アーカイブ - 2010年 12月

12月 21日

CA1733 - 動向レビュー:ウェブアーカイブの課題と海外の取組み / 中島美奈

 今日、ウェブはごく身近な情報源として一般的に利用されている。印刷された本や雑誌の形での発行が停止され、ウェブ上でのみ公開されるようになった刊行物も多い。今後、インターネットを利用しないと得られない情報は増加していくだろう。しかし、その速報性と更新のしやすさから、ウェブ上の情報は増加していくと同時に消失している。情報が載っていたページ自体が消失してしまうこともあるし、新しい情報が上書きされて古い情報が消失していることもある。ウェブ上のページにアクセスしようとして、「404 Not Found」というエラー画面を目にしたことも少なくないはずである。...

CA1732 - 動向レビュー:高齢者向けの図書館サービス / 堀 薫夫

 今日、社会の高齢化、とくに団塊世代の高齢化の問題は、図書館の世界にも大きな波紋を投げかけている。ここでは「図書館における高齢者サービス」について、従来のサービスと21世紀以降出てきた新しい論点を概観するなかで、高齢者問題から照射した新しい図書館サービスのあり方を考えていく。...

モルガン図書館・博物館、クラシック作曲家の直筆楽譜のオンライン公開を開始

米国ニューヨークにあるモルガン図書館・博物館(The Morgan Library & Museum)が、2010年12月20日から、同館が所蔵するクラシック音楽の作曲家の直筆楽譜のオンライン公開を開始しています。現時点では、ベートーヴェン、ショパン、ドビュッシーらの作品40点が公開されており、将来的には900点、42,000ページが公開される予定とのことです。

Music Manuscripts Online
http://www.themorgan.org/music/

MANUSCRIPTS BY COMPOSERS SUCH AS MOZART, BEETHOVEN, CHOPIN, DEBUSSY, SCHUBERT, AND MAHLER TO BE MADE AVAILABLE ON THE MORGAN LIBRARY & MUSEUM’S WEB SITE(2010/12/15付けモルガン図書館・博物館のプレスリリース)
http://www.themorgan.org/about/press/MusicManuscriptsPressRelease.pdf

CA1731 - モンゴル国立図書館の現状と将来計画 / 林 明日香

 モンゴル国立図書館は、クリーム色の壁と白い柱が美しい建物であるが、1951年に建てられて以来、数回補修したのみで外見からしても少々老朽化している感が否めない。そのため現在新館建設が計画されており、それに伴って2010年に「モンゴル国立図書館戦略2010-2016」(1)(以下「戦略2010-2016」)が発表された。本稿では、「戦略2010-2016」を基にモンゴル国立図書館の現状と将来計画について紹介したい。...

CA1730 - JISCの3か年戦略2010-2012 / 呑海沙織

 英国情報システム合同委員会(Joint Information Systems Committee:JISC)は、大学などの高等教育機関を中心とした学術情報基盤として1993年に設立された非営利組織である(CA1501参照)。情報通信技術を活用することによって、継続・高等教育機関における研究・教育・学習を促進することを目的とした組織であり、英国の学術情報政策を把握する上で、最も重要な組織のひとつであるといえる(CA1620参照)。JISCは毎年、活動報告書を発行するとともに、数年毎に戦略書を発表している。...

北米研究図書館協会(ARL)、大学・研究図書館におけるフェアユースについてのリポートを公表

北米研究図書館協会(ARL)が、大学・研究図書館における著作物のフェアユース利用についてのリポートを公表しています。65人の図書館員へのインタビュー調査に基づくもので、フェアユースについての共通理解がないためあまり活用されておらず、研究や教育の支援という研究図書館の使命の実現に差しさわりが出ている、としています。提言として、フェアユース利用に際しての原則を示すベストプラクティス集の作成などが示されています。

New Report “Fair Use Challenges in Academic and Research Libraries” Now Available(2010/12/20付けARLのプレスリリース)
http://www.arl.org/news/pr/fairusereport_20dec10.shtml

CA1729 - 図書館と観光:その融合がもたらすもの / 松本秀人

筆者は「図書館と観光の融合」について研究しているが(1)、このテーマはこれまであまり注目されることがなかった。本稿では、今後、議論や実践が活発になることを期待して、研究の概要などを以下に紹介する。...

