アーカイブ - 2009年 9月

9月 25日

2.5 コンテンツプロバイダーの動向

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2.5.1 コンテンツプロバイダーの事業

 日本で初めて「オンライン電子書籍サービス」を開始したのはパピレスである。天谷幹夫代表取締役は、富士通に在籍していた当時、社内で新しい事業の企画募集があり、これにネットワーク発信事業で応募。1995年3月に富士通のベンチャー支援制度を利用してフジオンラインシステムを設立し、1995年11月にパソコン通信で「電子書店パピレス」を開始している。日本最大規模の電子書籍販売サイトで、小説、コミック、趣味・実用書、写真集、音声ブック、ビジネス等約9万点のコンテンツをPC向けに配信、2003年10月からはEZWebで携帯電話電子書籍サイトも開設している。

2.4 視覚障害者の読書と電子書籍の可能性

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 本節では、視覚障害をもつ人の読書と電子書籍の可能性について取り上げる。

 厚生労働省によると、2006年の日本の視覚障害者は、約31万人であると推計されている(1)。また日本眼科医会の推計によると、高齢化などによる強度の視力の衰えに悩む「ロービジョン」と呼ばれる人々は、約100万人にのぼるという(2)

 このように視覚障害をもつ人々は、情報をどのように入手しているのだろうか。厚生労働省の調査では、視覚障害者の約3分の2はテレビ放送から、55%が家族・友人からと答えている。だが一般図書・新聞・雑誌を情報源と回答している人々も少なくなく、全体の約4分の1を占めている(3)

2.3 無料の電子書籍サイト

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2.3.1 「青空文庫」

 日本の出版業界における電子書籍についてここまで振り返ってきたが、業界とは別の位相で電子書籍の流れを形成してきた分野を見落としてはならない。1997年から開始した「青空文庫」はその良い例である。

 青空文庫は、著作権が消滅し、パブリックドメインに帰した文学作品を収集・公開しているインターネット上の無料サイトであり、一般読者への電子書籍の認知に大きな影響を与えたと思われる。

 青空文庫は2007年10月、「青空文庫10年の成果をすべての図書館に」と銘打って、これまで蓄積してきたコンテンツを収録したDVD‐ROMを全国の公共図書館、大学附属図書館、高等学校図書館などへ寄贈した。そのDVD‐ROM『青空文庫 全』には次のようにその役割が語られている

 

2.2 携帯電話読書の進展と携帯電話キャリアの動向

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2.2.1  携帯電話向け電子書籍市場の急成長

 前述の『電子書籍ビジネス調査報告書2007』では、電子書籍の動向についておよそ次のように概説している。

 2002年度にPC向けに電子書籍市場が形を整え、PDA(携帯情報端末)向けの電子書籍販売サイトが相次いでスタートし、2003年度はPDA向け電子書籍市場が最盛期を迎え、2004年度はΣBook、LIBRIeといった読書専用端末の登場、2005年度に携帯電話向け電子コミックの伸びが顕著となり、2006年度に携帯電話向け電子書籍市場がPC向けを上回った(10)

 

表2.1 電子書籍市場の売上高の推移(単位:億円)

2.1 出版社と電子書籍

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2.1.1 電子出版としてのCD-ROM

 1985年10月、三修社が『最新科学技術用語辞典』(定価6万円)を発売したのが、CD-ROMの商品化第1号と言われている。そして2年後の1987年7月に岩波書店が『広辞苑』CD-ROM版(定価2万8,000円)を発売したことで、広く社会に認知された。1988年には『現代用語の基礎知識』(自由国民社、定価2万円)、『職員録』(大蔵省印刷局、定価2万円)、『模範六法』(三省堂、定価12万円=CD-ROM3万円+検索ソフト9万円)などが刊行された。なお『広辞苑』『現代用語の基礎知識』『模範六法』は当初、富士通製日本語ワードプロセッサー「OASYS100-CD」でしか稼動しない「WINGフォーマット」のみであった。

