アーカイブ - 2011年 4月

4月 20日

オープンアクセスポリシー導入のための手引き書“Open Access Policy Kit”

2011年4月13日の英国Knowledge Exchangeのニュースによると、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)が“Open Access Policy Kit”という文書を公開したようです。この“Open Access Policy Kit”は、オープンアクセスポリシーをすでに導入している世界の先行優良事例を基に、研究機関や研究助成団体がオープンアクセスポリシーを導入する際の手引きとしてつくられたもののようです。なお、“Open Access Policy Kit”を作成したのは、COARに加盟しているポルトガルのオープンアクセス学術リポジトリ(RCAAP)とのことです。

Open Access Policy Kit
http://projecto.rcaap.pt/index.php/lang-pt/consultar-recursos-de-apoio/remository?func=download&id=336&chk=d8bd41ab5aff65b71a671ddb7d9cb91b&no_html=1

Deposit Policies (Repositorio Cientifico de Acesso Aberto de Portugalのウェブサイト。“Open Access Policy Kit”ダウンロードページ。)

2011年雑誌価格調査の結果(米国)

2011年4月14日付けの記事で、Library Journal誌が2011年版の雑誌価格調査の結果“Periodicals Price Survey 2011: Under Pressure, Times Are Changing”を掲載しています。ここでは、予算削減と価格上昇に苦しむ図書館の姿が紹介され、学術分野や出版国ごとの平均価格、平均価格上昇率がまとめられています。また、2012年の動向についても予測しており、例えば、ISIの3つのCitation Index(AHCI、SSCI、SCI)に収録されたタイトルの平均価格上昇率は2010年は4.3%、2011年は5.3%だったそうですが、2012年は6~8%程度になるだろうと推測しています。

Periodicals Price Survey 2011: Under Pressure, Times Are Changing (Library Journal 2011/4/14付け記事)
http://www.libraryjournal.com/lj/home/890009-264/periodicals_price_survey_2011_under.html.csp

参考:
Library Journal誌、2009年2月時点の学術雑誌価格調査の結果を発表

スペイン文化省がレポート「スペインにおける電子書籍の現状と展望」を刊行

2011年4月12日、スペイン文化省内の組織で、同国の読書や書籍の現状を調査している“Observatorio de la Lectura y el Libro”が、「スペインにおける電子書籍の現状と展望」“Situación actual y perspectivas del libro digital en España”と題するレポートを刊行したようです。レポートは、電子書籍の進展が同国の出版業界と読者にどのようなインパクトを与えたか、デジタルコンテンツの供給にどのような影響を与えているかを明らかにしたものとのことです。レポートでは、KindleやiPad等の電子書籍端末やタブレット端末の動向、それら端末で利用するデジタルコンテンツの状況と今後の予測、EPUB等のフォーマットやデジタル著作権管理(DRM)等の議論が展開されているようです。これらのトピックのうち特に図書館に関わる項目としては「DRMとそれが図書館に与える衝撃」があり、そこでは米国のHarperCollins社による電子書籍貸出回数の上限設定問題と、DRMに反対する“ReadersBillofRights.info”という活動等が紹介されているようです。

Situación actual y perspectivas del libro digital en España (PDF版)

MIT OpenCourseWare、10周年を迎える

米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)が2001年に世界で初めてスタートしたオープンコースウェア“MIT OpenCourseWare”が、2011年4月で10周年を迎えました。この10年間に公開した講義は2000、閲覧者は1億人を超えたそうです。次の10年では閲覧者10億人を目指し、“Placing OCW everywhere”、“Reaching key audiences”、“Creating communities of open learning”、“Empowering educators worldwide”の4つの目標に力を注いでいくとのことです。

MIT OpenCourseWare's First 10 Years: 100 Million Served
http://ocw.mit.edu/about/next-decade/

The Next Decade of Open Sharing: Reaching One Billion Minds
http://ocw.mit.edu/about/next-decade/initiatives/

Our History (MIT OCWの歴史年表)
http://ocw.mit.edu/about/our-history/

参考:

第4章 公共図書館における障害者サービスの事例的検討:ヒアリング調査から / 野口 武悟

 

1 はじめに

 第3章で述べた質問紙調査に加えて、障害者サービスに関して先進的な取組みを行っている公共図書館を抽出して、2010年10月から11月にかけてヒアリング調査を実施した。調査対象館(以下、対象館とする)は、浦安市立中央図書館、大阪市立中央図書館、大阪府立中央図書館、埼玉県立久喜図書館、千葉市中央図書館、調布市立中央図書館、名古屋市立鶴舞中央図書館、枚方市立中央図書館、横浜市立中央図書館の9館である。本章では、このヒアリング調査の結果から、対象館の障害者サービスの現状と課題を中心に述べる。

