アーカイブ - 2011年 12月 20日

ロンドンの公共図書館の閉鎖計画について裁判所は適法との判断

英国ロンドン北西部のブレント地域では、2011年4月に、自治体側から、域内の12館のうち6館を9月までに閉鎖するという計画が示され、反対する住民側は、計画の適法性について高等法院(High Court)に対し司法審査を求めていました。2011年10月13日に示された高等法院の判断では,自治体側の手続きに問題はなく適法であるとされたため、住民側は控訴していましたが、12月19日、控訴院は、閉鎖計画は適法であるとの判断を示し、住民側の訴えは認められませんでした。なお、同国のグロスターシャーとサマセットの両カウンティでの公共図書館の閉鎖計画については、2011年11月16日に、高等法院が、自治体側の計画が違法であるとの判断を示しています。

Brent library closure campaigners lose legal battle(BBC 2011/12/19付けの記事)
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-london-16251528

Brent library campaigners lose appeal against closures(Guardian 2011/12/19付けの記事)

米マサチューセッツ工科大学(MIT)、新しいeラーニングのイニシアティブ“MITx”を発表

2011年12月19日、米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)がeラーニングの新しいイニシアティブを立ち上げたと発表しています。このイニシアティブは、内部的に“MITx”という名で呼ばれているようです。MITxは、全世界に対してインタラクティブなオンライン学習プラットフォームを提供するもので、プロトタイプ版の公開が2012年春に予定されており、そのシステムはオープンソースソフトウェアとして公開されることになるそうです。MITxの立ち上げは、MITが2001年に開始したオープンコースウェア“MIT OpenCourseWare”の「次のステップ」とされており、オープンコースウェアは今後も継続されるようです。

MIT launches online learning initiative (MIT News 2011/12/19付けニュース)
http://web.mit.edu/newsoffice/2011/mitx-education-initiative-1219.html

What is MITx? (MIT News 2011/12/19付け記事)
http://web.mit.edu/newsoffice/2011/mitx-faq-1219

NHKがWorld Wide Web Consortium(W3C)に参加

NHKがWorld Wide Web Consortium(W3C)に参加したと発表されています。2011年12月20日現在、W3Cには323の機関が参加しているそうです。

W3CのTwitterアカウント(@w3c)によるツイート(2011/12/20付け)
https://twitter.com/w3c/status/148922447935176706

Current Members (W3C)
http://www.w3.org/Consortium/Member/List#xN

Member Statistics (W3C)
http://www.w3.org/Consortium/Member/stats.html

文部科学省、「大学図書館における先進的な取り組みの実践例」を公開

2011年12月20日、文部科学省が「大学図書館における先進的な取り組みの実践例-大学の学習・教育・研究活動の質的充実と向上のために-」を公開しました。学習支援、教育活動への直接的関与、研究支援(機関リポジトリ)、コレクション構築とナビゲーション、地域社会連携・国際対応、組織・運営体制、職員の育成・確保、に関して、先進的と思われる事例についてまとめられているようです。

大学図書館における先進的な取り組みの実践例-大学の学習・教育・研究活動の質的充実と向上のために-(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/attach/1314099.htm

北海道・東京・鹿児島の3つの図書館、各地の特色を紹介しあう合同展示を開催

北海道釧路市の市立釧路図書館、東京都の新宿区立角筈図書館、鹿児島県の出水市立中央図書館の3館が合同で、2011年12月と2012年1月の2か月間にわたり、「観光」と「図書館からの情報発信」というテーマでの展示をするようです。3館がそれぞれ他の2館の地域に関する展示を月替わりで行うというもので、各館のテーマは以下のようになっています。
・市立釧路図書館:霧の街・釧路 ~北海道という異国
・新宿区立角筈図書館:世界を魅了する江戸染色~新宿発!日本の伝統工芸~
・出水市立中央図書館:ツルの来るまち・武家屋敷のあるまち

3館合同展示のご案内(市立釧路図書館のお知らせ)
https://lib.city.kushiro.hokkaido.jp/ivent/ivent_tenji.html

参考:
CA1729 - 図書館と観光:その融合がもたらすもの / 松本秀人
http://current.ndl.go.jp/ca1729

国文学研究資料館、これまでに実施した共同研究成果報告書を公開

2011年12月12日、国文学研究資料館は、これまでに実施した共同研究の研究成果報告書を同館のウェブサイトで公開したようです。公開された「共同研究成果報告書」のページでは、現在のところ2008年度(平成20年度)と2009年度(平成21年度)終了分が掲載されており、「川瀬一馬氏旧蔵古典籍写真資料の調査と研究」、「日本古典籍特定コレクションの目録化の研究」、「アーカイブズ情報の資源化とネットワークの研究」等の報告書が公開されています。

共同研究成果報告書 (国文学研究資料館のウェブサイト)
http://www.nijl.ac.jp/pages/research/joint_research_houkokusho.html

