アーカイブ - 2011年 11月

11月 28日

SHERPA/RoMEOによると、セルフアーカイブを全く認めないジャーナルは5%

SHERPA Services Blogに、学術雑誌出版社のセルフアーカイビングに関する著作権ポリシーを集めたデータベース“SHERPA/RoMEO”のデータを分析した結果が掲載されています。対象データは2011年11月15日時点の約19,000タイトルのジャーナルで、以下の内容等が含まれているようです。

・ジャーナルの50%が“Green”、10%が“Blue”、27%が“Yellow”、13%が“White”だった(各色の意味については“RoMEO colours”を参照)。
・エンバーゴ期間内に制限なしに論文をセルフアーカイブできるかどうかについては、ジャーナルの13%が出版社版・著者版などを含めて全く許可していなかった。
・エンバーゴ期間終了後に、制限なしに論文をセルフアーカイブできるかどうかについては、ジャーナルの9%が全く許可していなかった。
・エンバーゴ期間終了後に、何らかの制限を満たせば(出版社から許可を取る、必要な料金を支払う等)論文をセルフアーカイブできるかどうかについては、ジャーナルの5%が全く許可していなかった。
・エンバーゴ期間の長さについては、12か月(47%)、24か月(28%)、6か月(17%)の順で多かった。

文部科学省、「歴史地震史料調査」を含めた「東北地方太平洋沖で発生する地震・津波の調査観測」の公募を開始

2011年11月25日、文部科学省が、2011年度からの5か年事業として、東北地方太平洋沖で発生する地震・津波の調査観測を開始し、調査を実施する機関の公募を行うと発表しました。調査対象となっている7種類のサブテーマには「歴史地震史料調査」が含まれており、岩手県から千葉県にかけての沿岸における過去の地震や津波に関する古文書・古絵図等を収集して、発生場所や時期、規模、被害状況等を解析し、収集した史料のデータベース化を行う、とされています。

平成23年度「東北地方太平洋沖で発生する地震・津波の調査観測」に関する公募について(文部科学省 2011/11/25付け情報)
http://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/1313573.htm

図書館の利用と学生の業績との相関関係を調べる“Library Impact Data Project”の発表資料(英国)

英国のハダースフィールド大学など8大学が、2011年2月1日から7月31日まで、図書館の利用と学生の業績との間の相関関係を統計的に実証することを目的として行っていた“Library Impact Data Project”の発表資料が公開されていました。同プロジェクトでは、学生の成績を4種類(First-class = 1、Upper second class = 2:1、Lower second class = 2:2、Third-class = 3)に分け、2005年度~2009年度の5年間における貸出冊数、電子リソースログイン数、入館数などについて調査したようで、PowerPoint資料のp.13やp.17にグラフが掲載されています。

The Library Impact Data Project. In: Internet Librarian International 2011, 27-28 October 2011
http://eprints.hud.ac.uk/11659/

The End is Nigh… (Library Impact Data Project 2011/10/22付け記事)
http://library.hud.ac.uk/blogs/projects/lidp/2011/10/22/the-end-is-nigh/

大日本印刷、出版コンテンツの著作権契約管理サポートサービスを電子書籍向けに強化して提供開始

大日本印刷株式会社は、2010年に開発した各種出版コンテンツの著作権契約の管理業務サポートサービスを、電子書籍向けに強化して2011年11月25日からASPサービスで提供開始したと発表しました。同サービスでは、短編1話分・連載1回分・セット商品のような多様な電子書籍の契約情報を管理して印税計算を行うシステムや、支払通知書の作成・発送などをDNPが受託するサービスが提供されるようです。既に、東京大学出版会にて実用を見込んだトライアル導入が決定しているそうです。

電子書籍向けの著作権契約管理業務サポートサービスを強化(大日本印刷 2011/11/25付けプレスリリース)
http://www.dnp.co.jp/news/10015009_2482.html