 

2 障害者サービスの歴史

 対象館の多くでは、視覚障害者読書権保障運動の高まりや「国際障害者年」(1981年)等を背景に1970年代から80年代にかけて、視覚障害者に対する対面朗読サービスを主として障害者サービスが始まっている。この時期には、「図書館利用に障害のある人々」へのサービスとの共通認識も形成され始め、視覚障害者以外の人々に対するサービスも徐々に追求されるようになり、現在に至っている。

第3章 公共図書館における障害者サービスの質問紙調査の結果分析 / 返田 玲子

 

1 はじめに

 この章では、今回の調査研究における質問紙調査の結果の概要を、過去に日本図書館協会が実施した障害者サービスに関する調査との比較を交えながら紹介する。比較に当たっては、『障害者サービスの今をみる』1)『図書館が変わる』2)『「図書館利用に障害のある人々へのサービス」全国調査報告書 1998年調査』3)を参考にした。紙幅の関係から全回答への分析ではないことをお断りしておく。

 

2 施設や設備

 障害者に関する設備については、2005年調査と比較して障害者用トイレ設置率2,297館(80.8%)が1,920館(84.5%)に、障害者用駐車場の1,571館(55.3%)が1,556館(68.5%)になるなど、館数としては減じているが割合で増加した。緊急用点滅ランプのみ435館(15.3%)から168館(7.4%)と減少した。障害者サービスを実施しているかどうかの設問で、実施していない理由の回答例を見ると、建物が古く財政状況などから障害者に関する設備が整備できないという記入もある。

第2章 IFLAから見る世界の図書館における障害者サービスの動向 / 野村 美佐子

 

1 はじめに

 日本では、2010年1月の改正著作権法の施行により、公共図書館など図書館の障害者に対するサービスの大きな変革が求められている。

 20世紀の世界の図書館の障害者サービスの発展の主たる指標は、紙による印刷物を読むことができない障害(print disabilities)がある人々の読書を支援するための、点字図書、録音図書、そして読みやすい(Easy-to-Read)図書1)の開発と普及だった。

 それに対して、21世紀の世界の図書館の障害者サービスは、1996年にIFLA(International Federation of Library Associations and Institutions:国際図書館連盟)のSLB(Section of Libraries for the Blind:盲人図書館分科会)の6会員団体によって結成されたDAISY コンソーシアムが開発したDAISY(Digital Accessible Information System:アクセシブルな情報システム)を軸にした発展を遂げていることが特徴である。

第1章 日本の公共図書館における障害者サービスの動向:1995-2010年 / 小林 卓

 

1 はじめに

 本章では、1995年から2010年までを中心とする約15年の文献から、障害者サービスのこの間の動向を概観する。1995年を起点とする理由は2つある。1つめは、1995年が現代の日本を俯瞰する上で、きわめて重要な年であることである。背景を簡略に述べると、1995年前後の特徴的なできごとは、以下の通りである。

4月 19日

Amazon.co.jp、注文に応じて印刷・出荷する、プリント・オン・デマンドプログラムを開始

2011年4月19日にAmazon.co.jpが、プリント・オン・デマンド(POD)プログラムを開始したようです。PODプログラムとは、オンデマンド印刷技術により、注文に応じて書籍を1冊から印刷・出荷するものとのことで、現在のところ同プログラムの対象は洋書のようですが、今後順次和書にも拡大していくとのことです。

Amazon.co.jp、プリント・オン・デマンド(POD)プログラムを開始 (Amazon.co.jp 2011/4/19付けのプレスリリース)
http://www.amazon.co.jp/gp/press/pr/20110419/ref=amb_link_61402869_1

「情報の時代」に関する5つの神話(記事紹介)

2011年4月17日付けのChronicle of Higher Educationに、ハーバード大学図書館長のダーントン(Robert Darnton)氏による“5 Myths About the 'Information Age'”と題された記事が掲載されています。記事では、「情報時代」にまつわる5つの誤解、すなわち「本は死んだ」、「我々は情報時代に突入した」、「あらゆる情報はオンラインで手に入る」、「図書館は時代遅れである」、「未来はデジタルである」を指摘し、それぞれについて「正しい理解」を示そうとしているようです。このうち「図書館は時代遅れである」という誤解に対しては、現在も多くの利用者が図書館に通っていること、図書館はこれまでも、そしてこれからも利用者に対してデジタル資料を含め様々な方法で資料を提供すること、そして将来の図書館は図書を提供しつづける一方で、デジタル情報をコミュニケートする中枢の機関として機能するだろうと指摘しています。さらに、ダーントン氏は以上の議論を踏まえ、本の流通や読書、書くという行為に関する議論についても同記事後半で展開しているようです。

