Scandinavian Public Library Quarterly誌(vol.43, no.4)に、フィンランドの島嶼地域の住民に図書館の本を届けるブックボートのサービスを紹介した記事が掲載されています。フィンランド西部の町Pargasで30年以上にわたり実施されているもので、人命救助用の船を兼用して、5月から9月までの間、4週間ごとに、11の場所を巡回しているとのことです。船のスペースが限られているため、資料は、島の住民が必要としそうなものを図書館員が考えながら、600冊程度が選ばれるとのことです。近年では、周辺地域でのサービスやフェリーを使ったサービスも開始されているとのことです。
No man is an island (When there is a book boat service available) (Scandinavian Public Library Quarterly, vol.43, no.4) http://splq.info/issues/vol43_4/07.htm
2011年1月3日付けのHuffington Post紙に、“The Changing Role of Libraries in the Digital Age”と題した記事が掲載されています。執筆者は、米ソニーのDigital Reading Business部門のSteve Haber氏です。記事では、デジタル時代にあっても、図書館は情報とアイディアへのオープンかつ無償のアクセスを提供する中心的な役割を担い続けるだろうと述べられ、電子書籍を扱うようなテクノロジー産業は、図書館員に対して、電子書籍端末の扱い方等の研修や、資料への特別なアクセス方法、そして、テクノロジーの市場展望に関する知識等を提供することで、図書館を支援することができるし、またすべきであるとも述べているようです。最後に、米ソニーの立場から、上述の支援を行うことのできるものとして、“Reader Library Program”を紹介しています。
ズーバー(Peter Suber)氏による“SPARC Open Access Newsletter”の第153号に、オープンアクセスをめぐる2010年の動向をまとめた記事が掲載されています。資金提供機関や大学におけるOAポリシーの採択、OA誌やOAリポジトリの増加状況、OAアーカイビング、OA誌、データ共有、書籍とデジタル化、著作権とライセンシング、景気後退の影響、のそれぞれについて状況をまとめた後、出来事についてワースト10とベスト10があげられています。ベスト1は、多くの機関によるOAの義務化、となっています。