米国のシンクタンク“Pew Research Center”が“Wikipedia, past and present”と題する調査レポートを公開しています。これは、2010年4月末から5月末にかけて、米国の18歳以上の成人2,252名を対象に行われた電話調査に基づくものです。その結果によると、情報を探すのにWikipediaを利用している人が米国の全成人に占める割合は、2007年2月は25%であったのに対して、2010年5月は42%と増えていること、Wikipediaの利用者の69%が大学卒であったこと、年間の世帯所得が50,000ドル以上の人の方が、Wikipediaをよく利用していること、そして、65歳以上の高齢者のWikipedia利用者の割合が33%であったのに対して、30歳以下の若者がWikipediaを利用する割合は62%であったこと等が明らかになったとのことです。
2011年1月10日から、米国議会図書館(LC)のホームページが新しいものとなったようです。LCのブログ記事では、ページの幅を800ピクセルから1024ピクセルに拡大したことや、ページを大きく3つの縦の列に分け、“who we are”(LCについて)、“what we have”(所蔵資料について)、“what we do”(活動について)のそれぞれに対応する内容が掲載されていることなどが紹介されています。
2011年1月7日付けの英国国立公文書館(TNA)のニュースによると、英国で情報公開法(Freedom of Information Act)と公文書管理法(Public Records Act)の改正の動きがあり、それに伴い、英国政府機関の文書をTNAへ移管するまでの期間、および文書公開までの期間が、30年から20年に短縮される可能性があるようです。
世界知的所有権機関(WIPO)が2010年12月付けで、“Intellectual Property and the Safeguarding of traditional cultures : Legal Issues and Practical Options for Museums, Libraries and Archives”と題するレポートを刊行しています。執筆者は、WIPOのMolly Torsen氏とJane Anderson氏です。レポートでは、「伝統的文化表現」(Traditional Cultural Expression)の保護と保存、そして促進を取り巻く法的問題を分析し、特に知的所有権による伝統的文化表現の保護が、博物館、図書館、文書館に対して引き起こす課題に焦点を当てているようです。また、参照事例も紹介しているとのことです。
コンサルティング等のサービスを提供するプライスウォーターハウスクーパース(PwC)が、電子書籍と電子書籍端末に関する市場予測をまとめたレポート“Turning the Page : The Future of eBooks”を発表しています。対象は、英国、米国、オランダ、ドイツとのことで、レポートでは、現状分析や専門家の見解、出版社や書店等に対する提言等が記されているようです。
オランダ王立図書館(KB)が、ProQuest社と提携し同館が所蔵する1700年までの貴重資料3万冊をデジタル化するようです。ProQuest社の“Early European Books”プロジェクトの一環として行われ、KBはデンマーク王立図書館、イタリア・フィレンツェ国立中央図書館に次いで3つ目の提携機関になるとのことです。