スペインの大学図書館がラテンアメリカ独立200周年記念の電子展示会を開催

2010年12月20日にスペインのセビーリャ大学が、スペイン大学図書館連携(Red de Bibliotecas Universitarias Españolas)とともに、ラテンアメリカ各国の独立200周年記念として、「描かれたアメリカ:スペイン大学図書館所蔵のアメリカ関係資料」(América Escrita: fondos americanistas en Bibliotecas universitarias españolas)と題する電子展示会を公開しました。この展示会では、インディアス古文書館やスペインの各大学図書館が所蔵する、15世紀から19世紀までのアメリカ大陸に関する刊行資料・手稿資料など239点を公開しているようです。

América escrita. Fondos americanistas en Bibliotecas Universitarias españolas
http://www.americaescrita.us.es/america/index.php

英国ブリティッシュ・カウンシル、1930-40年代のフィルムをデジタル化公開

英国のブリティッシュ・カウンシル(British Council)が、1930-40年代に作成されたフィルムをデジタル化し、プロジェクトのウェブサイト“TIME/IMAGE”上で公開を始めたようです。フィルムは、当時、ファシズムが欧州で拡大しつつある最中に、英国を他国に宣伝するために、ブリティッシュ・カウンシルの支援の下で作成されたとのことで、作成には当時の映画監督であるJack CardiffやKen Annakin等が携わっていたようです。

TIME/IMAGE: Exploring the Films of the British Coucil
http://www.timeimage.org.uk/

British Council puts 1930s and 1940s films online (2010/12/14付け Channel 4 Newsの記事)
http://www.channel4.com/news/british-council-put-1930s-and-1940s-films-online

British Council Films Online (2010/12/17付け British Universities Film & Video Councilの記事)

中国国家図書館、中国国内の図書館をつなぐ電子図書館システムを設立へ

中国国家図書館が、今後5年間で、同館の「国家デジタル図書館」を中心に中国国内の図書館をつなぐ電子図書館システムを設立するというプロジェクトを行うようです。2010年12月15-16日に開始の式典が開催されたようです。

National digital library promotion launched(2010/12/16付けPeople's Daily Onlineの記事)
http://english.people.com.cn/90001/90776/90882/7233290.html

Digital library serves to entry China National Library(2010/10/17付けCNTVの記事)
http://english.cntv.cn/program/cultureexpress/20101217/103781.shtml

国家数字图书馆推广工程启动仪式暨全国图书馆创新服务工作座谈会(2010/12/16付け国図新聞の記事)
http://www.nlc.gov.cn/syzt/2010/1216/article_603.htm

“Science.gov”に画像検索機能が追加される

2010年12月20日付けのInformation Todayの記事によると、米国連邦政府機関の自然科学系ポータルサイト“Science.gov”に、画像検索機能が追加されたようです。現在のところ、3つのデータベースを検索できるだけのようですが、今後、検索対象は拡大されるとのことです。

Science.gov
http://www.science.gov/index.html

Science.gov Debuts Image Search (2010/12/20付け Information Todayの記事)
http://newsbreaks.infotoday.com/Digest/Sciencegov-Debuts-Image-Search-72877.asp

インド法情報研究所がウェブサイトを公開、インドの法情報に関するデータベース等も併せて

2010年12月7日付け、Yale Law Libraryのブログ記事によると、このたびインド法情報研究所(Legal Information Institute of India;LII of India)のウェブサイトが一般公開されたようです(正式公開は2011年3月予定)。LLI of Indiaのウェブサイトでは、議会や裁判所からの30万件を超える決議や決定の記録、1836年以来の国内法令の他、法改定に関する報告書や学術雑誌論文等を収録した、50のデータベースを提供しているとのことです。

Legal Information Institute of India (LIIofIndia)
http://liiofindia.org/

LII of India - Open Access Indian Law Database (2010/12/7付け Yale Law Libraryのブログ記事)
http://blogs.law.yale.edu/blogs/foreign/archive/2010/12/07/india-lii-open-access-indian-law-database.aspx

京都文化財団、子どもに文化財への関心と理解を深めてもらうためのマンガを発行

2010年12月18日付けの毎日jpの記事によると、京都文化財団が文化財保護法施行60周年を記念し、子どもたちに文化財への関心や理解を深めてもらうために、「マンガ文化財入門(建物編)」を発行したとのことです。マンガは京都精華大マンガ学科の卒業生が作画したとのことで、京都府内の小学校や図書館などに無償配布されるようです。

文化財:修復、マンガで紹介 文化財団が冊子 /京都 (2010/12/20付け 毎日jpの記事)
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20101218ddlk26040477000c.html

12月 20日

インターネットを利用する人のうちTwitterユーザーは8%(米国)

米国の調査機関Pew Internet & American Life Projectが、インターネットを利用する米国の成人のうちTwitterユーザーは8%であるという調査結果を公表しています。男女別では男性が7%、女性が10%とのことです。また、Twitterユーザーのうち1日1回以上、他のユーザーの投稿をチェックする人は36%とのことです。

8% of online Americans use Twitter(Pew Internet & American Life Project)
http://www.pewinternet.org/~/media//Files/Reports/2010/PIP-Twitter-Update-2010.pdf

