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オーストラリア国立図書館の情報探索システム“Trove”とORCIDの連携開始から1年(記事紹介)

2016年5月31日、オーストラリア国立図書館(NLA)が、同館の情報探索システム“Trove”とORCIDの連携開始から1年が経過したことに際し、成果、改善点等をブログで紹介しています。

2015年にORCIDとの連携がはじまった当初は、Troveにおいて識別されていたオーストラリアの研究者は2,000名強であったものの、現在約1万2,000名にまで増加しているとされています。

まず、成果としては、従来、Troveにおける研究者のバイオグラフィーに追記することは難しかったものの、現在は、研究者がNLAに連絡をしてきた場合、ORCIDのプロフィールを作成、充実してもらうよう勧めており、ORCIDのレコードが数日後にTroveに反映されるようになっていること、また、2月にリリースされたTrove7.0の新機能である‘Related To’ のファセットによってORCIDのレコードを大学ごとに絞り込むことができるようになったことが紹介されています。

次に改善点として、人文学分野の研究者の識別(自然科学分野の研究者以外を識別するのが難しい現状にあること)、メルボルン大学のように、成果物のレコードにORCIDを含めることが、オーストラリア国内の他の大学でも始められることを期待していること、などが挙げられています。

米・ITHAKA S+R、教員の情報行動に関する定期調査報告(2015年版)を公開

2016年4月4日、米国のITHAKA S+Rが、米国の高等教育機関の研究者の情報行動の変化についての定期調査の2015年版を公開しました。

2000年に開始した同調査は、3年ごとに実施しており、今回の調査では、

・2012年の調査から反転し、研究者が調査を行なうに当たっての図書館のカタログやウェブサイトの重要性が高まっている
・学部学生が、調査、批評的分析、情報リテラシー能力を習得するのを助ける図書館の役割の重要性への認知度の大幅な増加
・教員は、彼らが所属する大学内外の他の組織からの支援よりも彼ら自身で自分が作成したデータを保存・管理できるツールを好む
・教員が単行書を利用する場合の多くは、電子フォーマットより紙媒体のものを好む

ということが明らかになったとのことです。

また、今回の調査では、初めて、医学部の教員を対象に含めたとのことで、時には、社会科学や物理学の研究者と同様の情報行動をとるが、しばしば、ユニークな方法で情報行動を行なうと指摘されています。

Tracking Trends in Faculty Research, Publishing, and Teaching
The Ithaka S+R US Faculty Survey Findings Released(ITHAKA S+R,2016/4/4)

学術文献を利用者はどのように発見しているのか

学術出版に関するコンサルティングを手掛ける英国のSimon Inger Consulting社が、学術文献を利用者はどのように発見しているのか、その行動の過去10年間の変遷をまとめたレポート”How Readers Discover Content in Scholarly Publications”を2016年3月付けで公開しています。レポートの著者は同社のTracy Gardner氏とSimon Inger氏です。

このレポートは2015年10~12月にかけて、学術文献の読者40,439名を対象に実施した学術論文や電子書籍の探索行動に関する質問紙調査の分析結果等を、2005年、2008年、2012年に実施した同様の調査の結果と比較しつつまとめたものです。調査の結果から、以下の点等が明らかになったとされています。

・文献を探す際に、まず抄録索引データベースを使う者の割合は未だ多いものの、大きく減少してきている。

・発見された学術論文の半数以上は無料で入手できる版になってきている。医学分野においてはPMCの影響が大きい。低所得国においては、ソーシャルメディアが無料の論文の入手手段となっている。

・コンテンツの発見におけるソーシャルメディアの役割が増してきている

J-GLOBALがリニューアル 機関IDの搭載、詳細検索機能の追加等がなされる

2016年3月28日、科学技術振興機構(JST)の科学技術情報探索サービス”J-GLOBAL”がリニューアルされました。

JSTの発表によれば、リニューアルの主な内容は「(1) 化学物質情報を日本化学物質辞書相当に拡充」、「(2) 資料情報をJST資料所蔵目録Web探索システム(OPAC)相当に拡充」、「(3) 著者の所属機関や特許出願機関を識別する機関IDを搭載」、「(4) 詳細検索(目的別検索)機能を追加」の4点です。

