アーカイブ - 2009年 9月

9月 16日

9月 15日

国立台湾大学のポップな図書館ガイドブック

国立台湾大学が、図書館の使い方を初心者向けに指南するガイドブック「恋上図書館的毎一天」(英語版は“My Love Affair with Library”)を刊行しています。学生にも親しみ易い、ポップなデザインを採用しています。

ハーバード・MITなど5大学がオープンアクセス出版の支援組織を結成

ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、ダートマス大学、コーネル大学、カリフォルニア大学バークレー校の5大学が、オープンアクセス出版への支援組織“Compact for Open-Access Publishing Equity”を結成すると発表しています。著者が出版費用を負担する形のオープンアクセス誌に執筆する際の費用を支援するもののようです。

Compact for Open-Access Publishing Equity
http://www.oacompact.org/

使用頻度の低い研究雑誌の保存・提供プロジェクトに15の高等教育機関が参加(英国)

英国図書館(BL)は、同館とロンドン大学が中心となって取り組んでいる、使用頻度の低い研究雑誌の保存・提供プロジェクト“UK Research Reserve(UKRR)”に新たに15の高等教育機関が参加すると発表しています。BLが使用頻度の低い研究雑誌を一括して保存・管理することにより、高等教育機関の図書館でスペースをより有効に活用してもらうことが期待されています。2007年1月から18か月間行われていたプロジェクトの第1段階の成功によって、引き続き高等教育財政審議会(HEFCE)から資金提供を受けることとなり、提携機関と共に2009年から2013年にかけてプロジェクトの第2段階が実行されるとのことです。

UK Research Reserve signs up 15 Higher Education Institutions(BLのプレスリリース)
http://www.bl.uk/news/2009/pressrelease20090914.html

9月 14日

オブジェクト指向版FRBR“FRBRoo”のドラフト1.0版

国際博物館会議(ICOM)の国際ドキュメンテーション委員会(CIDOC)と国際図書館連盟(IFLA)が協同で開発している、「書誌レコードの機能要件(FRBR)」のオブジェクト指向(object-oriented)版である“FRBRoo”のドラフト1.0版が、2009年5月からCIDOCのサイトで公開されています。

CIDOCのWorking Drafts and Releasesのページ
http://cidoc.ics.forth.gr/frbr_drafts.html
(PDF版)
http://cidoc.ics.forth.gr/docs/frbr_oo/frbr_docs/FRBRoo_V1.0_draft__2009_may_.pdf

「日本のMLA連携の方向性を探るラウンドテーブル」開催(10月・東京)

NPO法人「知的資源イニシアティブ(IRI)」が主催する、博物館・美術館(Museum)、図書館(Library)、文書館(Archive)の連携についての各分野の専門家によるラウンドテーブルが10月19日に東京で開催されます。MLA連携提唱の背景、共通の課題、連携のメリット、今後の具体的な取組みの方向等について、公開討論会が開催されるとのことです。

日本のMLA連携の方向性を探るラウンドテーブル
http://www.iri-net.org/forum/mlart01.html

中学・高校の数学参考書の点訳が完成

聴覚・視覚障害者のための大学である筑波技術大学の障害者高等教育研究支援センターが、中学・高校の数学の参考書6点を点訳したと発表しています。同大学の長岡教授と首都圏の六つのボランティア点訳グループにより、全290巻、21,811ページが作成されました。 原書に掲載されている図のほとんどを掲載し、手で触れて読み取り易いように工夫された点図に仕上げている点が特徴とのことです。当該予算期間中は、希望者には無償で提供するとのことです。

中学・高校学年用数学参考書の点字版が完成しました(筑波技術大学)
http://www.tsukuba-tech.ac.jp/hs/kasuga-news/#N09091001

「チャート式数学」完全点訳 筑波技術大、無料提供へ(2009/9/13付けasahi.comの記事)
http://www.asahi.com/national/update/0912/TKY200909120110.html

JLA、「日本十進分類法新訂10版」の試案説明会を開催(11月)

