英国国立公文書館(TNA)が、“Archives and Records Association ”と“Religious Archives Group”と共同で行なった、英国における宗教関係アーカイブズの調査結果を“Religious Archives Survey 2010”として公表しています。なお、同様の調査は2007年にも実施しているようです。
2010年11月23日付けのNew York Review of Booksのブログに、ハーバード大学図書館長のダーントン(Robert Darnton)氏が“How Google Can Save America’s Books”と題した記事を掲載しています。記事では、米国デジタル公共図書館(Digital Public Library of America:DPLA)の設立に向けた展望が語られています。(なお、カレントアウェアネス-E181号に掲載しました「E1105 - ハーバード大学図書館長,「全米デジタル図書館」を語る」では、「全米デジタル図書館」(National Digital Library)と表記しています。)ダーントン氏は、諸外国でも国立のデジタル図書館が進展していること、米国では資金面よりも法的な問題がDPLA実現の障害となっているが、学術書の著者である研究者らは、自分たちの著作がデジタル化されることで広く利用されるならば、著作権に関する補償は受け取らないかもしれないということ、Googleに対してはDPLAへの協力を求めること等を述べているようです。
How Google Can Save America’s Books (2010/11/23付け New York Review of Booksのブログ記事)
NPO法人知的資源イニシアティブ(IRI)が毎年授与している“Library of the Year”の2010年の最終選考が、2010年11月26日に、第12回図書館総合展において開催されました。先に優秀賞として発表されていた「京都国際マンガミュージアム」「神戸大学附属図書館デジタルアーカイブ事業」「カーリル」の中から、大賞として、「カーリル」が選出されました。また、特別賞が「置戸町生涯学習情報センター」に贈られました。
2010年11月24日付け英国のイングランド芸術評議会(Arts Council England)のニュース、および11月25日付けの博物館・図書館・文書館国家評議会(MLA)のニュースによると、一般市民がオンラインでどのように文化や芸術を利用しているか等を調査した、“Digital audiences: engagement with arts and culture online”と題した調査報告書が公表されたようです。主な調査結果として、回答者の53%はオンラインで文化・芸術に触れており、この比率は若者で高いこと、デジタルメディアを通じての文化・芸術の利用は、主に生の経験を補完するためであって、その代わりとしてではないこと等が挙げられているようです。
英国情報システム合同委員会(JISC)が支援するプロジェクト「OpenBibプロジェクト」は、書誌データをLinked Open Dataとして公開することを目的としていますが、2010年11月17日から、英国図書館(BL)の「英国全国書誌」(British National Bibliography)の1950年以降の全データ約300万件を公開しています。これは、2010年8月から開始された英国図書館による書誌レコードの無償提供を受けて実施されたもので、今後も英国図書館のデータを追加していくとのことです。
2010年11月24日、欧州委員会(EC)が、欧州における社会科学・人文科学(SSH)の研究動向を伝えるポータルサイト“Monitoring Emerging Trends on Social Sciences and Humanities in Europe”(METRIS)を公開しています。これは、SSHに関する欧州研究領域(ERA)の支援を目的としたものとのことです。また、この目的は、SSHに関する国際的な研究協力を支援することだけでなく、欧州全体の文脈の中で、EU内の国レベルでの研究推進の決定をサポートすることにもあるようです。同ウェブサイトでは、今後、各国のSSHの体制に関する情報や、SSHに関するニュースサービス、年次報告書、参考となるレポートやウェブサイトへのリンク等を提供するとのことです。
Artisan Forceが制作したiPhoneアプリ「ライブラリアン」が、「Yahoo! Japan インターネットクリエイティブアワード2010」で「一般の部:スマートフォン部門:優秀賞」を受賞しています。「ライブラリアン」は、日本国内の図書館情報の検索や、書籍情報、図書館の蔵書検索、貸出予約などができるというもので、無料で提供されています。
2011年11月18日付けの英国国立公文書館(The National Archives:TNA)のニュースによると、同館は英国のマーガレット・サッチャー元首相の関係資料をデジタル化し、オンラインで提供を開始したようです。提供される資料は、1979年5月から12月までの100を超える資料とのことです。