香川県丸亀市立図書館、ライブラリーウェディングを企画

香川県丸亀市立図書館が開館80周年記念イベントとして、同館を会場とした人前結婚式を企画しているようです。募集対象は、2010年12月末までに結婚予定の香川県内在住の方で、本が縁で結婚することになった方、限定1組とのことです。また、会場費とセレモニー費用は無料とのことですが、披露宴は行えないとのことです。なお、丸亀市立図書館80周年記念イベントでは、この他にも本のリユースフェアや図書館クイズ等も企画されたようです。

ライブラリーウエディング
http://www.city.marugame.kagawa.jp/itwinfo/i13462/file/burari.pdf

丸亀市立図書館80周年記念イベント
http://www.city.marugame.kagawa.jp/itwinfo/i13462/

「科学技術への顕著な貢献2010(ナイスステップな研究者)」に図書館情報学研究者が選定される

2010年12月17日付けの科学技術政策研究所の報道資料によると、同研究所が行っている、科学技術の振興・普及において顕著な貢献をした「ナイスステップな研究者」の選定事業「科学技術への顕著な貢献2010」において、慶應義塾大学文学部図書館情報学専攻の倉田敬子教授が「成果普及・理解増進部門」で選ばれたとのことです。報道資料では、倉田教授について「研究活動の情報基盤構築に向けて対応の遅れを警告するフロントランナー」と紹介しています。なお、この選定事業は2005年より行われており、2010年の選定では倉田教授を含む10組13名が選ばれたとのことです。

科学技術への顕著な貢献2010(ナイスステップな研究者) (2010/12/17付け 科学技術政策研究所の報道資料)
http://www.nistep.go.jp/notice/nt101217.pdf

文化審議会著作権分科会に提出された「権利制限の一般規定に関する報告書」などの資料が公開

2010年12月13日に開催された、文化審議会著作権分科会(第32回)の配布資料が公開されています。日本版フェアユース規定を検討してきた法制問題小委員会による「権利制限の一般規定に関する報告書」やその概要などが含まれています。

権利制限の一般規定に関する報告書(平成22年12月)
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/bunkakai/32/pdf/shiryo_3_2.pdf

権利制限の一般規定に関する最終まとめの概要(平成22年12月)
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/bunkakai/32/pdf/shiryo_3_1.pdf

文化審議会著作権分科会(第32回) 議事録・配付資料
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/bunkakai/32/index.html

著作物の無許諾利用柔軟に 来年にも法案提出(2010/12/13付け47NEWSの記事)
http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010121301000424.html

参考:
E1014 - 「日本版フェアユース」についてのワーキングチーム報告書

スペイン語圏最大規模の電子図書館、「ソーシャル化」と「パーソナライズ」等に向けた将来計画を発表

2010年12月17日、スペイン語圏最大規模の電子図書館「ミゲル・デ・セルバンテス・バーチャル図書館」(Biblioteca Virtual Miguel de Cervantes;BVMC)が会見を開き、今後のBVMCのあり方に関する計画案を発表したようです。スペインのInformación.esの記事によると、BVMCのカラスコ(Rafael Carrasco)氏の説明では、今後のBVMCの計画として、提供コンテンツのソーシャル化とパーソナル化への対応が挙げられたとのことで、これは、すでに提供されているブログやTwitter等ではない、利用者のための独自のソーシャルウェブを開発することと、利用者に対して自分がいつ何を読んだのかという情報とともにお勧めを教えてくれる、個々の利用者に対応した機能等を提供することを目指しているようです。また、この実現に向けて、同日にはBVMCのウェブサイトがリニューアル公開されたとのことです。

Biblioteca Virtual Miguel de Cervantes
http://www.cervantesvirtual.com/

La Biblioteca Virtual del español estrena nueva etapa (2010/12/17付けBVMCのblogの記事)

「研究データを安全に保存するためのユーザーガイド」が公表(英国)

2010年12月15日付けで、研究データの安定的長期保存を目指すプロジェクト“Keeping Research Data Safe;KRDS)”が、“User guide for keeping research data safe”と題する成果報告を公表しています。このユーザーガイドは、英国情報システム合同委員会(JISC)の支援する同プロジェクトの最終成果とのことで、研究データを電子的に長期保存するにあたってのコスト面での分析等が主たる内容となっているようです。

Keeping Research Data Safe : Cost/benefit studies, tools, and methodologies focussing on long-lived data
http://www.beagrie.com/krds.php

New User Guide Released for Keeping Research Data Safe (2010/12/15付け Neil Beagrie's Blogの記事)
http://blog.beagrie.com/2010/12/15/new-user-guide-released-for-keeping-research-data-safe/

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