情報アクセス

北米研究図書館協会(ARL)と米・バージニア大学(UVA)図書館、公民権法と著作権法の調和の下でのアクセシブルなテキスト提供方法を検討したホワイトペーパーを公開

2019年7月22日、北米研究図書館協会(ARL)と米・バージニア大学(UVA)図書館はホワイトペーパー“The Law and Accessible Texts: Reconciling Civil Rights and Copyrights”の公開を発表しました。

このホワイトペーパーはアンドリュー・W・メロン財団から助成を受けたプロジェクトの一環として作成されたものです。障害者の公民権保護のために、研究・学習教材へのアクセスを確保することが不可欠であるという背景から、高等教育研究機関が現在の法的枠組みの中でいかに全ての学生に情報への公平なアクセス機会を提供するという使命を果たしているかが分析されています。

特に高等教育研究機関によるアクセシブルなテキスト制作と配布を求める公民権法としばしば公平なアクセス提供の障壁とみなされる著作権法に焦点が当てられており、著作権法の制限と例外を利用して、アクセシブルなテキストを制作・配布して障害者の権利に関する法律を順守し、研究・学習教材への公平なアクセスを提供するという組織の使命を支援する方法に関する議論が展開されています。

米・テキサス州立図書館・公文書館委員会(TSLAC)、図書館を通じた州全体での電子書籍へのアクセス促進を目的とした“E-Read Texas”事業の開始を発表:電子書籍アプリSimplyEや電子書籍市場のモデル構築事業DPLA Exchangeを活用

2019年7月8日、米・テキサス州立図書館・公文書館委員会(Texas State Library and Archives Commission:TSLAC)が、“E-Read Texas”事業の開始を発表しました

“E-Read Texas”は、テキサス州全体で図書館を通じた電子書籍の利用を可能とするための事業で、オープンソースの電子書籍アプリケーションであるSimplyEを用いて、地元の図書館が提供している電子書籍と同事業で提供する電子書籍をあわせて閲覧できる使いやすいプラットフォームを構築することが目的です。まずは、小規模な館から同事業を開始するとしています。

9月には州全体の図書館で利用可能となる予定で、州全体での電子書籍へのアクセス促進を目的にSimplyEを活用する州立図書館としては5館目となります。

電子書籍コンテンツが少ない、もしくは導入していない館を支援するため、TSLACでは電子書籍を購入することも計画しています。また、9月からは、米国デジタル公共図書館(DPLA)による図書館のための電子書籍市場のモデル構築事業“DPLA Exchange”を通じて、大人向けの娯楽用電子書籍を提供することも予定されています。

米国デジタル公共図書館(DPLA)、戦略計画2019-2022を公表

2019年6月23日、米国デジタル公共図書館(DPLA)が、戦略計画2019-2022“Collaborating for Equitable Access to Knowledge for All”を公表しました。

戦略計画は、

・Introduction
・Who We Are
・Approach
・Audience
・Expanding Our Current Work
・Long-Term Success
・Conclusion

で構成されており、歴史・文化・知識を共有するためのアクセスを最大化することで、人々が学び、成長し、多様でより良く機能する社会に貢献できるようにすることを“Our Mission”として掲げ、これまで取り組んできた文化遺産の集約と電子書籍事業をさらに発展させることを述べています。また、全ての事業が持続可能となるように取り組むともされています。

米・公共図書館協会(PLA)、地方でのデジタルリテラシープログラムの拡充やデジタル技術へのアクセス向上を目的とした図書館支援プログラムの開始を発表:Microsoft社が支援

2019年6月7日、米国図書館協会(ALA)の公共図書館協会(PLA)は、Microsoft社の支援を受け、地方のコミュニティでのデジタルリテラシーに関するプログラムの実施やデジタル技術へのアクセスを向上させるための事業“DigitalLead: Rural Libraries Creating New Possibilities”を開始すると発表しました。

地方の図書館の多くは、都会の図書館と比べ、技術的な機器やサービス、デジタルサービスのための専門職員の不足といった課題に直面していることや、地方においてはブロードバンドへの接続率が低いことから、世界的な慈善活動に関する取組を行っているMicrosoft社の社内組織 Microsoft Philanthropiesから40万ドルの寄付を受け、少なくとも50の特定の地方の図書館を対象に、Wi-Fiのホットスポットの貸出事業、デジタルリテラシーに関するプログラムの実施等への支援を行うものです。

事業を通じて実施・作成されたプログラムやツールは、PLAの会員等だけでなく全国の図書館に対して公開されます。

国際図書館連盟(IFLA)、国連SDGsの一部としての情報への有意義なアクセスの進捗状況に係る報告書の2019年版を公表

2019年5月23日、国際図書館連盟(IFLA)が、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の一部としての、情報への有意義なアクセスの進捗状況に係る報告書“Development and Access to Information Report”の2019年版(DA2I 2019 Report)を公表しました。

図書館が社会的・経済的に包摂的な社会を促進したと評価される事例調査を共有するために、米・ワシントン大学のTechnology and Social Change Groupと連携して作成されたものです。

