米国のロスアラモス国立研究所のHerbert Van De Sompel氏などによる“Memento”プロジェクトが、デジタル保存連合(DPC)による2010年のデジタル保存アワード(Digital Preservation Award)を受賞したとのことです。“Memento”は、ブラウザで表示したサイトでそのサイトの過去の情報を見ることができるようにするというもので、現在のコンテンツとウェブアーカイブを結びつけた点が評価されたようです。
2010年12月2日付けのスペイン国立図書館(Biblioteca Nacional de Espana:BNE)のブログに、「法定納本に関する新たな法律」(Una nueva ley de depósito legal)と題された記事が掲載されています。執筆者は、同館の法定納本サービス長のオリヴァン(Montse Oliván)氏です。記事では、法定納本に関する新たな法律の基本計画が閣議で議論されていることが述べられ、また、法改正に向けたこれまでの動きがまとめられた後、改正のポイントとして、発行者が納本の基本的な主体となること、および、インターネット上の資料も収集対象とすることの2点が指摘されているようです。
2010年12月1日付けePracticeの記事によると、10月27日に、ルーマニアの通信・情報社会省(MCSI)が、同国で進められているプログラム“Biblionet”の促進について、“International Research and Exchanges Board Foundation in Romania”(IREX)と“National Association of Public Libraries and Librarians”(ANBPR)との間で合意したとのことです。Biblionetとは、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の助成を受けて始められたもので、同国の公共図書館へのインターネット端末の普及と図書館員に対するIT研修等を通じて、公共図書館が電子政府サービスのアクセスポイントとして、また情報リソースのセンターとしての役割を担うことを目指した5年間のプログラムとのことです。
2010年12月2日、欧州委員会(EC)のプレスリリースによると、EUが助成した研究成果をオープンアクセスで提供するリポジトリを連携させる“OpenAIRE”(Open Access Infrastructure for Research in Europe)が公開されたようです。OpenAIREを通じて提供される研究分野は、保健、エネルギー、環境、ICT及び研究インフラに関するものの一部、社会科学、人文科学、「社会における科学」等のようです。
ICT分野の優れたプロジェクトを称える「ストックホルム・チャレンジ」(Stockholm Challenge)が、2010年12月1日に今年の受賞者を発表しました。賞は文化部門、経済発展部門、教育部門、環境部門、健康部門、行政部門の6つの部門に分かれており、このうち文化部門で、チリ国立図書館(Biblioteca Nacional de Chile)の電子図書館である「チリの記憶:チリの文化ポータル」(Memoria Chilena : Portal de la Cultura de Chile)が受賞したようです。プロジェクト開始から7年目となる「チリの記憶」は、チリの手稿資料や視聴覚資料、写真、地図等、遺産としての価値がある様々な資料をオンラインで提供しているとのことです。
ウェブ技術の標準化を推進する団体W3C(World Wide Web Consortium)のソーシャルウェブ・インキュベーターグループ(Social Web Incubator Group)が、2010年12月3日付けで、ソーシャルウェブに関するリポート“A Standards-based Framework, Open and Privacy-aware Social Web”を公表しています。ソーシャルウェブの理解のための枠組みと発展のための戦略を示すものとのことです。