アーカイブ - 2009年 6月

6月 17日

ニューヨーク市の図書館サービス低下の危機、ひとまず回避へ

ニューヨーク市の公共図書館は、次年度の予算案で約22%の予算削減案が示され、職員の一時解雇や開館時間の短縮等が危惧されていましたが、予算の削減幅が8%程度に抑えられる見込みとなったと報じられています。これにより、職員の一時解雇なしで週6日開館の維持ができそうだとのことです。

Six-Day Service Saved in NYC Libraries, But at a Price -- Library Journal, 6/16/2009
http://www.libraryjournal.com/article/CA6665611.html

参考:
ニューヨーク市の図書館サービス低下の危機
http://current.ndl.go.jp/node/12846

米国ワシントン州のベルヴュー学校区、中学・高校の学校図書館司書全員を教員に配置換え

米国ワシントン州メディーナのベルヴュー学校区が、財政難のため2009年秋、5つの中学校・6つの高校を担当してきた学校図書館司書7名全員を教員に配置換えするとSchool Library Journal誌が報じています。同州では2009年4月に、学校図書館の資料の品目費や有資格の司書を雇用する費用を設けるよう義務付ける内容を含む教育改革法が成立していますが、2009年秋は同法の対象期間外であること、また司書の雇用費用については各校の裁量に委ねられていることから、このような扱いが可能になっているとのことです。学校区側は、学校図書館司書が教員に配置換えするからといって、司書が果たしてきた情報リテラシー教育ができなくなるわけではなく、その価値を軽視しているわけではないとしていますが、教員の職務を果たすことで多忙となり、十分に情報リテラシー教育を行えないのではないかと懸念されています。

Washington School District Eliminates Middle, High School Librarians - 6/8/2009 - School Library Journal
http://www.schoollibraryjournal.com/article/CA6663004.html

就学前の子どもに無料で本を送るドリー・パートン氏のプログラム、2014年までに参加地域を倍増へ

米国のカントリー歌手ドリー・パートン(Dolly Parton)氏が開始した、就学前の子どもに無料で本を送る“Imagination Library”プログラムが、共同募金・資金調達を行う地域NPO団体ユナイテッド・ウェイの全米組織である“United Way of America”の支援により拡大を続けているとSchool Library Journal誌が報じています。同誌に対しパートン氏は、2014年までに参加地域を倍増させたいとしています。

Dolly Parton Expands Imagination Library’s Reach - 6/11/2009 - School Library Journal
http://www.schoollibraryjournal.com/article/CA6663625.html

Elsevier社とNextBio社が提携-ライフサイエンス分野の情報検索をより便利に

大手学術出版社のElsevier社と、ライフサイエンス分野の各種データ、臨床試験結果、研究者情報、ニュースなどをデータベース化して提供しているNextBio社が2009年6月12日、Elsevier社の電子ジャーナルプラットフォーム“ScienceDirect”に、NextBio社の各種データ類を表示するよう提携することに合意したと発表しています。

Elsevier and NextBio Sign Partnership to Enrich ScienceDirect Content, Accelerating Life Sciences, Health Sciences and Chemistry Research
http://www.elsevier.com/wps/find/authored_newsitem.cws_home/companynews05_01249
http://www.nextbio.com/b/corp/pressReleases.nb#pr23

June 15, 2009付けInformation Today Weekly News Digestの記事

6月 16日

ライフサイエンス分野の論文PDFを検索・表示する検索エンジン“Pubget”

ライフサイエンス分野の電子ジャーナルの論文について、全文PDFファイルへのリンクを含む画面を表示するのではなく、全文PDFファイルを直接表示することを売りとした検索エンジン“Pubget”が立ち上がっています。2009年6月10日時点で、Pubgetに登録されている50の大学図書館・病院等が、PDFを直接表示できるようになっているとのことです。また、一括ダウンロード機能を備えたプラグインや、ウェブサイトに埋め込んで最新の論文を表示するウィジェットの開発も行われているようです。なお、Pubgetに登録されていない機関や個人が、機関名を選ばずに利用すると、他の学術情報提供サービスのように、検索結果の一覧、選択した論文のアブストラクト、PubMedや電子ジャーナルサービスサイトへのリンクなどが表示されるようになっています。