国立国語研究所、音声データ661時間分や転記テキスト752万語等を含む「日本語話し言葉コーパス」第3刷の申込受付を開始

2011年11月28日、国立国語研究所が「日本語話し言葉コーパス」第3刷の受付を開始しました。これは、同研究所が情報通信研究機構・東京工業大学と共同開発した、大量の日本語の自発音声に研究用情報を付加した話し言葉研究用のデータベースで、2004年6月に第1刷が、2008年5月に第2刷が作成されています。第3刷は、17枚のDVDから成り、音声データ661時間分や転記テキスト752万語など17種類のデータ・ツールが含まれているようです。

日本語話し言葉コーパス
http://www.ninjal.ac.jp/csj/

申込方法
http://www.ninjal.ac.jp/csj/apply/

参考:
国立国語研究所、書籍やブログなどから抽出した1億語の現代日本語コーパスを検索できる「中納言」を公開
http://current.ndl.go.jp/node/18854

BioMed CentralとBGI、論文とデータセットを合わせて公開できるオープンアクセス誌“GigaScience”を創刊

英国のBioMed Centralと中国のBGI(旧名:Beijing Genomics Institute)が共同で、生命・生物医学分野を対象とした“GigaScience”というオープンアクセスジャーナルを創刊し、現在投稿を受け付けているようです。同誌の特徴は、従来の形式の論文とデータセットを合わせて公開できるという点にあるようです。各論文はオランダ国立図書館の“e-Depot”でただちにアーカイブされ、データセットはDOIが付与された後に“GigaDB”というデータベースに登録され、クリエイティブコモンズのCC0ライセンス(パブリックドメイン)で公開されるようです。

GigaScience
http://www.gigasciencejournal.com/

GigaScience – a repository for large datasets (BioMed Central Blog 2011/11/23付け記事)
http://blogs.openaccesscentral.com/blogs/bmcblog/entry/gigascience_a_repository_for_large

GigaDB
http://gigadb.org/

SAGE社の新しい電子書籍用プラットフォームに、TEMIS社の“Luxid for Content Enrichment”が採用

学術出版大手のSAGE社が、同社が2012年にリリース予定の新しい電子書籍プラットフォーム“SAGE Knowledge”のために、米TEMIS社が販売する“Luxid for Content Enrichment”等を導入したそうです。“Luxid for Content Enrichment”は、概念・意味抽出やコンテンツの自動分類・リンキングといった手法を用いて非構造・多言語データの管理を行うソリューション、とされています。TEMIS社の製品は、Elsevier、Nature Publishing Group、Springer、Thomson Reuters、HighWire Press、米国国立農学図書館(NAL)等でも採用されているようです。

SAGE Invests in User Experience (TEMIS 2011/11/21付けプレスリリース)
http://www.temis.com/?id=95&selt=14

Luxid for Content Enrichment (TEMIS)
http://www.temis.com/index.php?id=235&selt=1

11月 25日

オープンアクセスの資料をテーマ別に編集したオンライン書籍“Living Books About Life”シリーズ

オープンアクセスの資料をテーマ別に編集したオンライン書籍“Living Books About Life”シリーズが、英国情報システム合同委員会(JISC)の支援によりOpen Humanities Press (OHP)から刊行されています。世界中の人文系の研究者により執筆・作成された、生命(Life)に関するテーマについての論文・記事・ウェブサイト等の資料を編集したもので、動画や音声等も含まれています。現時点では21点が刊行されています。中身はアップデートされて入れ替わることから“living books”と名付けられているようですが、ある時点での内容を固定したPDF版も作成されるようです。

Living Books About Life
http://www.livingbooksaboutlife.org/

英国議会下院の委員会が公共図書館閉鎖についての調査を開始へ

英国の議会下院の文化・メディア・スポーツ特別委員会が、同国での公共図書館の閉鎖についての調査を開始するようです。まず、次のような点について、2012年1月12日までの期間での意見募集が行われています。
・21世紀における(1964年図書館・博物館法に規定のある)「包括的で効率的な図書館サービス」とは何か
・計画されている図書館閉鎖は、1964年法などで求められる必要要件とどの程度整合性があるか
・地元のコミュニティに対する図書館閉鎖の影響
・1964年法に基づく、大臣による介入の有効性

