アーカイブ - 2011年 1月

1月 26日

リンカーン研究者、米国国立公文書館(NARA)所蔵史料の改ざんを認める

2011年1月24日、米国国立公文書館(NARA)は、長年にわたってエイブラハム・リンカーンを研究してきたThomas Lowry氏が、同館所蔵のリンカーン関係史料の一部を改ざんしたことを認めたと発表しました。問題の史料は、南北戦争時に北軍に所属していたPartick Murphyが、脱走兵として軍法会議にかけれた際、リンカーンが執筆したMurphyの恩赦状のようです。Lowry氏は、恩赦状に記載されていた1864年4月14日の日付を、その1年後の、1865年4月14日に変えたことを認めたようです。この1865年4月14日とは、リンカーンがワシントンD.C.のフォード劇場で暗殺された日にあたります。Lowry氏は、日付を操作したことで、この恩赦状がリンカーン暗殺直前の文書の一つとして、重要な歴史的史料であると主張しえたとのことです。そして、1998年にはこの史料の「発見」はメディアで報じられ、史料を基にLowry氏は1999年に研究書を執筆したようです。改ざんの事実を発見したことについて、NARAの関係者は、「記録文書修復総合調査チームは、国家の歴史的記録を守るという我々共通の責任を果たしたことで、その重要性を再び示してくれた」とコメントしています。

1月 25日

歴史研究者がその成果をレビューしあう、オープンアクセスのプラットフォーム“recensio.net”

2011年1月21日に、ドイツのバイエルン州立図書館(Bavarian State Library)等3機関が共同で、歴史研究者が互いの研究成果をレビューしあうことのできる、Web2.0のプラットフォーム“recencio.net”を公開したようです。“recencio.net”は、歴史研究者が自身の論文等を公開し、そのプラットフォーム上で他の研究者がコメントを付与することで、レビューを行うことができるようになっているとのことです。“recencio.net”で公開される論文等は、欧州および欧州各国の歴史に関するものを対象としており、それらはオープンアクセスで提供されるとのことです。プレスリリースでは、欧州全体の学術コミュニティの構築に資するだけでなく、人文学研究者らの成果を広く一般市民に伝えることにも役立つと説明されています。

recensio.net
http://www.recensio.net/front-page-en

The writings of others... Historians discuss their publications - European review portal goes online (2010/12/10付け recensio.netのプレスリリース)

ハーバード大学図書館とマサチューセッツ工科大学図書館、Borrow Directに参加

米国ハーバード大学図書館とマサチューセッツ工科大学図書館が、米国東部の私立大学図書館を中心とする資料共有プロジェクト“Borrow Direct”に参加することをそれぞれ発表しています。学生や教員は他の参加館にある資料を直接申し込み、所属大学の図書館で受け取って利用することができるようです。今回2つの館が参加したことにより、参加館は計9館になったとのことです。

Harvard Library joins Borrow Direct(Harvard Gazette 2011/1/24付けの記事)
http://news.harvard.edu/gazette/story/2011/01/harvard-library-joins-borrow-direct/

ISNI国際機関、ロンドンに拠点を置く非営利団体に

創作者等の名称に関する国際標準識別子“ISNI”(International Standard Name Identifier)を管理するISNI国際機関(ISNI International Agency)が、2010年12月22日にロンドンに拠点を置く非営利団体として公式に発足したようです。英国図書館(BL)のプレスリリースによると、世界複写権機構(IFRRO)やProQuest、OCLC、BL、フランス国立図書館(BNF)等が創設メンバーになっているとのことです。ISNI国際機関がISNIの参照データベースを作成し、登録機関のネットワークを構築すると共に、メディアやコンテンツ提供者は業務にISNIを組み入れていくとのことです。

How to easily identify all digital content contributors? The answer is ISNI(BLのプレスリリース)
http://pressandpolicy.bl.uk/Press-Releases/How-to-easily-identify-all-digital-content-contributors-The-answer-is-ISNI-497.aspx