Yahoo!、新しい検索フォーマットを発表

Yahoo!が2009年9月22日、新しい検索フォーマットを発表しています。検索のトップページを刷新したほか、検索結果のロード時間や見やすさ、検索補助を向上させて利用者の検索時間の短縮が図られているようです。これらの改良は、欧米各国やインドなどで導入済みで、他の国向けにも近々導入する予定とのことです。

Yahoo Goes Live With New Search Format(search engine land 2009/9/22付けの記事)
http://searchengineland.com/yahoo-goes-live-with-new-search-format-26287

アーカイブの写真の人物を特定するプロジェクト(米国)

米国デラウェア州のアーカイブ“Delaware Public Archives”が、収録している写真の人物を特定するというプロジェクトを行っています。80万枚以上の写真がオンラインで公開されており、写真の人物を特定することができた利用者は、メールで知らせることができるようです。

Delaware Public Archives moves photo ID project online
http://www.doverpost.com/news/x1699593239/Delaware-Public-Archives-moves-photo-ID-project-online

図書館はインフルエンザ流行にどう対応すべきか(米国)

Library Journalに、インフルエンザの流行に対して図書館がどう対応するかについての、オンラインフォーラム等の議論を紹介する内容の記事が掲載されています。「利用者がインフルエンザのような症状を示していたとしても(図書館職員が「診断」して)退館を求めるのではなく、定められたガイドラインに沿った行動をしてもらうよう求めるのがよい」という弁護士のコメントや、消毒液の使用やポスター掲示などを行う、自宅への配送やデジタル資料のダウンロードを利用してもらう、などの対応策が紹介されています。

In Flu Season, Can a Library Staffer Tell Someone To Leave?(2009/9/23付けLibrary Journalの記事)
http://www.libraryjournal.com/article/CA6698308.html

9月 24日

ハーバード大学書籍販売部、Googleのスキャンした書籍をオンデマンド販売

ハーバード大学書籍販売部は、Googleとの提携を発表したOn Demand Books社のオンデマンド印刷機“Espresso Book Machine”での書籍販売を2009年9月29日から開始すると発表しています。両社がデジタル化したパブリックドメインの書籍が対象となっています。また、機械の名前を募集するコンテストも実施されているようです。

Harvard Book Store to Print Google Books(Bostonist 2009/9/18付けの記事)
http://bostonist.com/2009/09/18/harvard_book_store_to_print_google.php

Google Library and Harvard Offer On-Demand Books(FOXNews 2009/9/22付けの記事)
http://www.foxnews.com/story/0,2933,553884,00.html

Harvard Book Store Book Machine
http://www.harvard.com/bookmachine/

Name Our Book Machine! Contest
http://www.harvard.com/bookmachinecontest/

イトーヨーカドー子ども図書館、31年の歴史に終止符

イトーヨーカドー子ども図書館が、2009年9月23日をもって全国8つの図書館を一斉に閉館とし、31年の歴史に幕を下ろしています。利用者の減少や経済的な負担が理由のようです。各図書館の利用者らが存続を求める署名活動や応援ブログの立ち上げなどを行っています。

子ども図書館:あす閉館 惜しむ利用者--イトーヨーカドー沼津と浜松宮竹店(毎日jp 2009/9/22付けの記事)
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20090922ddlk22040099000c.html

イトーヨーカドー沼津店からのお知らせ
http://www.ishibashi-plaza.com/itoyokado_ip.html#tosyokan

イトーヨーカドー施設のご紹介
http://www.itoyokado.co.jp/service/facilities.html#04

秋田子ども図書館がんばれブログ
http://blog.goo.ne.jp/turumama

郡山の子ども図書館応援団の部屋
http://hondaisukinokodomo.365blog.jp/

ぬまづ子ども図書館 応援ブログ
http://librarykodomo.jugem.jp/

子ども図書館応援ブログ(浜松)

ALA、公共図書館へのブロードバンドの普及を目指すプロジェクトの政策概要を公開

米国図書館協会(ALA)の情報技術政策局(OITP)が、公共図書館への光ファイバーを始めとしたブロードバンドの普及を目指すプロジェクトの政策概要の第1号となる“Fiber to the Library: How Public Libraries Can Benefit”をウェブサイト上で公開しています。次号以降も近いうちに発表される予定のようです。