5 Myths About the 'Information Age' (Chronicle of Higher Education 2011/4/17付けの記事)

デトロイト公共図書館、財政難のため分館の半数以上の閉館を検討中

米国のデトロイト公共図書館が財政難のため23館ある分館の半分以上を閉鎖する決断を迫られているそうです。先日実施された80人のレイオフに加えてさらなるコストカットが必要となり、現在、18館の閉鎖(191人のレイオフに相当する)、15館の閉鎖(163人)、12館の閉鎖(135人)という3つの案を検討しているそうです。

Detroit library could close most of its branches (detnews.com 2011/4/15付け記事)
http://detnews.com/article/20110415/METRO/104150371/Detroit-library-could-close-most-of-its-branches

Detroit Plans To Close Branch Libraries (動画ニュース)
http://www.clickondetroit.com/video/27563100/index.html

Detroit Public Library
http://www.detroit.lib.mi.us/

参考:
E1102 - 財政難の状況下での公共図書館における有料サービス(米国)
http://current.ndl.go.jp/e1102

図書館系ブログコンテスト“The 2011 Library Blog Awards”

米EBSCO社傘下のSalem Pressのウェブサイトで“The 2011 Library Blog Awards”という図書館系ブログのコンテストが行われています。2011年6月1日まで推薦を受け付け、主催者側による一次選考のあと、オンラインで投票が行われるとのことです。結果は6月中旬に発表されるそうです。

The 2011 Library Blog Awards
http://salempress.com/Store/blogs/blog_home.htm

2010年の結果
http://salempress.com/Store/blogs/2010_blogs.htm

HathiTrustを利用した研究のための環境等を提供するHathiTrust Research Centerが開設へ

2011年4月18日に、米国インディアナ大学が、米国等の大学による共同デジタルリポジトリ“HathiTrust”とイリノイ大学とともに、“HathiTrust Research Center”(HTRC)を開設すると発表しています。HTRCでは、非営利目的で教育関係の利用者に対して、HathiTrustに登載されているパブリック・ドメインの資料をオープンアクセスで提供するほか、著作権保護対象資料についても限定的にアクセスできるようにするとのことです。また、HathiTrustのデータを使って研究する研究者のためのコンピュータ環境等も提供するようです。

IU, University of Illinois launch HathiTrust Research Center for computational access to archives (Indiana University 2011/4/18付けのニュースリリース)
http://newsinfo.iu.edu/news/page/normal/18245.html

無料でWi-Fiも使える屋外閲覧室(米国)

2011年5月末、米国オハイオ州のコロンバス市図書館が街中の公園“Columbus Commons”に屋外閲覧「室」を設置する予定だそうです。ブックトラックに用意された図書をベンチなどで読むだけではなく、無料でWi-Fiが利用できるとのことです。

Outdoor reading 'room' coming to new Downtown park (The Columbus Dispatch 2011/4/15付けニュース)
http://www.dispatch.com/live/content/local_news/stories/2011/04/15/outdoor-reading-room-coming-downtown.html

Outdoor reading 'room' coming to new Downtown park (LISNews 2011/4/15付け記事)
http://lisnews.org/outdoor_reading_039room039_coming_new_downtown_park

Columbus Commons (写真あり)
http://www.downtowncolumbus.com/progress/columbus-commons

Columbus Metropolitan Library

“Foursquare”を活用したニューヨーク公共図書館のプロモーション

2011年3月30日から、米国のニューヨーク公共図書館(NYPL)が、位置情報ソーシャルネットワークサービス“Foursqure”と連携したプロモーションを開始しています。利用者はNYPL来館時にスマートフォンのFoursquareアプリなどで「チェックイン」して記念バッジを取得することができ、さらにチェックインを繰り返して「市長」(mayor)になると、NYPLで開催されるライヴチケットや館内の舞台裏ツアーへの参加といった特典が受けられるそうです。なお、ニューヨーク市は、Foursquare社が同市発の企業であることから、今年より4月16日を「Foursquareの日」に制定しています(4の2乗が16であることにちなみ)。

The New York Public Library Partners With foursquare To Unveil A New “Badge” (NYPL 2011/3/30付けニュース)
http://www.nypl.org/press/press-release/2011/03/30/new-york-public-library-partners-foursquare-unveil-new-%E2%80%9Cbadge%E2%80%9D