国文学研究資料館 (2011/12/12付けの「お知らせ・更新情報」に上記へのリンクがあります。)
http://www.nijl.ac.jp/

学習空間に関するオープンアクセス誌“Journal of Learning Spaces”が創刊

米ノースカロライナ大学グリーンズボロ校図書館のサイトで、学習空間に関するオープンアクセス誌“Journal of Learning Spaces”が創刊され、1巻1号(2011年)が公開されています。

Journal of Learning Spaces
http://libjournal.uncg.edu/ojs/index.php/jls/

EDUCAUSE、「ラーニングアナリティクスについて知っておくべき7つのこと」を公開

2011年12月6日、米国のNPO・EDUCAUSEが、毎月刊行している「知っておくべき7つのこと」シリーズの最新号として、「ラーニングアナリティクスについて知っておくべき7つのこと」と題したペーパーを公開しました。ラーニングアナリティクス(Learning Analytics:LA)の概要、機能、重要性、マイナス面、教育や学習との関わり、などの7項目が2ページでコンパクトにまとめられています。LAは、学習効果の向上を目的として、学習管理システム(Learning Management System)等のシステムにおける学生の履歴データ等を利用・分析するもののようです。

7 Things You Should Know About First-Generation Learning Analytics (PDF:2ページ)
http://net.educause.edu/ir/library/pdf/ELI7079.pdf

7 Things You Should Know About First-Generation Learning Analytics (EDUCAUSE 2011/12/6付け)
http://www.educause.edu/Resources/7ThingsYouShouldKnowAboutFirst/242966

カイロでのデモ隊と軍の衝突によるエジプト研究所の火災で貴重資料等が焼失

2011年12月17日、エジプトのカイロでのデモ隊と軍の衝突の最中に、エジプト研究所(Institut d'Egypte)が火災に遭い、研究所が所蔵していた多くの図書や手稿資料等が焼失したようです。ナポレオンによるエジプト遠征の際に設立されたエジプト研究所には、ナポレオンが編纂を命じた『エジプト誌』や1989年にイスラエルがタバからの撤退の際に使われた地図等を含む貴重資料約200,000点が所蔵されていたようです。火災の最中に35,000点以上の資料が救出されたようですが、その状態等の詳細は不明のようです。

Thousands Of Rare Books, Journals, Writings Burned At Institute d'Egypt In Cairo (HUFFPOST BOOKS 2011/12/19付けの記事)
http://www.huffingtonpost.com/2011/12/19/books-burned_n_1158535.html

Updated: Egypt Institute Burns; Scholars Scramble to Rescue Manuscripts (Science Insider 2011/12/19付けの記事)

英国ウェルカム図書館、著作権調査のARROWシステムを活用した近代遺伝学史関係図書のデジタル化プロジェクトを実施

2011年12月14日、英国ウェルカム図書館は、著作権調査作業について作家ライセンス・徴収協会(Authors' Licensing and Collecting Society:ALCS)とPublishers Licensing Society(PLS)と共同で実施し、近代遺伝学史に関する1850年から1990年までの図書約1,700点のデジタル化事業を行なうと発表しています。ACLSとPLSは共に、欧州の主要国立図書館や出版社団体、権利管理団体等で構成されるARROWプロジェクトの参加機関であり、この著作権調査には著作者情報や権利情報に関するデータベースをネットワーク化したARROWシステムが利用されるようです。

ALCS and PLS provide innovative rights identification service for Wellcome Library digitisation project (Wellcome Trust 2011/12/14付けのプレスリリース)
http://www.wellcome.ac.uk/News/Media-office/Press-releases/2011/WTVM053684.htm

ミシガン大学図書館出版局とOpen Humanities Press、批判理論等をテーマとした専門書6冊をオープンアクセスで刊行

2011年12月15日に、米国のミシガン大学図書館出版局MPublishingと人文系専門書をオープンアクセスで提供するOpen Humanities Press(OHP)が、6冊の専門書をオープンアクセスで刊行したようです。図書は、批判理論や大陸哲学、カルチュラル・スタディーズに関するもので、各タイトルともフルテキストのHTMLで提供されているようです。ミシガン大学図書館出版局のShana Kimball氏は図書の刊行について、OHPの偉大な成果であり、「学界と図書館の協同による新たな出版モデルが、アクセス問題に対する一つの解決策になりうるものであることを示す有力な証拠である」とコメントしているようです。なお、刊行された図書は以下のとおりです。
・Levi R. Bryant. The Democracy of Objects.
・Joseph Nechvatal. Immersion Into Noise.
・Tom Cohen ed. Telemorphosis: Theory in the Era of Climate Change, Vol. 1.
・Henry Sussman ed. Impasses of the Post-Global: Theory in the Era of Climate Change, Vol. 2.