Pubget: the search engine for life-science PDFs
http://pubget.com/

オランダ王立図書館の新しい情報検索サービス

オランダ王立図書館が2009年6月16日、新しい情報検索サービスを公開しました。蔵書目録・電子図書館コンテンツ・ウェブサイトを統合検索・表示するもので、検索結果からGoogle検索、(オランダ国内の図書館の蔵書に限定した)WorldCat検索、Amazonなどオンライン書店へのリンクができるようになっています。

Koninklijke Bibliotheek collectie
http://zoek.kb.nl/en/new
(検索のトップページ(英語版))

Website KB springplank voor zoektocht naar boeken
http://www.kb.nl/nieuws/2009/kbwebsite.html

10大学出版会がOAを支持する声明を発表

米国・カナダの10大学出版会が、学術論文のオープンアクセス化を支持する声明を発表しています。

Position statement from university press directors
https://mx2.arl.org/Lists/SPARC-OAForum/Message/4978.html

10 University-Press Directors Back Free Access to Scholarly Articles
http://chronicle.com/news/article/6582/10-university-press-directors-back-free-access-to-scholarly-articles

On the Same Page: Ten University Presses Support Open Access
http://www.libraryjournal.com/article/CA6664474.html

10 university presses endorse OA
http://www.earlham.edu/~peters/fos/2009/06/10-university-presses-endorse-oa.html

参考:

OUPの休刊誌"Brief Treatment and Crisis Intervention"、CLOCKSSとPorticoからの提供へ

Oxford University Press (OUP)が2001年から2008年まで刊行し休刊した"Brief Treatment and Crisis Intervention"が、電子ジャーナルアーカイブ"CLOCKSS"および"Portico"からの提供に切り替わっています。

Online access to Brief Treatment & Crisis Intervention to be available through preservation services
http://www.oxfordjournals.org/news/2009/04/27/trigger.html

CLOCKSS Triggers Brief Treatment and Crisis Intervention
http://www.clockss.org/clockss/Brief_Treatment_and_Crisis_Intervention

CLOCKSS preserves access to discontinued OUP title
http://edina.ac.uk/cgi-bin/news.cgi?filename=2009-05-30-clockss.txt

ローライブラリアン研究会公開セミナー「法情報へのアクセス拠点としてのライブラリ」

ローライブラリアン研究会と「司法制度改革と先端テクノロジィ」研究会が主催する公開セミナー「法情報へのアクセス拠点としてのライブラリ」が2009年7月18日、東京で開催されます。早野貴文弁護士による基調講演「司法制度改革の心と図書館の心」、根本彰東京大学大学院教授による招待講演「図書館司書の専門化をめぐる現状と課題」のほか、法テラス東京地方事務所、鳥取県立図書館による法情報サービスの報告、パネルディスカッションなどが行われます。

公開セミナー 法情報へのアクセス拠点としてのライブラリ
http://www.legaltech.jp/koukaisemi/2009/090718chirasi.pdf

「司法制度改革と先端テクノロジィ」研究会
http://www.legaltech.jp/

スタンフォード大学図書館、予算削減の影響で32人を一時解雇(米国)

米国のスタンフォード大学図書館は、2010年度の予算削減の影響で、職員32人を一時解雇(lay off)したと発表しています。物理学図書館(Physics Library) の閉鎖も予定されているとのことです。

Budget cutbacks announced in Libraries, Center for Professional Development -- Stanford Report, June 10, 2009
http://news.stanford.edu/news/2009/june17/layoffs-061709.html