OITP releases official “Fiber to the Library” paper(ALAワシントンオフィスのニュースリリース)
http://www.wo.ala.org/districtdispatch/?p=3679

Googleブックス和解案の審理、さらに延期か

Googleブックスをめぐる訴訟の和解案については、2009年9月18日に米国司法省が、和解案を審理するニューヨーク連邦地裁に対し、現在の和解案を認めないよう勧告しました。こうした中、訴訟の原告である著作者団体“Authors Guild”等が、和解案の修正のため、10月7日に予定されている審理の延期を要請していると報じられています。

「Google Books」訴訟で和解当事者が審理延期を要請--和解案修正に向けて協議中(2009/9/24付けCNET Japanの記事)
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20400458,00.htm

Press Review: Google Book Settlement Hearing Postponed(2009/9/22付けResourceShelfの記事:多数の英文記事へのリンクあり)
http://www.resourceshelf.com/2009/09/22/google-moves-to-postpone-hearing-on-book-settlement/

参考:
E973 - Googleブックス和解案への意見書が相次ぐ
http://current.ndl.go.jp/e973

WorldCat、フランスの大学図書館の総合目録“Sudoc”のデータ900万件を追加

OCLCは2009年9月21日、フランスの大学図書館の総合目録“Sudoc(Système Universitaire de documentation)”を管理するABES(Agence Bibliographique de l’Enseignement Supérieur)とWorldCatへのレコード提供で合意に至ったと発表しています。Sudoc上の1,000を超える図書館の900万件のレコードが、2010年第1四半期にWorldCatに追加される予定とのことです。

ABES to add French Sudoc records to WorldCat(OCLCのニュースリリース)
http://www.oclc.org/news/releases/200949.htm

ABES
http://www.abes.fr/abes/index.html

高知県立図書館、「高知県の図書館行政のあり方-提言-」を公表

高知県立図書館のウェブサイトに、「高知県の図書館行政のあり方-提言-」(2009年8月21日付け)が掲載されています。全県的な図書館行政や新しい県立図書館のあり方を提言としてまとめたものとのことで、現状と課題、これからの図書館に求められる機能、県立図書館に必要な具体的な機能、等が掲載されています。

「高知県の図書館行政のあり方-提言-」(PDFファイル)
http://www.pref.kochi.lg.jp/~lib/oshirase/toshokangyousei.pdf

「高知県の図書館行政のあり方」を提言しました(高知県立図書館ウェブサイトのお知らせ)
http://www.pref.kochi.lg.jp/~lib/oshirase/oshirase.html

9月 18日

米国5州の司法長官、Googleブックス和解案に異議

米国のコネチカット州、ミズーリ州、マサチューセッツ州、ペンシルバニア州、ワシントン州の5州の司法長官が、Googleブックス和解案に異議を唱えています。5州の法律では市民を代表して州が受け取ることになっている、所在不明な著作権者への分配金が、和解案では版権レジストリが保持することになっている点に反対しているようです。

State AGs on Google Books settlement: We object(CNET News 2009/9/17付けの記事)
http://news.cnet.com/8301-30684_3-10356034-265.html

米国5州の司法長官、「Google Books」和解案に反対を表明(CNET Japan 2009/9/18付けの記事)
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20400338,00.htm

JISC、SHERPA DP2プロジェクトの最終報告書を公開

英国情報システム合同委員会(JISC)は、同委員会が助成する、機関リポジトリのコンテンツ保存に関するプロジェクト“SHERPA DP2”の最終報告レポートをウェブサイト上で公開しています。プロジェクトは、ロンドン大学キングスカレッジの電子調査センターの主導の下で、2007年3月1日から2009年3月31日までの2年間行われました。

Developing Services for Archiving and Preservation in a Distributed Environment (SHERPA DP2) Final Report
http://ie-repository.jisc.ac.uk/395/

Sherpa DP2
http://www.jisc.ac.uk/whatwedo/programmes/preservation/sherpadp2.aspx

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