英国の図書館・情報専門家協会(CILIP)や学校図書館協会(SLA)等の図書館関係団体が、学校図書館員と学校図書館のサービスの価値へ政策担当者等の目を向けさせ、支援を呼び掛けるキャンペーン“Shout About School Libraries and Schools Library Services”を開始したようです。CILIPによると、これは英国において公共図書館の閉鎖問題がクローズアップされる傾向にある一方で、子どもに対して情報リテラシースキル等を教える支援を行なう上で学校図書館員の専門知識と学校図書館のサービスは重要なものであるとして、それらへの注意を促すために行なわれるものとのことです。
2011年10月7日に、フランス国立図書館(BnF)とポーランド国立図書館との間で、18世紀末から19世紀にかけて活躍した画家のジャン-ピエール・ノルブラン・ド・ラ・グルデーヌ(フランス語名Jean-Pierre Norblin de La Gourdaine/ポーランド語名 Jan Piotr Norblin)の作品をデジタル化することで協力協定が結ばれたようです。これは、フランス生まれのノルブランが、1774年以後30年にわたってポーランドのワルシャワに滞在して作品を生み出し続けていたためで、デジタル化された作品は今後ポータルサイトで提供されることになるようです。
Digital Scholarshipのウェブサイトで、「eサイエンスと大学図書館に関する文献リスト」(E-science and Academic Libraries Bibliography)の第1版が公開されています。この文献リストは、eサイエンスにおける大学図書館の幅広い役割を理解するのに役立つとされる、主として2007年から2011年10月18日までに出版された英語の論文や書籍等のリストのようです。リスト作成者は、ウェブサイトを運営しているベイリー(Charles W. Bailey)氏です。なお、リストでは、一般の図書館におけるデータキュレーションや研究データマネジメントの問題はカバーしていないとのことです。
Google社が提供するデータクリーニングツール“Google Refine”を活用して、メタデータのクリーニングやリンキングを行い、Linked Data形式のデータを作成するというプロジェクト“Free Your Metadata”が行われているようです。これはベルギーのゲント大学とブリュッセル自由大学の合同プロジェクトとのことです。プロジェクトのウェブサイト及びそこで公開されている論文では、サンプルデータを用いて、空白の除去や重複の解消といったクリーニング作業(cleaning)と、メタデータ中に含まれる語をウェブ上の統制語(ここではLCSH)とリンクさせる作業(reconciliation)を行う方法が具体的に紹介されています。
国際公文書館会議(International Council on Archives:ICA)が、アーカイブズに関する専門的な情報や知識の共有の場とすることを目的とした、“Open Knowledge Exchanges”(OKE)というウェブサイトを開設したようです。コメント等を行うには登録メンバーとなる必要があるようですが、そのメンバー登録も広く公開されているようです。OKEを運営するICAからは、最初の議論のテーマとして「気候変動」が提示されており、気候変動がアーカイブズにどのような影響を与えるのか、超長期間に亘る気候の研究にどのようなアーカイブズ資料が役立つのか、といった議論の例が挙げられているようです。
2011年10月12日、米ワシントン大学情報学部のプロジェクト“Project Information Literacy”が,試験を控えた大学生が図書館内でどのように情報機器を利用しているかを調査したレポート“Balancing Act: How College Students Manage Technology While in the Library during Crunch Time”を公開しました。これは、米国の10大学に在籍する560名の学部生を対象に実施したインタビュー調査の結果をまとめたものです。この調査は2011年春学期の最後数週間(4月7日~5月26日)にかけて行われたもので、試験前のこの期間を同レポートでは“Crunch Time”(「勝負時」のような意味)と表現しているようです。
チリの首都サンチャゴに、ドラッグやアルコールに関する情報提供を専門とする初の図書館“Bibliofragas”が開館したようです。これは、同国のナショナルサービス“Servicio Nacional para la Prevención y Rehabilitación del Consumo de Drogas y Alcohol”によって開設されたもので、市民や研究者等に対して、ドラッグやアルコール依存の予防や対処等を知るための、約8000点の図書や雑誌、視聴覚資料等を提供しているようです。