アーカイブ - 2010年 10月 7日

デジタル形式での歴史研究、その成果の発表場所を欠く(記事紹介)

2010年10月5日の“The Chronicle of Higher Education”に、デジタル形式での歴史研究の発表を巡る問題が掲載されています。記事では、アメリカ歴史学協会の“Robert Townsend”氏による、4,000名の歴史研究者を対象とした調査を紹介しており、その調査対象者の多くがデジタル形式での研究成果(例えば、インタラクティブな地図やオンラインデータベース等)の発表に挑戦したいと考えているものの、それをオンラインで発表できる学会誌がごくわずかしか存在しないことを指摘しています。そのため、現在、デジタル形式で歴史研究を行っている研究者は、その成果の多くを伝統的な学会誌以外の領域で、すなわちブログやWikipediaなどで公開しているとのことです。また記事では、デジタル形式で歴史研究を発表できるようにするためのプロジェクト“Sustaining Digital History Project”や、デジタル形式での歴史研究の成果の具体例として、ヴァージニア大学の“The Texas Slavery Project”やスタンフォード大学の“The Spatial History Project”等を紹介しています。

米国カンザス大学図書館、フットボールチームの得点に応じて資金援助を受けるプログラムを発表

米国のカンザス大学図書館が、アメリカンフットボールのチームが得点するごとに資金援助を受けるというファンドレイジングのプログラム“Gridiron Gifts Football Challenge”を発表しています。プログラムの参加者は、2010-2011シーズンに同大学のフットボールチームがタッチダウンを決めるごとに自ら設定した金額を図書館に援助するとのことです。

Kansas Athletics and KU Libraries announce Gridiron Gifts fundraiser(カンザス大学のニュースリリース)
http://www.news.ku.edu/2010/october/1/gridiron.shtml

Gridiron Gifts for KU Libraries
http://www.lib.ku.edu/gridirongifts/

英国情報システム合同委員会(JISC)、“Open Planets Foundation”に参加

2010年10月1日、英国情報システム合同委員会(JISC)が、長期デジタル保存を目指した非営利団体“Open Planets Foundation”(OPF)に参加を表明しました。JISCは、今後、英国内の主要大学に対して、デジタル遺産を保存するために、ヨーロッパ規模での取組みに中心的な役割を担うように働きかけを行うほか、高等教育機関の関心をデジタル保存技術の開発に向けさせ、より多くの高等教育機関がデジタル資料をより効果的に保存するための課題に取り組むことができるようにするとのことです。

Universities given key role in securing the UK’s digital legacy (2010/10/1付け JISCのニュース)
http://www.jisc.ac.uk/news/stories/2010/10/preserve.aspx

Higher Education sector given key role in securing the UK’s digital legacy (2010/10/1付け Open Planets Foundationの記事)
http://www.openplanetsfoundation.org/node/558

OCLC、音楽のメタデータ提供サイト“allmusic”と連携

OCLCが、All Media Guide社及びRovi社と連携し、音楽のメタデータを提供するウェブサイト“allmusic”の情報をWorldCatに追加すると発表しています。allmusicが持つ、25万件分のポップスやクラシック音楽のジャンルや収録タイトル、演奏時間、レート、レビューなどの情報がWorldCatで提供されるとのことです。

NEW for WorldCat.org: More music metadata(OCLC)
http://www.oclc.org/news/announcements/2010/announcement504.htm

スウェーデンからのEuropeanaへの登録件数が120万件を突破

2010年10月6日、デジタル化した欧州の文化遺産を提供する“Europeana”は、スウェーデンからのEuropeanaへの登録件数が120万件を突破したと発表しています。

Swedish institutions add 1.2 million items to Europeana (2010/10/6付け Europeanaの記事)
http://version1.europeana.eu/web/guest/news/-/blogs/swedish-institutions-add-1-2-million-items-to-europeana

『カレントアウェアネス-E』180号発行

E1104 - 英国図書館,今後10年の方針を示す「2020年ビジョン」を発表

 2010年9月17日,英国図書館(BL)は,今後10年間の方針等を示した文書「2020年ビジョン」(2020 Vision)を発表した。情報,メディア,出版等の分野の専門家の見解に基づく今後10年間の動向予測を踏まえ,世界の情報ネットワークのハブであり続けるための方針が示されている。...

