アーカイブ - 2008年 9月 22日

『カレントアウェアネス』297号発行

CA1673 - 研究文献レビュー:図書館史 / 三浦太郎

日本における近年の図書館史研究には顕著な特色が3つあると考えられる。それは、(1) 図書館史研究の方法論的な問い直し、(2) 日本の戦後図書館史の位置づけ、そして、(3) 人物への注目である。1990年代以降、図書館政策の転換や法制度の改変、利用者構造の変化など、図書館が急激な転換を求められるようになる中で、その存立基盤が歴史的に捉え返されている。…

CA1672 - マンガ同人誌の保存と利活用に向けて -コミックマーケットの事例から- / 里見直紀,安田かほる,筆谷芳行,市川孝一

1. はじめに 一般的に「同人誌」とは「主義・志などを同じくする人たちが、自分たちの作品の発表の場として共同で編集発行する雑誌」(『大辞林』 第2版より)のように定義される。 本稿ではこのうち、同人誌即売会や専門書店等で限定的な形で自費出版として頒布される、マンガ・アニメ・ゲーム等を題材としたいわゆる「マンガ同人誌」の保存と利活用の現状、課題について、筆者が運営に携わっている同人誌即売会「コミックマーケット」(以後、コミケットと呼ぶ)の事例を中心に紹介する。…

CrossRef、1つのDOIに複数URLを登録できるサービスを本格稼動

学術情報のリンキングサービスを提供しているCrossRefが、1つのDOIに対して複数のURLを登録することができるmultiple resolution service (MR)を本格稼動させたと発表しています。

これにより、複数のプラットフォームで提供されている同一論文について、リンク解決が可能となります。また、論文の引用文献からたとえばその論文のPDF版やHTML版、抄録ページ、関連ページのURLなどへナビゲーションすることも可能となります。

CROSSREF ANNOUNCES IMPROVED MULTIPLE RESOLUTION SERVICE
http://crossref.org/01company/pr/news080408.html

参考:
CrossRef、DOI登録数が3000万件を突破

CA1671 - 「探究」を促進する学校図書館 / 足立正治

問われる受験型学力観 Benesse教育研究開発センターが実施している学習基本調査によると、1990年の第1回調査以来2006年の第4回調査まで、高校生の家庭での学習時間は減少の一途をたどり、達成意欲や「受験プレッシャー」の低下などもともなって全体的に「脱受験競争時代」の学習傾向が顕著になっているという(1)。その一方で、小中学生もふくめてトップクラスの生徒には、学習習慣が局所的に存在していることから、同センターは、競争する者と競争しない者との分化が進んでいると分析している。…

CA1670 - 中国における図書館法制定に向けての取り組みと研究動向 / 金晓明

図書館事業の健全な発展には、法律による強力な保障が必要である。法律に基づいて図書館を管理し法治化の道を進めることは、中国だけではなく世界各国においてかねてからの共通認識である。中国の図書館関係者は、長年にわたり図書館法の制定と関連法を含めた法体系の構築に向けて積極的な取り組みを進め、詳細な研究を行い、多くの論文を発表して、図書館法の制定に関する議論を交わし、図書館の法制化の推進に重要な役割を果たしてきた。…

CA1669 - Library of the Year -良い図書館を良いと言う- / 田村俊作

2006年、NPO法人知的資源イニシアティブ(IRI)は「Library of the Year」(以下「LoY」という。)という事業を始めた。毎年開催される図書館総合展のフォーラムの一つとして行われているこの企画は、幸い好評を得て、第3回にあたる2008年度は、総合展初日の11月26日(水)午後3時~5時に最終選考が予定されている。また、その前後に関連企画もある。…

環境に優しい図書館蔵書除籍法(米国)

環境保護、資源の再利用等のトレンドに沿い、図書館で除籍された資料を有効活用するための取り組みが、米国の図書館界で広まっています。これについてLibrary Journal誌が紹介記事を掲載しています。

11月15日は「図書館でゲームをする日」(米国)

米国図書館協会(ALA)が、2008年11月15日を「図書館でゲームをする日(National Gaming Day @ your library)」と定めました。全国の図書館で同時オンラインゲーム大会を催すほか、ボードゲーム出版社が全国の図書館に寄贈してくれるボードゲームを使い、各図書館内での大会を催すよう促すとのことです。ウェブサイトには、ALAがなぜ、図書館でゲームをすることを推進しているかを、以下のような疑問に答えるという形で説明しています。

1. 図書館は本と読書の場所ではないのですか?
2. テレビゲームは一時の流行ではないのですか?
3. なぜ子どもは図書館でゲームをすべきなのですか?
4. ライブラリアンはどのように、子どもにふさわしいテレビゲームを選んでいるのですか?
5. 図書館でゲームをすることで、子どもは何を学ぶのですか?