NYPL and Foursquare FAQ

カリフォルニア州では一日に100万人以上が図書館を利用(米国)

米国のカリフォルニア図書館協会が、カリフォルニア州の公共図書館、大学図書館、学校図書館、専門図書館を合わせた1,140館の図書館の一日の利用状況についてまとめた数字を発表しています。2010年10月の一日における数字をまとめたもので、以下のような数字をあげ、図書館が利用されているという実態をアピールしています。
・1,012,563人が図書館を訪れた。
・図書館ウェブサイトは1,223,887回アクセスされた。
・770,831点の資料が貸出(または更新)された。
・図書館員が対面で93,292件のレファレンス質問に回答した。
・図書館員が電話・Eメール・インスタントメッセージ等で16,577件のレファレンス質問に回答した。
・169,707人が図書館のコンピュータを利用した。
・子ども向け、ティーン向け、大人向け、家族向けに2,170のプログラムが開催され、62,354人が参加した。
・26,962人が、図書館で、リテラシーの指導、宿題の支援、情報リテラシーの指導を受けた。

Snapshot of Library Usage in California(カリフォルニア図書館協会の発表)
http://www.cla-net.org/displaycommon.cfm?an=1&subarticlenbr=124

カリフォルニア図書館協会

4月 18日

二階建てに変身する移動図書館(オランダ)

オランダのアムステルダム近郊のZaanという地域では、道幅が狭いため、通常のトレーラー型の移動図書館では通行が難しいとのことで、独特のデザインの二階建ての移動図書館“BiebBus”が活躍しているとのことです。貨物船のコンテナを利用した外側部分の内側に図書館部分があるという二層構造になっており、使用時には、外側部分が上にスライドして2階となり、閲覧コーナーとなる模様です。

BiebBus, The Expanding Mobile Library(Domus 2011/4/11付け記事。写真あり)
http://www.domusweb.it/en/design/biebbus-the-expanding-mobile-library/

被災したデジタルデータの復旧や視聴覚資料の修復についての記事・情報のリンク集

東日本大震災で被害を受けた、ハードディスク等に納められたデジタルデータの復旧や、写真・フィルム等の視聴覚資料の修復について、事例・注意点・対処方法等を記した記事やページのうち、いくつかへのリンクを下記にまとめました。

■水没した媒体からのデータ復旧に係る注意点を紹介した記事

水に濡れたドライブからのデータ復旧(オントラック)
http://knowledge.ontrack-japan.com/guide/flood_drives.html

洪水や津波の被害を受けた《視聴覚メディア》の応急処置(映画保存協会 2011/3/20付けの情報)
http://www.filmpres.org/archives/940

■ハードディスクのデータを復旧した事例等を紹介した記事

津波で浸水したHDDがデータ復旧するまで、日本データテクノロジーに聞く(Internet Watch 2011/4/8付けの記事)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/special/20110408_437325.html

地震、火災、津波――災害に見舞われたHDDは復旧できる?(ITmedia + D PC USER 2011/4/6付けの記事)

文化遺産機関におけるデジタル化資料の保存についての調査報告書(米国)

電子コンテンツのアーカイビング事業を行っているPorticoが、全米人文科学基金(NEH)と博物館・図書館情報サービス機構(IMLS)の資金援助により実施した、文化遺産機関におけるデジタル化資料の保存についての調査の報告書“Preservation of Digitized Books and Other Digital Content Held by Cultural Heritage Organizations”(2011年3月付け)が公開されています。27の文化遺産機関(教育機関、文書館、図書館、博物館等)への調査と、コーネル大学図書館のデジタル化コンテンツの分析を行ったもので、報告書の後半では、「今すぐにできるステップ」と、デジタル化を行う際に参照となるモデル等が示されています。

【イベント】緊急討議「東日本大震災 被災支援とMLAK-いまわたしたちにできることは」(4/23・東京)

東日本大震災で被災した博物館・美術館、図書館、文書館、公民館の情報やそれらに対する支援情報の提供を行っている“saveMLAK”が、2011年4月23日に、緊急討議「東日本大震災 被災支援とMLAK-いまわたしたちにできることは」を、学習院大学(目白)で開催すると発表しています。

緊急討議「東日本大震災 被災支援とMLAK-いまわたしたちにできることは」 (saveMLAK 2011/4/18付けの情報)
http://savemlak.jp/wiki/saveMLAK:Ev/20110423

参考:
博物館・美術館、図書館、文書館、公民館の被災・救援情報サイト“saveMLAK”が始動
http://current.ndl.go.jp/node/17970

ページ