E1103 - 大学図書館の価値に関する報告書(米国)

 2010年9月,米国の大学・研究図書館協会(ACRL)は,大学図書館の価値に関する報告書“Value of Academic Libraries: A Comprehensive Research Review and Report”を公表した。本報告書の執筆はシラキュース大学のオークリーフ(Megan Oakleaf)氏が担当している。...

E1102 - 財政難の状況下での公共図書館における有料サービス(米国)

 Library Journal誌の2010年9月15日号に,米国の公共図書館における有料サービスや収入獲得策の実施状況等に関する,同誌の調査に基づく記事が掲載された。その概要を紹介する。...

E1101 - 生涯学習における博物館・図書館・文書館の役割(英国)

 2010年9月3日に,英国の生涯学習に関する調査プロジェクト“Inquiry into the Future for Lifelong Learning”が,『博物館・図書館・文書館はどうすれば生涯学習に貢献できるのか』(How museums, libraries and archives contribute to lifelong learning)と題した報告書を刊行した。このプロジェクトは,成人の継続教育に関する国立の機関である“The National Institute of Adult Continuing Education”(NIACE)が2007年に開始したものである。...

E1100 - 公共図書館の情報を伝えるためのキャンペーン(英国)

 2010年9月6日、英国で「図書館のための声」(Voices for the Library)というキャンペーンが始まった。このキャンペーンは、マンチェスター大学の情報センターに勤務するルドック(Bethan Ruddock)氏や、ロンドンの公共図書館員のグリーン(Gary Green)氏など、館種を超えた有志9名により、ボランティアで運営されている。...

欧州委員会情報社会・メディア総局、科学データへのアクセスと保存等に関する報告書を公開

2010年10月6日、欧州委員会の情報社会・メディア総局の下で協議を続けてきた「科学データに関するハイレベルグループ」(The High-Level Group on Scientific Data)が、最終報告書“Riding the wave - How Europe can gain from the rising tide of scientific data ”を公開しました。これは、科学データの電子インフラに関する“ビジョン2030”を実現するために必要な戦略と行動、そして、科学データへのアクセスと管理、保存に関する長期的なシナリオとそれに関連した課題をまとめたものとのことです。

Riding the wave - How Europe can gain from the rising tide of scientific data - Final report of the High Level Expert Group on Scientific Data - October 2010
http://cordis.europa.eu/fp7/ict/e-infrastructure/docs/hlg-sdi-report.pdf

過去のある時点でのウェブサイトを表示できるFireFoxアドオン“MementoFox”

ブラウザーFireFox向けのアドオンとして、過去のある時点でのウェブサイトをウェブ上のアーカイブから取得して表示する機能を持った“MementoFox”(バージョン0.8.10)がリリースされています。ロスアラモス国立研究所とOld Dominion大学が開発している“Memento protocal”という技術が用いられており、URLと目的の日付を入力すると、その時点でのバージョンのウェブサイトをウェブ上のアーカイブから探し、それを表示するとのことです。Mementoプロジェクトは、米国議会図書館(LC)の全米デジタル情報インフラ・保存プログラム(NDIIPP)の助成を受けているものです。

MementoFox 0.8.10
https://addons.mozilla.org/en-US/firefox/addon/100298/

Web Browser Supports Time Travel (2010/9/24付けLCのニュース)
http://www.digitalpreservation.gov/news/2010/20100924news_article_mementofox.html

参考:
過去のある時点でのウェブサイトへ簡単にアクセスできるシステム“Memento”