Stanford University Libraries Have Laid Off 32 Employees, Will Close Physics Library(DigitalKoans 2009年6月15日付けの記事)
http://digital-scholarship.com/digitalkoans/2009/06/15/stanford-university-libraries-have-laid-off-32-employees-will-close-physics-library/

参考:
E926 - 経済危機の影響により予算削減を迫られる大学図書館(米国)

韓国NaverのQ&Aサービス「知識iN」、医師・弁護士による無料回答を開始

韓国のインターネットポータルサイト“Naver”が2009年5月27日、同サイトで提供しているQ&Aサービス「知識iN」で、法律関連の質問に対し、230名あまりのソウル地方弁護士会所属弁護士による無料回答を開始したと発表しています。「信頼性の高い情報の提供」(Naver)と「公共の利益のための新しい社会還元活動」(弁護士会)ということで、両者が協約を結んで行われるものです。弁護士は実名・写真(あれば)つきで回答するようです。

なお、Naverは2009年1月から同様に、医療関連の質問(医療相談、東洋医学関連の質問、症状・疾病に関する質問)に対する医師による無料回答も実施しています。こちらも大韓医師協会などと協約を結んで行われているもので、2009年6月時点では1,477名の医師が回答しています。平均して1日600件の質問があるとのことです。

Naverは今後、このような専門家による回答を、労務関連の質問にも拡大する予定だとしています。

네이버 ‘지식iN’에 질문하면, 변호사가 답변합니다!
http://www.nhncorp.com/nhn200512/pr/p_sRead.html?board_cd=01&board_no=4644
(弁護士による回答を開始した旨のプレスリリース)
네이버 지식iN에 질문하면 의사가 직접 답변해드립니다!

わざと投稿された無意味な論文を受理してしまったOA誌の編集長辞任

Bentham Science社の発行するオープンアクセス誌The Open Information Science Journalに、研究者のPhilip Davis氏がソフトウェアで作成した無意味な論文をわざと投稿したところ受理されてしまったという事件に関して、同誌の編集長が辞任したと報じられています。また、オープンアクセス学術出版社協会(OASPA)は、倫理面での呼びかけを行っています。(なお、Bentham Science社はOASPAのメンバーではないとのことです。)

Fallout from the Hoax Article: Editor Resigns, OA Publishers Respond -- Library Journal, 6/15/2009
http://www.libraryjournal.com/article/CA6665489.html

Hoax Article Accepted by “Peer-Reviewed” OA Bentham Journal -- Library Journal, 6/11/2009
http://www.libraryjournal.com/article/CA6664637.html

(OASPAの声明)

質問に答えていくと解決案が提示される意思決定支援サービス“Hunch”が公開

ユーザーの関心のあるテーマについて、ユーザー自身の好み等が選択肢方式で質問されていき、それらにどう答えたかにより、そのユーザーにお勧めの回答をするというサービス“Hunch”が公開されています。多数のユーザーが質問を追加していくことで結論の精度を上げていくというシステムになっているとのことです。

hunch(英語版)
http://www.hunch.com/

“質問に質問で答える”意思決定エンジン「Hunch」公開 -- IT Media News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/16/news015.html

6月 15日

米国コロラド州のレンジビュー図書館、デューイ十進分類法の使用を中止

米国コロラド州アダムス郡レンジビュー地区の図書館が、デューイ十進分類法の使用をやめ、書店等で用いられている「WordThink」という分類方法に切り替えると報じられています。まずは2つの分館で開始し、2009年内には、85,000冊所蔵の分館を含む6つの分館(と移動図書館)の全てで新方式になるとのことです。

Rangeview Library District, CO, First System To Fully Drop Dewey -- Library Journal, 6/5/2009
http://www.libraryjournal.com/article/CA6663145.html

参考:
E677 - デューイ十進分類法を採用しない図書館,議論の的に
http://www.current.ndl.go.jp/e677

会津若松市、OpenOffice.orgのCD-ROMを無料配布へ

会津若松市が、2009年7月から、オープンソースのオフィスソフト“OpenOffice.org”のCD-ROMを市民に配布すると報じられています。同市は市役所内の標準オフィスソフトとしてOpenOffice.orgを採用しており、市の標準文書ファイル形式をODFとすることで、市民が市の情報を閲覧する際に有償ソフトを必要としないようにすることも目的としているとのことです。

