CIP(Cataloging In Publication)とは、出版者から提供される事前情報に基づいて全国書誌の作成機関などが作成した書誌データあるいはその提供元情報を、出版物の標題紙裏などに印刷して出版することである。世界の多くの国々で導入され、アジア地域においても既に8か国で実施されている(2)。
2011年1月10日、欧州委員会(EC)情報社会・メディア総局のハイレベル諮問委員会であるComité des Sagesが、報告書“The New Renaissance”を刊行しました。報告書では、欧州デジタル図書館“Europeana”ポータルが、欧州のオンライン文化遺産の中心的なレファレンスポイントとなるべきであるとして、EU加盟国に対し、各国の公的資金でデジタル化されたすべての資料を、Europeanaのウェブサイトで確実に利用できるようにすること、パブリックドメインの全資料を2016年までにEuropeanaを通じて利用できるようにすること等を求めているようです。
英国図書館(BL)が、同館で初となるスマートフォン向けアプリ“Treasures”を有料で提供しています。同館の展示室“Sir John Ritblat Treasures Gallery”に展示されている貴重資料のコレクションから、ジェーン・オースティンの10代の頃の作品やマグナ・カルタのオリジナル版等を含む250件の画像と40件の動画を提供するようです。
2010年12月30日に、スペイン文化省(Ministerio de Cultura)は、2011年初めにも「文献遺産バーチャル図書館」(La Biblioteca Virtual de Patrimonio Bibliográfico)で、同国のアメリカ博物館(Museo de Ame'rica)とセファラディ博物館(Museo Sefardí)等の文献資料約400件、16万ページと、海軍博物館等の地図資料8,000件以上をデジタル化公開すると発表しています。「文献遺産バーチャル図書館」は、同省と国内の自治共同体が共同で進めているプロジェクトで、同国の図書館等関係機関が所蔵する手稿資料やインキュナブラ等の貴重資料等をデジタル化して公開するものです。今回の博物館等の参加により、「文献遺産バーチャル図書館」では、スペイン国内の約50機関から提供された200万ページ以上が公開されることになるようです。
米国議会図書館(LC)が、米国のレコード会社Universal Music Groupから録音資料のマスター盤20万件の寄贈を受けると発表しています。寄贈されるのは、絶版から相当期間経過したものや今後リリース予定のないものの凹盤及びマスターテープで、同館の録音資料部門(Recorded Sound Section)で管理されるとのことです。
英国の図書館・情報専門家協会(CILIP)は、図書館の価値を簡潔にアピールするためのメッセージ(clear and compelling one-minute messages)の作成を始めるとのことです。その最初の2つとして、「なぜ公共図書館?」(Why public libraries?)と「なぜ有給の専門家?」(Why paid professionals?)がウェブサイトで公開されています。「なぜ公共図書館?」では、図書館が世界の知識と情報へのアクセスを提供すること、社会のあらゆる年齢層の人々の読書を促進すること、コミュニティのハブとして機能することなどが、「なぜ有給の専門家?」では、サービス提供の質と一貫性を保証できること、専門能力を活用して様々な情報へのアクセスの手助けができること、図書館サービスを拡充するための活動ができることなどがあげられています。