「J-GLOBAL」をリニューアル(JST、2016/3/28付け)
http://www.jst.go.jp/pr/info/info1173/index.html

参考:
「JST資料所蔵目録」(JST-OPAC)、J-GLOBALへの移行は3月末
Posted 2016年2月12日
http://current.ndl.go.jp/node/30710

E1759 - NDL,技術文書「OAI-PMHの要点」を公開

 国立国会図書館(NDL)は,統合的な検索サービスである国立国会図書館サーチ(NDLサーチ;CA1762参照)の本格稼働 を2012年1月に開始し,その後,連携先を少しずつ増やしてきた。NDLサーチは,今後もシステム連携を進めることで,日本におけるメタデータ提供の「プラットフォーム」(E1557参照)として,より広く利活用されることを目指している。その目標に向けて,連携先拡張を円滑に進めて行くために,NDLは,「国立国会図書館サーチ連携拡張に係る実施計画」を2015年4月に公開した。これは,NDLサーチが連携対象とする機関・システム,5年間を目途に実現を目指す連携拡張の規模と長期的な目標,効率的な連携拡張の方式,の3点をまとめたものである。

2015年にEuropeanaでよく検索された語のランキング

2015年にEuropeanaでよく検索された語の上位20位が発表されています。

1位は“West riding lunatic”、2位は“Vincent van Gogh”(フィンセント・ファン・ゴッホ)、3位はオランダ語で「陶器」を指す“Aardewerk”、4位は“Paris”、5位はロココを代表する画家“Francois Boucher”(フランソワ・ブーシェ)とのことです。

6位から20位までは、以下の通りです。

6. Mona Lisa
7. Edouard Charton
8. Teller (Plate in German)
9. Spain
10. Plinius Secundus (Plinius the Elder)
11. Picasso
12. Marc Chagal
13. Babel tower
14. Samuel Scheidt
15. Cat
16. Shakespeare
17. Torino
18. Music
19. Benczur Bela
20. Autumn

E1727 - 実験的ディスカバリサービス「NDLラボサーチ」の紹介

 

●はじめに

 国立国会図書館(NDL)次世代システム開発研究室は,当館が所蔵するデジタル化資料のデータや書誌情報などを用いて,東京大学や国立情報学研究所といった大学や研究機関と共同で次世代の図書館サービスの検討に資するための調査研究を行っており,その実験の場としてNDLラボを運営している。本稿ではNDLラボで公開している成果のうち,実験的なディスカバリサービスである「NDLラボサーチ」を紹介する。

 

E1717 - お茶の水女子大学「図書館入試」実施に向けたプレゼミナール

○「新フンボルト入試」とは
 本学では,2017年度入学者を選抜する入試から,従来のAO入試を改革した「新フンボルト入試」を開始する。改革の目的は,潜在的な能力,とりわけ大学入学後の学びや社会に出た後に,その能力を大きく伸ばせる「のびしろ」を持った学生の選抜にあり,定員は現AO入試の2倍の20名となる。1810年のベルリン大学創立の立役者であり,潮木によれば「現場密着型の研究と教育の一体化を提唱」した,ヴィルヘルム・フォン・フンボルトに因んで命名された。一次選考を兼ねる文理共通のプレゼミナールと,二次選考(文系「図書館入試」,理系「実験室入試」)の二段構えで,単に知識の多寡を問うのではなく,「課題を探求・発見」し,「必要な資料やデータを活用」し,「オリジナルな解を導き出す」力を測定する。

E1706 - Elsevier APAC eBooks Forum 2015における発表報告

 2015年7月9日と10日にオーストラリアのブリスベンでElsevier APAC eBooks Forum 2015が開催された(E1600E1605参照)。このフォーラムは,アジア太平洋地域の図書館関係者やElsevier社員が電子書籍サービスについて情報交換を行う機会となっている。第5回目となる今回は“eBooks - Putting Librarians and Researchers ‘In the Know’”という全体テーマを掲げ,約30名の参加者が集い,8本のプレゼンテーションや,資料収集における投資対効果(Return On Investment:ROI)に関するグループディスカッションが行われた。

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