ISNI - International Standard Name Identifier

トルコ国立図書館がEuropeanaに参加か

トルコの各紙が、トルコ国立図書館が欧州デジタル図書館“Europeana”に参加すると報じています。それによると、同館の参加は、トルコからの参加としては初とのことで、約27,000件の手稿資料のほか、アラビア文字で書かれたオスマントルコ語の雑誌、およそ10,000誌が、Europeanaを通じて利用できるようになるとのことです。

Milli Kütüphane, Avrupa Birliği'nin dijital kütüphanesi “Europeana”ya Türkiye'den giren ilk kurum oldu (2011/1/24付け Internet Haberの記事)
http://www.internethaber.com/milli-kutuphane,-abnin-dijital-kutuphanesine-girdi-323318h.htm

Part Of Turkish National Library Archives In European Digital Database (2011/1/24付け Turkish Weeklyの記事)

東京大学医学部・医学部附属病院が「健康と医学の博物館」を開館

2011年1月20日に、東京大学医学部・医学部附属病院が、常設で「健康と医学の博物館」をオープンしたようです。これは、東京大学医学部・医学部附属病院が創立150周年を迎えるにあたって、その記念事業の一環として行われたもので、同館では、近代から現代にわたる日本の医学の発展における同大学医学部・医学部附属病院の貢献について紹介すると共に、医学・医療をわかりやすく紹介するトピック形式の企画展示を行うとのことです。

健康と医学の博物館
http://mhm.m.u-tokyo.ac.jp/

東京大学医学部・医学部附属病院「健康と医学の博物館」開館のお知らせ (2011/1/20付け 東京大学医学部付属病院のプレスリリース)
http://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/press_archives/20110120.html

1月 24日

世界リポジトリランキングの2011年1月版が公開

スペイン高等科学研究院が作成する世界リポジトリランキングの2011年1月版が公開されています。機関リポジトリのランキング(Top Institutional Repositories)では、京都大学のリポジトリが3位、北海道大学のリポジトリが5位となっています。

Top Institutional Repositories
http://repositories.webometrics.info/toprep_inst.asp

Ranking Web of World Repositories
http://repositories.webometrics.info/index.html

米国における名字の分布図

National Geographicが米国における名字の分布図を公開しています。2011年1月19日付けのNGM Blog Centralの記事によると、この名字データは、University College Londonの地理学者らが、各州の電話帳を元に作成したとのことです。

What's in a Surname?
http://ngm.nationalgeographic.com/2011/02/geography/usa-surnames-interactive

What's in a Surname? (2011/1/19付け NGM Blog Centralの記事)
http://blogs.ngm.com/blog_central/2011/01/whats-in-a-surname.html

庭園の美しい世界のミュージアム(記事紹介)

2011年1月14日付けのHuffingto Postに、「庭園の美しい世界のミュージアム」と題された記事が掲載されています。米国ボストンの“Isabella Stewart Gardner Museum”やロサンゼルスの“Huntington Library and Botanical Gardens in Pasadena”等、11の博物館・美術館が写真と共に紹介されています。

Most Beautiful Museum Gardens Around The World (PHOTOS) (2011/1/14付け Huffington Postの記事)
http://www.huffingtonpost.com/2011/01/14/most-beautiful-museum-gar_n_807432.html

米国議会図書館(LC)の大閲覧室に鷹が侵入

米国議会図書館(LC)の大閲覧室に鷹が侵入したと報じられています。侵入したのは、「クーパーハイタカ」(Cooper's Hawk)と呼ばれる種類で、閲覧室の窓が開いていたか割れていたために入ってしまったのではと関係者は話しているようです。同館の職員が鷹の鳴き声を出すiPhoneアプリを使って、天井近くを旋回している鷹を呼びよせようと試みたものの効果はなく、専門家を呼んで対応するとのことです。

Watching Our Researchers Like a Hawk(Library of Congress Blog 2011/1/20付けの記事)
http://blogs.loc.gov/loc/2011/01/watching-our-researchers-like-a-hawk/

And Watch a Hawk Makin' Lazy Circles in the Dome(Library of Congress Blog 2011/1/21付けの記事)
http://blogs.loc.gov/loc/2011/01/and-watch-a-hawk-makin-lazy-circles-in-the-dome/