Culture, Media and Sport Committee calls for evidence on library closures(英国議会 2011/11/23付けのプレスリリース)
http://www.parliament.uk/business/committees/committees-a-z/commons-select/culture-media-and-sport-committee/news/library-closures-call-for-evidence/

Inquiry into public library closures announced(英国図書館・情報専門家協会(CILIP) 2011/11/23付けのニュース)

アムステルダム大学図書館、FacebookやiGoogle等で資料検索ができるアプリ等を公開

2011年11月9日、オランダのアムステルダム大学図書館が、FacebookやiGoogle、そしてNetvibes上で同館の所蔵資料を検索できるアプリやガジェット等を公開したようです。

Library catalogue now available from Facebook, Netvibes or iGoogle (University of Amsterdam 2011/11/9付けの記事)
http://www.bijzonderecollecties.uva.nl/news/news.cfm/99D0C99C-2168-4EA7-A48729046A6EB602

参考:
東京歯科大学図書館、機関リポジトリ検索用のiGoogleガジェットを公開
http://current.ndl.go.jp/node/11580

米国国立医学図書館(NLM)、YouTubeに公式チャンネルを開設

2011年11月23日、米国国立医学図書館(NLM)が動画共有サイトYouTubeに公式チャンネルを開設したようです。この公式チャンネルでは、データベースの使い方の研修やNLMが行っている展示、一般サービスの案内等の動画を公開するようです。

National Library of MedicineのYouTubeチャンネル
http://www.youtube.com/nlmnih

National Library of Medicine Launches YouTube Channel (National Library of Medicine 2011/11/23付けの記事)
http://www.nlm.nih.gov/news/youtube_nlm_channel.html

オランダ文化相が電子書籍を再販対象外とする方針を発表

2011年11月25日のhon.jpの記事によると、オランダ文化相のHalbe Zijlstra氏が、同国では電子書籍を再販対象としないとする方針を11月23日に発表したようです。これは、同国の出版市場において電子書籍のマーケットシェアが1%にも満たないとする調査結果に基づくもので、電子書籍については再販対象としないほうが社会的効用が高いと判断したようです。なお、同国では印刷図書は再販制度の対象となっているようです。

オランダ文化相、電子書籍は再販対象としない方針を決定 (hon.jp 2011/11/25付けの記事)
http://hon.jp/news/1.0/0/2908/

No fixed price for e-books in The Netherlands (FutureBook 2011/11/24付けの記事)
http://futurebook.net/content/no-fixed-price-e-books-netherlands

Netherlands decides not to impose fixed price on e-books (TeleRead 2011/11/24付けの記事)

米国国立公文書館(NARA)、所蔵資料を使って簡単にインタラクティブな学習教材を作成できる“DocsTeach”を公開

2011年11月24日、米国国立公文書館(NARA)が、教師向けのウェブサイト“DocsTeach”を正式公開しました。このウェブサイトでは、NARAの所蔵するアーカイブ資料(documents)を検索して、あらかじめ用意された地図や関係図など7種類のテンプレートと組み合わせることで、簡単にインタラクティブな学習教材(activities)を作成することができるというもののようです。

DocsTeach
http://docsteach.org/

Lewis & Clark’s Expedition to the Complex West (教材の例)
http://docsteach.org/activities/77

英国情報システム合同委員会(JISC)、統一的な電子リソースプラットフォーム“JISC eCollections”を発表

2011年11月24日、英国情報システム合同委員会(JISC)が、JISC Collectionsでナショナルサイトライセンス契約している電子リソースへアクセスするための統一的なプラットフォーム“JISC eCollections”を発表しました。JISC eCollectionsでは以下の3種類のコンテンツを利用できるようです。

