アーカイブ - 2008年 12月 9日

無料ホスティングサービスによってホームページを提供していた公共図書館が落ちた「落とし穴」

アイルランドのダブリン市公共図書館は、2007年に無料のソーシャル・パーソナライズド・ホームページサービス“Pageflakes”を利用して、Web 2.0サービスをあちこちに埋め込んだ図書館ウェブサイトを構築しました。これはよく、Library 2.0の事例として紹介されているのですが、2008年11月、同館は館内のPCからホームページを利用できなくなるという「落とし穴」に落ちてしまいました。この顛末について、ALA Techsourceが同館担当者へのインタビュー記事を掲載しています。

JLA、「公立図書館の指定管理者制度について」を公表

日本図書館協会(JLA)が2008年12月付けの文書「公立図書館の指定管理者制度について」を公表しています。

公立図書館の指定管理者制度について - 社団法人日本図書館協会
http://www.jla.or.jp/kenkai/200812.pdf

デジタル化した古典籍資料のテキストの誤りをなくすために-中国で「古籍電子定本プロジェクト」始動

古典籍資料のデジタル化が進む中国では、デジタル化の際に生成されるテキストデータの誤りが多く、索引でうまく検索できない、正確に引用できない、等が問題だと認識されてきました。これに対応すべく、首都師範大学電子文献研究所と北京国学時代文化伝播株式有限会社とが「古籍電子定本プロジェクト」を立ち上げ、3年がかりで専用のテキスト化&HTML化(元の画像とテキストデータとを左右で対照してみることができる)ソフトウェアを開発し、2008年11月、「データの誤りがゼロ」の電子定本として、四書の1つ『大学』と、『六朝文絜』を公開しました。この電子定本は無料で利用できます。携帯電話からも見られるとのことです。

国学网——电子定本
http://dzdb.guoxue.com/

国学网——国学专题——古籍电子定本工程
http://www.guoxue.com/zt/dzdb/

文化庁、全国の博物館・美術館等における収蔵品デジタル・アーカイブ化に関する調査・研究事業を公募

文化庁が、全国の博物館・美術館等における収蔵品デジタル・アーカイブ化に関する調査・研究事業の受託者を公募しています。

文化庁 | 平成20年度全国の博物館・美術館等における収蔵品デジタル・アーカイブ化に関する調査・研究事業に関する公募
http://www.bunka.go.jp/oshirase_koubo_saiyou/2008/20_digital_archives.html

「オープンの動きと図書館」に関する講義の最終課題論文(査読つき)を掲載したOA誌が誕生(米国)

米国のサンノゼ州立大学図書館情報学スクールの講義「オープンの動きと図書館(Open Movement and Libraries)」の最終課題論文(査読つき)を掲載したオープンアクセス誌“Open and Libraries Class Journal”が誕生しました。2008年秋学期の講義のものが第1巻第1号となっています。このオープンアクセス誌プラットフォーム“Open Journal System(OJS)”の導入・設定も、受講した学生が行ったようです。

Open and Libraries Class Journal
http://infosherpas.com/ojs/index.php/openandlibraries

Student Open Access Journal - iLibrarian

Open Libraryから表紙画像・書誌データを取り込むWordPress用プラグイン“OpenBook”

特定の表記法で記載したISBNを元に、Open Content Alliance(OCA)の枠組みでデジタル化された書籍を提供する、Internet Archive運営の“Open Library”から、書籍の表紙画像、書誌情報を取り込むWordPress用プラグイン“OpneBook”が開発されています。最新版の1.7.1では、当該書誌を参照するOpenURL形式の情報をHTMLのSPANタグに埋め込む“COinS(ContextObjects in Spans)”に対応しており、文献管理ツール“Zotero”などのCOinS対応ブラウザプラグインとの連携が可能になっています。

OpenBook Book Data
http://wordpress.org/extend/plugins/openbook-book-data/

ドイツ連邦公文書館、デジタル化した写真10万点をWikipediaから提供

ドイツ連邦公文書館(Bundesarchiv)が2008年12月4日、公民連携(PPP)の試験的プロジェクトの1つとして、デジタル化した写真10万点をWikipediaを通じて公開したことを発表しました。Wikipediaを通じて公開する方がより多くの人に見られ利用されること、また普通の人は、写真を探すときに公文書館のウェブサイトを見ることは思いつかないだろうと考えられることから、この提携を始めたとのことで、最終的には1,100万点の写真をWikipediaから提供する予定とされています。

なお、特定の人物が撮影されている写真と、Wikipediaの当該の記事、さらにドイツ国立図書館(DNB)の名称典拠データとがリンクされています。DNBの典拠データとWikipediaの人物記事とのリンクは、すでに2005年から行われています。