A Cooper's Hawk in the Main Reading Room: Further Reading

国立公文書館が利用等規則案等に対する意見を募集中

「公文書等の管理に関する法律」(平成21年法律第66号)が成立したことに伴い、国立公文書館が、「独立行政法人国立公文書館利用等規則」を制定し、「独立行政法人国立公文書館における公文書管理法に基づく利用請求に対する処分に係る審査基準」を定めるため、利用等規則案と審査基準案に対する意見を募集しています。意見募集期間は、2011年1月24日~2月23日(水)必着とのことです。

独立行政法人国立公文書館利用等規則案及び国立公文書館における公文書管理法に基づく利用請求に対する処分に係る審査基準案についての意見の募集について (2011/1/24付け 国立公文書館のニュース)
http://www.archives.go.jp/news/110124.html

岐阜県各務原市が2011年度に「本の街」へ

岐阜県各務原市が、2011年度に「本の街」とする事業に取り組むようです。2011年1月21日付けの毎日jpの記事によると、同市では中央図書館を全面的に改装し、リハーサルスタジオを新設したり、読み聞かせ用の「おはなしのへや」を拡張したりするようです。また、文学講座や名作を読む会など44の事業も展開するとのことです。

各務原市:「本の街」に 文学講座、読書会など44事業 /岐阜 (2011/1/21付け 毎日jpの記事)
http://mainichi.jp/area/gifu/news/20110121ddlk21010010000c.html

各務原市「本の街」構想 図書館再整備、青空古本市、絵本ライブ (2011/1/7付け 47NEWSの記事)
http://www.47news.jp/localnews/gihu/2011/01/post_20110107122010.html

1月 21日

Internet Archive、新しいWayback Machineのベータ版を公開

Internet Archiveは、過去のウェブページにアクセスできるWayback Machineの新しいバージョンのベータ版を公開しています。ウェブページの表示画面に重ねて表示されるツールバーで日付を設定することでブラウザの画面を遷移せずに別の時点のページにアクセスしたり、カレンダーで希望の日付のページを選んだりできるようになっています。オープンソースのソフトを使って作られているとのことです。

Internet Archive Wayback Machine
http://waybackmachine.org/

OCLC、米国の図書館を取り巻く状況などを示すデータをグラフィカルにまとめたリポートを公開

OCLCは、米国の図書館を取り巻く状況などに関する様々なデータをグラフィカルにまとめたリポート“Perceptions of Libraries, 2010: Context and Community”を公開しています。前半部分では、社会・経済・技術の変化と図書館への影響などが、後半部分では、異なる年齢層(大学生、ティーンエイジャー、X世代、ベビーブーマー、高齢者)の図書館利用の特徴や意見などがまとめられています。

OCLC releases new membership report: Perceptions of Libraries, 2010: Context and Community(2011/1/20付けOCLCのニュースリリース)
http://www.oclc.org/news/releases/2011/20115.htm

米国スタンフォード大学の研究グループがデジタル人文学の手引きとなるウェブサイトを開設

米国スタンフォード大学のSpatial History Projectのグループが中心となって、“Tooling Up for Digital Humanities”というウェブサイトを開設しています。同ウェブサイトは、今後、デジタル人文学の手引きとなることを目指して、テキスト分析や空間分析、データベース等に関する記事を掲載していくとのことです。

Tooling Up for Digital Humanities
http://toolingup.stanford.edu/

New Educational Resource: Humanities 3.0: Tooling Up for Digital Humanities (2011/1/21付け Resource Shelfの記事)
http://web.resourceshelf.com/go/resourceblog/63430

凸版印刷、インテル、ビットウェイが共同でクラウド型電子書籍ストアを開始へ

凸版印刷株式会社が、インテル株式会社、株式会社ビットウェイと電子書籍市場の拡大に向けて協力することで合意した、と発表しています。また、ビットウェイ社は、凸版印刷とインテル社からの投資を受け、新会社を設立すると共に、クラウド型電子書籍ストア「BookLive!」を2011年2月から開始するようです。開始時にはコンテンツ3万点を提供し、2011年春までに10万点に増やす予定とのことです。PCやAndroid端末のほか、サービス開始後にiPhone、iPadを提供対象としていくようです。