NIHパブリックアクセス方針を支持する動きも活発化-今議会中も油断は禁物

米国国立衛生研究所(NIH)のパブリックアクセス方針を覆すとともに、同様の方針を連邦政府機関が定めることを違法とする内容を含む法案“Fair Copyright in Research Works Act”(H.R.6845)に対し、NIHパブリックアクセス方針を支持すると共にこの法案に反対する動きも広がっています。Library Journal誌によれば、47名の著作権専門家・法学者、33名のノーベル賞受賞者が議会等に反対の書簡を送っているようです。また公聴会の場において前米国著作権局長がNIHパブリックアクセス方針に対する数多くの疑義を表明したのに対し、現米国著作権局長や著作権局が沈黙を守っていることについて、図書館コミュニティの間では「出版社側の動きを支持する動きを取っておらず、この法案を不必要なものと見なしている」と解釈されていると報じています。

広報などに写真を利用するとき、図書館員が気をつけておくべきこと

近年、図書館で開催されたイベントの写真を図書館のウェブサイトで紹介したり、写真共有サイトにアップロードしたりする図書館が増えていると思われますが、写真を使用したりアップロードしたりする際に、図書館員が気をつけておくべきことについて、Information Today誌が発行するニューズレター “Marketing Library Services”の記事がまとめています。
それによると、個人が特定できる写真を無断で使用した場合は、訴訟を起こされてしまう可能性があるため、(1)どのような目的で写真を使用するのか、(2)個人が特定できる写真かどうか、に基づき、必要な場合は、写真の使用について権利者に許諾をとる必要があるとしています。また、許諾書盛り込むべき事項、許諾書の保存期間などについても言及しています。
なおこの留意点は、米国のケースを基に作成されたものです。

60年前の、「本ができるまで」

“boingboing”というウェブサイトに、作家が原稿を書いてから、本が出来上がるまでの様子を撮影した1947年のフィルム映像がアップロードされています。著者から受け取った原稿から版下を作成し、印刷し、製本し、という工程に多くの人が関わり、本が出来上がっていく様子がよく分かります。

"Making Books" video from 1947
- boingboing 2008/9/18付けの記事
http://www.boingboing.net/2008/09/18/making-books-video-f.html

"Making Books" video from 1947
- LISNews 2008/9/21付けの記事
http://lisnews.org/making_books_video_1947

think Cが「保護期間延長問題と創作・流通支援策に関するthink C-PT 提言案」を発表

著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム(think C)が、「保護期間延長問題と創作・流通支援策に関するthink C-PT 提言案」を発表しています。

提言は、(1)著作権保護期間の延長は、現時点ではなされるべきでない、(2)日本版「フェアユース」規定の導入、(3)非営利分野での「PCS(公的補償システム)」の導入と権利情報データベースの相互接続の促進、(4)著作権のみに依存しない創作支援制度の創設・強化、を柱としています。

「保護期間延長問題と創作・流通支援策に関するthink C-PT 提言案」パブリック・コメント募集のお知らせ
http://thinkcopyright.org/public_comment.html

ThinkC、著作権保護期間に関する提言案公開、意見を募集 - ITmedia News

「デジタル・コンテンツ利用促進協議会」が発足(日本)

デジタル・コンテンツの流通、ネットビジネスを促進させるために、どのような著作権制度が必要かを議論する、民間の協議会「デジタル・コンテンツ利用促進協議会」が発足しています。

「デジタル・コンテンツ利用促進協議会」が発足 - Internet Watch
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/09/09/20807.html

「日本は遅れをとっている」 - デジタル・コンテンツ利用促進協議会が発足 - マイコミジャーナル
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/09/10/038/

中山信弘氏・角川歴彦氏ら、著作権の法体系考える協議会を設立 - 日経パソコン
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20080910/1007848/

長岡市立中央図書館、中越地震等の「災害アーカイブス」を公開

長岡市立中央図書館文書資料室が、7・13水害や中越大震災、中越沖地震の被害・救援・復旧・復興に関わる様々な記録を歴史資料として保存するため、収集・整理を進め、「災害アーカイブス」として公開しています。

避難所となった図書館に貼られたメモ類や学校資料、新聞資料などを公開しています。

長岡市立中央図書館文書資料室 災害アーカイブス
http://www.lib.city.nagaoka.niigata.jp/monjo/s-archives/index.html

中越地震避難所メモ、奇跡的に保存 貴重な資料に - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/region/chubu/niigata/080906/ngt0809060301002-n1.htm

図書館で災害アーカイブスを公開 新潟・長岡 - MSN産経ニュース

米国教育省と学生が作る大学進学情報サイト“college.gov”

米国教育省が学生と協同して作る、大学進学に関する情報サイト“college.gov”が2008年9月に開設されました。「なぜ大学に行くのか?」「大学に行くために何をすればよいのか?」「学費をどのようにまかなえばよいのか?(=奨学金等の案内)」の3つのセクションからなり、大学に進学したい高校生等が、順を追って大学についての理解を深めることができるようになっています。大学生からのメッセージ(文章、動画)もコンテンツに含まれているほか、保護者向け、教員向けのページも作られています。

college.gov
http://www.college.gov/

COUNTER実務指針第3版が正式リリース

COUNTER(Counting Online Usage of NeTworked Electronic Resources)が、電子ジャーナル及びデータベースの利用データの記録と交換を管理するための実務指針(Code of Practice for Journals and Databases)の第3版の正式版がリリースされました。ドラフト版で示されていたように、SUSHI(Standardized Usage Statistics Harvesting Initiative)プロトコルが実務指針の中に組み込まれています。COUNTER準拠を謳うベンダーは、2009年8月31日までに、この第3版に準拠しなければならないとのことです。

なお、並行してSUSHIスキーマの改訂も行われており、こちらは2008年9月末までにリリースされるとされています。