その年の「持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)」で取り上げられた開発目標に焦点を当てており、2019年版では、情報へのアクセスが「4: 質の高い教育をみんなに」「8: 働きがいも経済成長も」「10: 人や国の不平等をなくそう」「13: 気候変動に具体的な対策を」「16: 平和と公正をすべての人に」といった目標の達成を如何に促進するかについて特集しています。

米・Aspen Instituteと米・ヒューストン公共図書館、公平で強靭なコミュニティを構築するために図書館を活用する戦略をまとめた報告書を公開

2019年5月8日、米国の教育・政策研究機関であるAspen Instituteが、米・ヒューストン公共図書館と共同でまとめた、公平で強靭なコミュニティを構築するために図書館を活用する戦略をまとめた報告書“The Grand Opportunity: Creating Community, Equity and Innovation with Houston Public Libraries”を公開しました。

報告書では、同館が地域社会の協力者と連携し、図書館基盤を強化することを含めた、情報サービスの拡大や、ソーシャルメディア・市のメディア基盤の強化方法を示しています。住民間の情報やコミュニケーションのギャップを埋め、弱い立場の住民やラテン系住民・移民のニーズを解決する上での公共図書館の役割の重要性等も指摘されています。

そして、図書館のコミュニティがより効果的に協働するため、同館の信頼のおける情報源としての活用、金融リテラシーの拠点、図書館と社会福祉に関する学校との連携などの6つの提言を行っています。

E2135 - 私達の人生を変える図書館:第3次図書館発展総合計画(韓国)

韓国の大統領所属図書館情報政策委員会は,所管官庁を跨いだ館種横断的な図書館政策の審議・調整・策定等を担う大統領直属組織であり,図書館法第14条で,法に準じた効力を持つ図書館発展総合計画を5年ごとに策定することになっている。その委員会が,2019年1月,第3次図書館発展総合計画(以後「第3次計画」)を発表した。第1次計画(2009年から2013年;E797参照),第2次計画(2014年から2018年)に続く2023年までの計画で,第2次計画の成果と課題,近年の情報・技術・社会環境や図書館へのニーズの変化をふまえ策定された。人間疎外・地方消滅・経済の二極化といった社会の変化に市民が適応できるよう,課題に能動的に対応できる図書館制度を構築することが目的である。本稿では,ビジョン「私達の人生を変える図書館」を掲げ,3つのコアバリュー「人への包容性」「空間の革新性」「情報の民主性」のもと,4つの戦略目標に13の中心的課題((1)から(13)を付与),36の推進課題を配置した第3次計画について戦略目標ごとに見ていきたい。

EIFL、2018年の年次報告書を公開

2019年5月2日、途上国において図書館を通じたデジタル情報へのアクセスを推進しているEIFL(Electronic Information for Libraries)が、2018年の年次報告書を公開しました。

“Director's Report”では、53か国の図書館ネットワークを通じて850万の人々にEIFLによるサービスが届けられたこと、マラケシュ条約締結のため図書館や政府を支援したこと、ザンビアのすべての公共図書館でコンピューターとインターネットへのアクセスを提供するために実施した図書館員への研修が完了したこと、などが述べられています。

EIFL's 2018 Annual Report is now online(EIFL,2019/5/2)
https://www.eifl.net/news/2018-eifl-annual-report

韓国図書館協会(KLA)、人口10万人未満の街の公共図書館約100館での科学者のプロボノによる講演会実施に係る募集を開始

韓国図書館協会(KLA)が、2019年5月15日から、人口10万人未満の街の公共図書館での科学者による講演会実施に係る募集を開始しました。

今年で10回目の実施で、科学文化の恩恵から疎外された地域の青少年等に、自然・生命の驚異や科学に関する夢や希望を与えることを目的としています。

講演は、科学者の社会的責任の喚起、社会的弱者への配慮、公益のために献身するプロボノ(専門知識による社会貢献活動)の雰囲気の造成に寄与しようとする科学者によって行われます。

実施日は10月26日で、全国の人口10万人未満の市・郡・区所在の公共図書館(KLAの団体会員)が応募の対象です。特別市・広域市・特別自治道・特別自治市所在の公共図書館は、情報から疎外されている地域であるとの申請理由の審査を経て選定されます。

選定されるのは100館程度です。

総務省、「ネットワーク中立性に関する研究会中間報告書」を公表

2019年4月10日、総務省が、「ネットワーク中立性に関する研究会」がとりまとめた「ネットワーク中立性に関する研究会中間報告書」を公表しました。

「中間報告書(案)」に対して実施した意見募集に寄せられた意見32件もあわせて公表されています。

ネットワーク中立性に関する研究会における中間報告書(案)に対する意見募集の結果及び中間報告書の公表(総務省,2019/4/10)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000150.html

ネットワーク中立性に関する研究会中間報告書 [PDF:73ページ]
http://www.soumu.go.jp/main_content/000613654.pdf

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