2011年5月16日にオープンします。新図書館は2,500万ドルを寄付した卒業生のマンスエト夫妻にちなんで「ジョー&リカ・マンスエト図書館」(Joe and Rika Mansueto Library)と名付けられました。同館のサイトには多くの資料が掲載されており、ドーム状のガラスで覆われた閲覧室の地下に位置している自動書庫の映像がYouTubeで公開されていました。
米国のハーバード大学ロースクールの図書館ラボ“The Harvard Library Innovation Laboratory at Harvard Law School”がポッドキャストを開始したそうです。第1回目は、“The Iraq War: A History of Wikipedia Changelogs”(Wikipediaのイラク戦争の項目の編集履歴を書籍にしたもので、全12巻・7,000ページにもなる)の著者ジェームズ・ブライドル(James Bridle)氏と、同ラボのデイビッド・ワインバーガー氏との対談になっています。ポッドキャストはiTunesでも公開される予定とのことです。
米国のロチェスター大学を中心として開発されているオープンソースのディスカバリ・インタフェースソフトウェア“eXtensible Catalog”(XC)に関する書籍“Scholarly Practice, Participatory Design and the eXtensible Catalog”が出版されたようです。XCの開発の過程では、研究者たちがどのように学術情報を知り、入手し、利用しているかを理解するために、コーネル大学、オハイオ州立大学、ロチェスター大学、イェール大学といった研究機関で多数の研究者インタビューやワークショップが行われたそうです。同書では、これらのユーザ調査の主要な結果について紹介されているとのことです。
ユネスコや国際図書館連盟(IFLA)等が選ぶ、2011年の“World Book Capital(本の首都)”である、アルゼンチン・ブエノスアイレスに、3万冊の本で作られた「バベルの塔」が完成したようです。この「バベルの塔」は、アルゼンチンの芸術家ミヌヒン(Marta Minujin)氏による作品で、図書館や50か国以上の大使館等から寄贈された本を用いてつくられ、高さ25メートルほどとのことです。塔は5月末まで一般公開され、その後、塔の建設に使われた本はアルゼンチン初のマルチリンガル図書館の蔵書として活用されるようです。