Commons:Bundesarchiv - Wikimedia Commons
http://commons.wikimedia.org/wiki/Commons:Bundesarchiv

写真のギャラリー
http://commons.wikimedia.org/wiki/Commons:Bundesarchiv/Gallery
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NDL『レファレンス』誌に図書館に関連する論文2本が掲載-ブルーシールド、諸外国の児童ポルノ規制

国立国会図書館(NDL)が刊行している立法調査資料『レファレンス』誌の2008年11月号に、図書館に関連した論文2本が掲載されています。

坂本博. 文化の赤十字―ブルーシールドの現状と課題―. レファレンス. 2008, (694), p. 5-24.
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200811_694/069401.pdf

間柴泰治. 諸外国における実在しない児童を描写した漫画等のポルノに対する法規制の例. レファレンス. 2008, (694), p. 47-60.
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200811_694/069403.pdf

ALA-APA、図書館サポートスタッフの認定制度を前倒して2010年から実施

ライブラリアンおよび図書館労働者の相互の専門職利益を促進することを目的として活動している、米国図書館協会(ALA)の関連組織・ALA連携専門職協会(ALA-APA)が、博物館・図書館サービス機構(IMLS)の助成を受けてこれまで準備してきた図書館サポートスタッフ(Library Support Staff)の認定プログラム(LSSCP)を、予定より前倒しして2010年から開始することにしたと報じられています。基準の開発が早くできたことと、サポートスタッフからの関心が多く寄せられていることがその理由とのことで、ALAのレッティグ(Jim Rettig)会長は、この認定プログラムの実施によりALA会員の増加も狙っていると語っています。

Library Support Staff Certification Program

「私の好きなライブラリアン」賞、受賞者発表(米国)

米国のカーネギー社、New York Times社が協同で、図書館利用者のライブラリアンへの認識を高めることを目的として創設した「私の好きなライブラリアン」賞(I Love My Librarian Award)2008年の受賞者が発表されています。

今回の受賞者は、全米からの公募で推薦された、図書館情報学修士号(MLIS)または学校図書館メディアスペシャリスト用に認証された修士号をもっているライブラリアンの中から、選考委員会によって「コミュニティや人々に顕著な影響を与えた」者、という基準で選ばれました。カレッジ・コミュニティカレッジ・大学図書館部門から2名、公共図書館部門から5名、学校図書館部門から3名、合わせて10名の受賞者には賞金5,000ドルが授与されるとともに、ニューヨークで開催される表彰式に招待されることになっています。

英国のインターネット上の違法情報監視団体IWF、Wikipediaの特定記事への英国内からのアクセスを遮断

英国のインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)が出資して作られた、インターネット上の違法情報を監視するホットライン運営団体“Internet Watch Foundation(IWF)”が、各ISPを通じてWikipediaの特定の記事への、英国内からのアクセスを遮断する措置を取りました。これにより、95%の英国のインターネット利用者は、当該の記事へのアクセスができなくなっているとのことです。IWFによると、当該の記事には違法の可能性がある、18歳未満だと推測される児童を性的に虐待していると思われる画像が使用されているが、Wikipediaサイトが英国外で運営されているため、アクセスを遮断することにした、とのことです。これに対し、Wikipediaを運営するWikimedia Foundationは、

・当該の記事または画像を(公式に)違法だとしている国は見当たらないこと
・Amazon等で当該の画像は見られること
・当該の画像を含む商品は英国内で誰でも購入できること
・画像だけでなく記事全体へのアクセスを遮断していること

を理由に、IWFにアクセス遮断措置の撤回を求めています。

IWF statement regarding Wikipedia URL
http://www.iwf.org.uk/media/news.250.htm

米国Library of the Yearのララミー郡公共図書館で子ども向けストップモーション・アニメーションプログラムが人気

米国のLibrary of the Year2008受賞館であるワイオミング州ララミー郡公共図書館で、子どもがストップモーション・アニメーション・ムービーを作成・保存・公開できるプログラムが人気を博しているようです。子ども向け識字センターからの助成に基づき始められたこのプログラムは、図書館にある人形や子どもが家から持ってきた素材等を使って、子どもがお話を作り、他の人々(操作者等)と協同しながら動画を作成するというもので、4~5歳の就学前児童の参加もあるそうです。同館の館長はこのプログラムを、「情報へのアクセス、自己改善、社会交流、文化体験、レジャーのためのコミュニティセンターとなること」という館のミッションに最適なものであり、かつ、最新の技術を利用してもらえるものだ、と評価しています。