アーカイブ - 2009年 3月 20日

CA1687 - 研究文献レビュー:日本における図書館情報学分野の計量的研究の動向-計量書誌学研究を中心に- / 芳鐘冬樹

はじめに  本稿では、計量的手法を用いた図書館情報学分野の研究について、計量書誌学研究を中心に、日本における近年の研究動向を紹介する。 図書館情報学分野においても、他の社会科学分野と同様、計量的手法を用いた研究は多数存在する。論文や図書の出版点数・引用数の状況といった文献の生産・流通・蓄積・利用に関わる統計分析、つまり計量書誌学研究だけでなく、質問紙調査に基づく図書館サービスやスタッフの様態の統計分析など、様々な研究が行われている。本稿では、図書館情報学分野の計量的研究の概況について簡単に触れた後、計量書誌学の研究文献を中心にレビューする。…

CA1686 - 動向レビュー:RDA全体草案とその前後 / 古川肇

1. 経過 『英米目録規則第2版』(以下AACR2)に代わるRDA: Resource Description and Accessの全体草案かつ最終草案が、漸く2008年11月に公開された(1)。目次だけで113ページ(PDF形式)に及ぶ膨大なものである。 AACR2見直しの出発点としては、1997年に開催された「AACRの原則と将来の展開に関する国際会議」が重要である(CA1480参照)。だが、改訂の主体である英米目録規則改訂合同運営委員会(その後改称。以下JSC)が作業の発進を告げた正式の表明は、2003年9月の“New Edition Planned”であった(E134参照)。…

CA1685 - 動向レビュー:総合的図書館ポータルへの足跡―オーストラリア国立図書館の目録政策とシステム構築 / 那須雅熙

はじめに 情報環境が激変するなかで、どの図書館もその変化に的確に対応し、書誌コントロールの見直しを図らないと、十全な図書館サービスが遂行できない局面におかれている。OPACや総合目録を通じて書誌情報を利用者に提供するだけではもはや不十分であり、文化的、学術的活動の所産としてのネットワーク情報資源も含む多様なメディアを総合的に提供するサービス(総合的ポータルの構築)が求められている。…

CA1684 - オープンアクセス・オプションとその被引用に対する効果 / 時実象一

1. はじめに オープンアクセスの目的は、科学者や一般市民が学術成果に無料で自由にアクセスできるようにすることである。そのための手段として(1) オープンアクセス雑誌、(2) 機関リポジトリの2 つが大きく取り上げられてきた。これらは現在もオープンアクセスのための主要な手段であることは事実であるが、最近はその変化形態としての(3) オープンアクセス・オプション、(4) 研究助成機関リポジトリが大きく注目されてきている。本記事はオープンアクセス・オプションを中心に最近の動向について解説するとともに、オープンアクセス・オプションの効果に関する最近の研究にも触れる。…

CA1683 - 光/磁気ディスク、フラッシュメモリの劣化と寿命 / 大島茂樹

はじめに 今や世界中で膨大なデジタル情報が日々生産されているが、それらを保存し後世に伝えていくには、まだ数多くの不安要素が解決されず残っている。 その中には、記録メディアの寿命の問題がある。紙の本は1,000年の時を超えて保存に耐えてきた実績があるが、デジタル情報の記録メディアは歴史が浅く、その寿命について確かなところがわかっていない。 本稿では、現在の主な記録メディアである光ディスク、ハードディスク及びフラッシュメモリについて、構造や原理を概観した上、その劣化と寿命についてこれまでに行われてきた研究等の成果を紹介する。…

CA1682 - インドの電子図書館と機関リポジトリ / 水流添真紀

近年、情報技術産業の発展が著しいインドではあるが、電子図書館や機関リポジトリ等はどの程度開発されているのだろうか。インドの電子図書館事情について紹介したい。 概要  インドにおける電子図書館の開発は1990年代後半に始まったとされる(1)。しかし、様々な機関で電子図書館が公開されるようになったのは、21世紀に入ってからである。…

CA1681 - 電子情報長期保存のための評価ツールDRAMBORA-NDLにおける試験評価の試みから / 奥田倫子, 伊沢恵子

1. はじめに 国立国会図書館(NDL)は、2008年12月2日から4日にかけての3日間、英国グラスゴー大学人文科学高等技術情報研究所(Humanities Advanced Technology and Information Institute)の保存調査員イノセンティ(Perla Innocenti)氏の訪問を受け、同研究所が英国のデジタルキュレーションセンター(DCC)、デジタル保存に関する国家プロジェクトの欧州規模での連携・協力イニシアチブ“Digital Preservation Europe(DPE)”に参加して開発を行っているデジタルリポジトリ事業の監査ツール、「リスク評価に基づくデジタルリポジトリ監査法(DRAMBORA:Digital Repository Audit Method Based on Risk Assessment)」を用いて、NDLの電子図書館サービスの試験評価を行った(「デジタルリポジトリ」の定義については後述)。…