日本図書館協会(JLA)分類委員会による「日本十進分類法新訂9版」の改訂作業については、既にいくつかの試案が雑誌等で発表されていますが、これらの試案や改定作業についての説明会が、2009年11月10日に開催されます。内容は、改訂方針の確認、進捗状況、公表された試案(0,2,3,7類)の概説、懸案事項に関する意見聴取、意見交換等とのことです。

「日本十進分類法新訂10版」試案説明会(中間報告)
(日本図書館協会ウェブサイトの図書館イベントカレンダー2009年11月)
http://www.jla.or.jp/calendar.html#11

Googleブックス和解案に対するフランス政府の意見書

Googleブックスをめぐる訴訟の和解案について、9月8日付けで提出されたフランス政府による意見書がウェブで公開されています。和解案によって起こりうる悪影響等を述べたもので、先立って提出されたドイツ政府の意見書と同じ弁護士によるもののため、内容は共通の部分が多いようですが、前文部分では「文化の多様性」への影響を指摘しています。

フランス政府の意見書(関係情報をまとめたサイトthe public indexより)
http://thepublicindex.org/docs/letters/french_republic.pdf

文化・コミュニケーション省のGEORGE氏による文書(同上)
http://thepublicindex.org/docs/letters/georges.pdf

La France veut garantir le respect du droit d'auteur dans le cadre du contentieux opposant Google Books aux auteurs et éditeurs américains(フランス文化・コミュニケーション省の声明)

9月 11日

Googleブックス問題に関するIFLAの声明

IFLA(国際図書館連盟)のウェブサイトに、Googleブックス和解案に関するIFLAの声明が掲載されています。2009年9月7日の欧州委員会(EC)の会議の場で公表されたものです。情報へのアクセスが向上する可能性があるという点を評価しつつも、留意が必要な点として、米国以外でもアクセスができるようになるかどうか、機関購読における価格決定への図書館側の関与、検閲やプライバシーの問題を指摘しています。同じページに、Googleブックスの和解案を担当するニューヨークの連邦地裁に送った意見書も掲載されています。

IFLA Statement to the European Commission hearing on the Google Book Settlement
http://www.ifla.org/en/news/ifla-statement-to-the-european-commission

日本ペンクラブのメンバーによるGoogleブックス和解案への異議申し立て文書

Googleブックスをめぐる訴訟の和解案に対して日本ペンクラブのメンバーがニューヨーク連邦地裁に提出した異議申し立て文書について、その文面(英語及び日本語仮訳)がウェブサイトに掲載されています。

「グーグルブック検索訴訟の和解案に対する異議申し立て」について
http://www.japanpen.or.jp/news/guide/post_197.html

参考:
日本ペンクラブ、Googleブックスの和解案に対し、NY地裁に異議申し立てへ
http://current.ndl.go.jp/node/14166

1. はじめに

 PDF版はこちら

1.1 本研究の背景および目的

 近年、出版コンテンツのデジタル化が急速に進展し、「電子書籍」への注目が高まっている。とりわけ2007年には電子書籍に関する複数のニュースが国内の図書館界を駆けめぐった。11月に東京・千代田区立図書館は電子書籍貸出しサービスを開始し、同じく11月には紀伊國屋書店とOCLCによる学術系電子書籍サービス「NetLibrary」に和書コンテンツが搭載されるなど、著作権の保護期間が満了していない日本語の電子書籍をインターネット経由で提供するタイプの図書館サービスが新たに登場したのである。

 一方、「魔法のiらんど」など携帯電話用ネットサービスに発表された「ケータイ小説」が主に若年層を中心に広く受容され、ネットでのアクセス数の多いケータイ小説が逆に単行本化され、大手取次のトーハン調べによる文芸部門ベストセラーの1位から3位を独占したのも2007年のことであった(1)

概要

(調査の目的)

 近年、「電子書籍」の量的拡大、コンテンツの多様化、ネットワーク配信が進んでいる。統計によると市場規模は年々拡大しており、とりわけ携帯電話による電子書籍配信事業が拡大の一途をたどっている。そのようなコンテンツの1つ、「ケータイ小説」は若年層に広く受容されており、ネット上でのアクセス数の多い「ケータイ小説」が単行本として出版され、2007年にはベストセラーの上位層を占めるに至った。