凸版印刷、インテル、ビットウェイ 電子書籍市場の拡大協力で合意(凸版印刷のニュースリリース)
http://www.toppan.co.jp/news/newsrelease1165.html

凸版、インテル、ビットウェイが電子書籍事業会社「ブックライブ」を設立--2月にストアを開始(CNET Japan 2011/1/20付けの記事)
http://japan.cnet.com/news/business/20425279/

凸版印刷とインテルが共同で電子書籍ストア「BookLive!」の立ち上げへ(ITmedia eBook USER 2011/1/20付けの記事)

国際医学生連盟が学術情報のオープンアクセス化を求めて、国際的なアドヴォカシー団体に加盟を発表

2011年1月19日に、国際医学生連盟(International Federation of Medical Students' Associations;IFMSA)が、学術情報のオープンアクセスを求めて活動を行っている、大学生・大学院生による国際的なアドヴォカシー団体“Right to Research”に加盟したと発表しています。IFMSA代表のChijioke Kaduru氏は、「研究情報のオープンアクセスは、ヘルスケアのあらゆる局面に資するものである。必要不可欠な情報に簡単にアクセスできることで、ヘルスケアの分野で働く人々や研究者、医学生の知識を高めることになると考えている」等とコメントしています。

Right to Research Coalition
http://www.righttoresearch.org/

World’s largest medical student organization throw (2011/1/19付け IFMSAのニュース)
http://www.ifmsa.org/index.php?option=com_content&view=article&id=245:worlds-largest-medical-student-organization&catid=1:news

ドイツのコンピュータゲーム博物館に常設展示施設がオープン

2011年1月21日に、ドイツのベルリンにあるコンピュータゲーム博物館(Computerspielemuseum)に、常設展示施設が新たにオープンするとのことです。常設展示は「コンピュータゲーム。メディアの進化」(“Computerspiele. Evolution eines Mediums”)いう名称で、コンピュータゲームの歴史を伝える300を超える展示物があり、ゲームの体験もできるようです。

Computerspielemuseum(英語サイト)
http://www.computerspielemuseum.de/index.php?lg=en

Wenn Pac-Man und die Lemminge reif fürs Museum sind(2011/1/20付けtagesschau.deの記事。動画あり)
http://www.tagesschau.de/inland/computerspielemuseum100.html

東京国立博物館、iPhoneアプリを2つ同時に公開

2011年1月20日に、東京国立博物館が、2つのiPhoneアプリを公開したと発表しました。一つは、東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館の4館が所蔵している国宝や重要文化財を、高精細画像で鑑賞できる「e国宝」のアプリとのことです。もう一つが、「東京国立博物館 法隆寺宝物館30分ナビ」とのことです。これは、同館の法隆寺宝物館の展示室で視聴するためのアプリで、館内に展示されている代表的な作品7つを動画で紹介し、展示室で「実物」と向き合う鑑賞体験を手助けをするものとなっているようです。なお、2つとも無料でダウンロードできるようです。

博物館をもっと満喫! 2つのiPhoneアプリが同時リリース (2011/1/20付け 東京国立博物館のお知らせ)
http://www.tnm.go.jp/jp/misc/20110120i-app.html

1月 20日

英国マンチェスター大学の図書館、世界最大規模のコーランをデジタル化

英国のマンチェスター大学のJohn Rylands Libraryが、縦88cm、横60cm、厚さ18cmの世界最大規模のコーラン(イスラム教の聖典)をデジタル化したと発表しています。約500年前の資料と考えられており、劣化が激しく利用が制限されていたようです。デジタル化したコンテンツは、キャンパス内の端末から同館のウェブサイトを通してアクセス可能とのことです。また、プロジェクト担当者がブログでデジタル化の作業の様子を紹介しています。

Technology reunites one of world's largest Korans(John Rylands Libraryのニュースリリース)
http://www.library.manchester.ac.uk/aboutus/news/name-87417-en.htm

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