・JISC Historic Books:1475年から1900年までに英国で刊行された35万冊以上デジタル化図書。EEBOやECCOを含む。
・JISC Journal Archives:600タイトル以上の電子ジャーナル(収録論文数375万点以上)アーカイブ。
・JISC MediaHub:50万点以上のマルチメディア資料(動画、画像、音声等)。

その他、JISC eCollectionsは、COUNTERによる統計機能、OpenURL対応、Shibboleth認証(UK Access Management Federation)等を実装しているそうです。

JISC eCollections
http://www.jiscecollections.ac.uk/

Announcing JISC eCollections (JISC 2011/11/24付けニュース)

東京国立博物館の所蔵文化財の「画像検索」がリニューアル

東京国立博物館が所蔵する文化財の画像を検索できる「画像検索」がリニューアルしたそうです。2011年11月現在で約79,000枚の画像が検索でき、今後は膨大な数のモノクロフィルムの画像についても公開を予定しているとされています。また、2011年度からの新しい取り組みとして、画像検索で公開されている画像は、非商業目的など一定の条件を満たしていれば申込不要・無償で利用できるようになったとのことです。

東京国立博物館画像検索
http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/

画像検索が新しくなりました(1089ブログ 2011/11/22付け記事)
http://www.tnm.jp/modules/rblog/index.php/1/2011/11/22/%E7%94%BB%E5%83%8F%E6%A4%9C%E7%B4%A2%E3%81%8C%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F/

画像の利用について(東京国立博物館)
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1261

『カレントアウェアネス-E』205号発行

E1242 - 欧州科学財団によるデジタル人文学のための研究インフラ提言

E1242 - 欧州科学財団によるデジタル人文学のための研究インフラ提言

「研究インフラなくして,人文学の重要な一部の研究を行うことは不可能であろう。」冒頭そのように説く報告書を,欧州科学財団(European Science Foundation)が2011年9月付けで公表した。報告書のタイトルは「デジタル人文学における研究インフラ」(Research Infrastructures in the Digital Humanities)という。報告書は,人文学の研究インフラに関する欧州レベルでの共通戦略に向けて,優先事項と今後の研究の指針を示すものであり,研究者や情報専門家(図書館員・アーキビスト等),研究助成機関等向けに作成された。2009年以来2年間の検討を経てまとめられたこの報告書では,人文学における研究インフラのケーススタディを多数収録しており,研究インフラが人文学の抱える問題の探求の方法と,人文学に対し新たな問いを投げかける手段を研究者に提供するものであるとしている。...

E1241 - ハイブリッドOAを巡る高等教育機関・出版社・助成機関の問題

E1241 - ハイブリッドOAを巡る高等教育機関・出版社・助成機関の問題

英国情報システム合同委員会(JISC)傘下のJISC Collectionsは,2009年から2011年にかけて学術ジャーナル出版の新たなビジネスモデルとしてのオープンアクセス(OA)出版をテーマに据えた,3フェーズから成る研究プロジェクトを実施した。2011年3月に開始されたフェーズ3では「ハイブリッドOA」モデルに焦点を当て,高等教育機関の図書館員や機関リポジトリ担当者,助成機関や出版社の関係者へのインタビュー等を行った。その結果が2011年9月付けで発表された報告書“JISC Collections Open Access Fees Project: Final Report”にまとめられている。...

E1240 - 図書館によるLinked Dataの活用へ向けたW3Cのグループの提言

E1240 - 図書館によるLinked Dataの活用へ向けたW3Cのグループの提言

2011年10月25日に,ウェブ技術の標準化を推進する団体W3C(World Wide Web Consortium)のLibrary Linked Dataインキュベーターグループが,図書館におけるLinked Data(CA1746参照)の活用に向けた最終報告書を公表した。同グループは,図書館データのウェブでの相互運用性の向上の支援を目的に,2010年5月から2011年8月まで設置されていたものである。なお,この報告書において“Library”という用語は博物館・美術館や文書館等も含む用語として使用されており,本稿においても,「図書館」をそのような意味で用いる。...

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