 このような状況を踏まえ、2008年現在の国内における電子書籍の流通・利用・保存の現況について、図書館とのかかわりを視野に入れつつ調査を実施した。

(方法)

 質問紙調査によって、電子書籍の流通・利用・保存に関する実態・意識調査を、出版社を対象に実施した。さらに電子書籍関連事業者を対象にインタビュー調査を実施した。また利用者調査の代替として、国立国会図書館職員を対象に、電子書籍の利用実態および意識に関する質問紙調査を実施した。

(結果)

 各種統計や歴史的経緯の分析から、電子書籍の厳密な定義は困難である。そこで産業的実態から電子書籍を定義し、流通・利用・保存の現状分析を試みた。

ALAとARL、オンラインでのみ利用可能な出版物の納本義務化に向けたLCの取組への支援を表明

米国議会図書館(LC)は2009年7月15日付けの官報のなかで、オンラインのみの出版物について、LCの要求がある場合には納本を義務づけるようにするための規則改正の提案を行いました。この件に関し米国図書館協会(ALA)と北米研究図書館協会(ARL)は連名で、意見表明の文書をLCに送付したということです。このなかでALAとARLは、「オンラインでのみ発行される雑誌の数が増えるなど、技術的な進歩に照らして考えると、今回の提案は必須のものである。ARLとALAはLCの提案を賞賛する。」として、感謝と支援の意を表明しています。

ALA, ARL commend Library of Congress for proposing mandatory deposit of electronic works
http://www.wo.ala.org/districtdispatch/?p=3621

1.6.2 図書館とフィランソロピー

PDF版はこちら

獨協大学 経済学部  井上 靖代(いのうえ やすよ)

はじめに

 図書館活動へ個人や企業が財政的な援助をしたり、ボランティアや友の会のメンバーとして自分の時間を「寄付」することはアメリカでは一般的である。特に公共図書館への貢献は民主主義社会の具現化行為として、熱心におこなわれている。地域社会活動に参加することは個人として当然の行為なのである(1)。地域社会として公共図書館活動の存在やその活動を社会の目的の実現として受け入れているからである。

1.6.1 Library Advocacy from the U.S. Perspective

PDF版はこちら

Barbara J. Ford
Director, C.Walter and Gerda B. mortenson Center for International Library Programs and Mortenson Distinguished Professor,
Member of IFLA Governing Board,
Past President of the American Library Association

What Is Library Advocacy?

   Library advocacy is the act of voicing your support for libraries and encouraging others to do the same.

1.6.1 アメリカの見地からの図書館アドヴォカシー

PDF版はこちら

Barbara J. Ford
Director, C.Walter and Gerda B. mortenson Center for International Library Programs and Mortenson Distinguished Professor,
Member of IFLA Governing Board,
Past President of the American Library Association

(イリノイ大学モーテンソン・センター長、国際図書館連盟理事、アメリカ図書館協会元会長  バーバラ・フォード)

(1) 図書館のアドヴォカシー(advocacy)とは何か?

 図書館のアドヴォカシーとは、図書館に対するサポートを声に出して表明し、また他の人々にも同じように行ってもらうようにする行為である。図書館が地域コミュニティの形成にいかに貢献しているかを他の人々が知っているとは限らない。

1.5.2 E-rateの概要と運用の実情 ~公共図書館との関連を中心に~

PDF版はこちら

国立情報学研究所 情報社会相関研究系  古賀 崇(こが たかし)

はじめに

 米国の図書館、特に公共図書館および学校図書館をめぐる財政に関して、1990年代末より大きな比重を占めているのが“E-rate”という補助金制度である。これは“educational rate”を意味し、手短に言えば、学校・図書館を対象とするインターネット接続料金割引のしくみと言えるものである。本稿においては、E-rateの概要や、その運営の実情、問題点などを概説したい。なお、紙幅の都合もあり、本稿では公共図書館にかかわる側面を中心に述べる。

ページ