アーカイブ - 2009年 11月 11日

書架を取り去り、すべてデジタルに移行した学校図書館が注目を集める(米国)

米国マサチューセッツ州の私立寮制高校、Cushing Academyが、図書館から書架を取り去り、すべて電子書籍やデータベースに移行させるリニューアルを行い、注目を集めています。かつて同館には2万冊の蔵書がありましたが、リニューアルに伴い数多くの電子書籍を、PCや、68台の貸し出し用Kindleで提供するようになったとのことです。かつて貸出カウンターがあったところにはカフェができ、書架があったところには居心地の良い椅子やテレビが置かれました。生徒の受けとめ方はさまざまなようで、このニュースを紹介したラジオ局のインタビューに対し、米国図書館協会(ALA)のCamila Alire会長は「図書館がデジタル化の波に乗ることは重要だが、紙の書籍のページをめくることで学ぶ生徒もいるはずで、Cushing Academyはやり過ぎなのでは?」と疑問を呈しています。

Digital School Library Leaves Book Stacks Behind : NPR
http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=120097876

November 10, 2009付けLISNewsの記事

2008年の米国の公共図書館におけるインターネットサービス状況の分析-経済危機の影響はいかに?

全米の公共図書館における、コンピュータやインターネットへのアクセス状況を調査した報告書“Libraries Connect Communities”の2008-2009年版をもとに、過去の調査と比較して、2008年の状況を分析した論稿が、First Monday誌14巻11号に掲載されています。

・図書館の開館時間が平均して減っており、特に貧困地区や郊外の図書館は大きく減っている。
・端末台数はおおむね2002年と同じだが、利用要求は増え続けている。
・利用者の要求に見合う台数のワークステーションがあると答えた図書館はわずか18.9%。
・利用者の要求に見合うインターネット接続スピードが常に出ていると答えた図書館は39.9%。ただし郊外の図書館は28.6%、貧困地区の図書館は25.1%とさらに悪い数値が出ている。
・94.1%の図書館が1人当たりの端末利用時間を定めており、その多くが1時間未満である。

といったデータをもとに、求職等のため図書館の端末を利用しに訪れる利用者が記録的な数になっているにも関わらず、十分なサービスが提供できていないことなどを指摘しています。

セントジョンズ郡図書館、延滞の罰金を使って食品を収集

米国フロリダ州セントジョンズ郡図書館では、2009年11月16日から約1か月間、延滞の罰金で食品を収集する企画“Food for Fines”を行うと発表しています。利用者が持参する腐敗しないよう密閉された缶詰などの食品1品と、図書館が得た罰金のうちの1ドルとを交換して収集するようです。集められた食品はセントジョンズ郡のフードバンクに送られ、必要な人々に供与される予定です。初めての試みとなった2008年には8,000品が集まったとのことです。

FOOD FOR FINES - November 16 - December 18
http://www.sjcpls.org/content/food-fines-november-16-december-18

イラン国立図書館とジンバブエ国立公文書館が提携

イラン国立図書館とジンバブエ国立公文書館が文化的連携を強化することで合意したと報じられています。両館が署名した覚書には、図書や雑誌、その他の情報資源を交換し、コレクションの拡大と資料の保存を図って業績を共有する旨が記されているとのことです。

National libraries of Iran and Zimbabwe sign MOU(Tehran Times 2009/11/8付けの記事)
http://www.tehrantimes.com/index_View.asp?code=207467

“Kindle for PC”ベータ版がリリース

米国のAmazon.com社が2009年11月、同社が提供する電子書籍をパソコン上で読むための無料ソフト“Kindle for PC”のベータ版をリリースしました。現在はWindows PC用ですが、今後、Macintosh用もリリースされるとのことです。

Kindle for PC
http://www.amazon.com/gp/feature.html/ref=kcp_pc_mkt_lnd?docId=1000426311

Amazon、「Kindle for PC」提供開始 - ITmedia エンタープライズ
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0911/11/news022.html

コロラド州オーロラ市、4つの図書館の閉館が住民投票で決定

米国コロラド州オーロラ市では、2009年11月3日に行われた住民投票により、図書館への資金供給のための増税案が反対多数で否決され、市内4つの図書館が2010年に閉館になるとのことです。

Voters reject library funding plan(Aurora Sentinel 2009/11/4付けの記事)
http://www.aurorasentinel.com/articles/2009/11/04/news/doc4af11c4ba8928454029897.txt

Voters Decided To Close 4 Libraries(DenverChannel.com 2009/11/4付けの記事)
http://www.thedenverchannel.com/news/21520262/detail.html

Aurora Public Library General Improvement District Ballot Issue 4A Election Results(The Denver Post)

UNDPブルガリア、455の図書館へのコンピューター設置を発表

国連開発計画(UNDP)ブルガリアが、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の助成を受けて行っているブルガリアの図書館にコンピュータを普及させるプログラム“Glob@l Libraries”の第1段階として、455の公共図書館にコンピューターを設置すると発表しています。今後は、利用者用の情報通信機器を合計で900の図書館に設置し、図書館職員の研修を行っていくとのことで、2010年2月からプログラムの第2段階が始められる予定です。

Computers will be installed in 450 Bulgarian libraries(The Sofia Echo 2009/11/4付けの記事)
http://www.sofiaecho.com/2009/11/04/810194_computers-will-be-installed-in-450-bulgarian-libraries

IFLA「特別なニーズをもつ人々への図書館サービス分科会」の活動史

病院の入院患者や、(視覚障害者等の、本を読むことが困難な人々を除く)障害者等へのサービスを主題とする国際図書館連盟(IFLA)の「特別なニーズをもつ人々への図書館サービス分科会」(Library Services to People with Special Needs Section)のこれまでの活動史を振り返る記事が、IFLA Journal誌35巻3号に掲載されています。同分科会は1931年に病院図書館小委員会として設置されて以後、対象とする利用者、サービスの内容等を広げ、それに伴って改称もしてきました。その経緯が、年代ごとに記されています。

Nancy Panella. The Library Services to People with Special Needs Section of IFLA: an historical overview. IFLA Journal. 2009, 35(3), p. 258-271.
http://www.ifla.org/files/hq/publications/ifla-journal/ifla-journal-35-3_2009.pdf

参考:
障がい者に対する図書館サービス 1.障がい者に対する図書館サービスの定義 孫誌衒