会津若松市がOpenOffice.orgのCD-ROM作成,広告を募集し市民に無償配布へ -- ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090610/331613/

同じ作品を、ペーパーバック、オーディオブック、Kindle、iPhoneの4通りで読んで分かったこと

“Chronicle Review.com”に、ディケンズの『リトル・ドリット』という作品を、ペーパーバック、オーディオブック、Kindle、iPhoneという4通りの方法で読んだ体験記が掲載されています。
この記事の作者は、ペーパーバックは長持ちで、読書を通じて昔の思い出を追体験することもでき、これに代わるものが現れるの?と思うほどだった、オーディオブックは、ナレータの読むペースに読者がコントロールされるという特徴がある、iPhoneとKindleについては、比較して、iPhoneは、いつでも携帯している点、機能的にKindleと遜色ないことなどから、iPhoneは「Kindleキラー」であると、それぞれ評しています。

Reading Dickens Four Ways
- Chronicle Review 2009/6/12付けの記事
http://chronicle.com/free/v55/i39/39b01601.htm

映像・文書を「1000年」保存できる技術の基礎実験に成功

慶應義塾大学の黒田教授とシャープなどが、映像や文書などを超長期にわたり保存する方法の基礎実験に成功したと報じられています。半導体チップに記録し無線技術で読み出す方式で、10年以内の実用化を目指すということです。

映像や文書「1000年保存できる」方法 慶大やシャープなど -- NIKKEI NET
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090615AT2G1400215062009.html

『アンネの日記』、「隠れ家」で常設展示へ

『アンネの日記』で知られるアンネ・フランクの生誕80周年を記念し、『アンネの日記』とその他の彼女の著作物の実物が、オランダ・アムステルダムにあるアンネたちの「隠れ家」で常設展示されることになりました。隠れ家は現在、“Anne Frank House”という博物館となっています。アンネの著作物はこれまで、戦争の記録として別の場所で保存されており、特別展示の時を除いて、隠れ家に戻ることはありませんでした。今後は永久にAnne Frank Houseで維持されていくことになるそうです。

Anne Frank Houseのプレスリリース
http://www.annefrank.org/content.asp?pid=33&lid=2

2009年ALA年次大会でもブックトラックを使った創作ダンスコンテスト開催

米国図書館協会(ALA)は、2009年年次大会(7月9日から15日までシカゴで開催)でも“Book Cart Drill Championship”を開催することを発表しています。Book Cart Drill Championshipは、図書館員たちがブックトラックを使った創作ダンスの腕前を競うコンテストです。

また、同じ大会の会期中に、図書館のアウトリーチサービスについて広報するイベント“Bookmobile Sunday”も開催され、10数台のブックモービルによるパレードなどが行われます。

Librarian Book Cart Drill Championships to be held
http://www.ala.org/ala/newspresscenter/news/pressreleases2009/june2009/bookcartdrillteam_pio.cfm?persistent=0&expy_dt=

“Bookmobile Sunday” featuring parade of bookmobiles rolls into Chicago

フランス国立図書館、WorldCatにデータ提供する旨の合意書に署名

OCLCが2009年6月12日、フランス国立図書館がOCLCの総合目録“WorldCat”にデータ提供を行う旨の合意書に署名したと報じています。およそ1,320万件の書誌レコードが登録される見込みとのことです。

The Bibliothèque nationale de France to add records to WorldCat; OCLC and National Library of France sign agreement in Paris
http://www.oclc.org/news/releases/200936.htm

参考:
フランス国立図書館、WorldCatに書誌レコードを提供
http://current.ndl.go.jp/node/9150
(2008年10月22日時点では「意向書」への署名となっています。)

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