北米研究図書館協会(ARL)はこのほど、「連邦政府刊行物寄託図書館制度(Federal Depository Library Program:FDLP)の戦略的方向性(Strategic Directions for the Federal Depository Library Program)」と題した白書を発表しました。堅固で効率的なプログラムを将来に渡って提供していけるよう、FDLPの再定義化を求める内容となっています。
米国図書館協会(ALA)、米国出版社協会(AAP)、米国書籍販売協会(ABA)、PENクラブ米国センターの4団体が2004年に結成した同盟「読者のプライバシーのためのキャンペーン(Campaign for Reader Privacy)」が2009年4月7日、愛国者法(USA PATRIOT Act)によって「剥ぎ取られた」読者のプライバシーを保護するセーフガードを回復させるべく、同法第215条の対象から書店の販売記録・図書館の利用記録を外すよう求めるアピールを発表しました。
Restoring Safeguards for Reader Privacy Eliminated by the USAPatriot Act:
An Appeal to Congress by the Campaign for Reader Privacy; April 7, 2009 http://www.readerprivacy.org/news.jsp?id=33
米国図書館協会(ALA)が、2009年時点の米国図書館界の現状報告書“The State of America's Libraries Report 2009”を刊行しました。全体の概況は、「経済の下落に伴い図書館利用は劇的に増加、しかし運営資金も減少」とまとめられています。取り上げられているトピックは、公共図書館、学校図書館、大学図書館、図書館に関する技術、著作権・ライセンシング、ソーシャルネットワーキング、図書館の建築・改築、アウトリーチサービスや多様性(diversity)の実現に向けた活動、連邦議会や行政・司法機関の動向、アドヴォカシーと法制、知的自由に関する問題の11件です。
米国図書館協会(ALA)傘下の米国学校図書館員協会(AASL)は毎年4月を「学校図書館メディア月間(School Library Media Month)」と位置づけて、学校図書館メディアセンターの意義を広くアピールしています。2009年は“Worlds Connect @ your library”がキャッチフレーズとなっています。ウェブサイトでは、スポークスパーソンを務める人気作家ジェイムズ・パタースン(James Patterson)氏のメッセージのほか、各種アドヴォカシー・ツールキットなどが公開されています。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の中世・ルネサンス研究センターが、デジタル化されウェブ上で公開されている中世写本(medieval manuscripts)の総合目録を公開しています。2009年4月現在、世界各国の77図書館・機関の2,345点が収録されています。日本からは、専修大学図書館の蔵書2点(Guillaume de Lorris and Jean de Meun著“Roman de la Rose”)が含まれています。所蔵館、所蔵記号(Shelfmark)、著者、タイトル、言語からのブラウジングも可能になっています。
全米科学アカデミー(NAS)、全米技術アカデミー(NAE)など、“National Academies”と総称される4つの全米学術団体が、Google社と協同で刊行物のデジタル化を行い、このほどレポートや機関誌など9,000冊以上をGoogle Book Searchで公開したと発表しています。また今後2011年までに、さらに11,000冊をデジタル化する予定とされています。
ドイツの学術出版社Walter de Gruyter社が、新しいオープンアクセス出版モデル“de Gruyter Open Library”を発表しました。基本的には、1記事(書籍の場合は1章)あたり1,750ユーロでその記事をオープンアクセス化するというオープンアクセス・オプションなのですが、このオプションによって得られる収入が採算ラインの20%以上に相当した場合には、その比率分(=オープンアクセス・オプションでまかなわれた分)、雑誌・書籍の購読料を値下げするという仕組みが採用されています。
図書館・情報提供技術のあらゆる側面を対象とした北米最大規模の会議・展示会“Computers in Libraries”の第24回・2009年版が、3月30日~4月1日にかけて行われました。その最終プログラム、基調講演、プレゼンテーション資料等が公開されています。情報探索、ウェブデザイン、コレクションやコミュニティの連携、電子図書館、オープン化、Web/Library 2.0、バーチャルレファレンス、次世代目録、モバイル向けインターフェース、ゲーム、CMS、eラーニングなど、さまざまなトピックが扱われたようです。