多文化・多言語サービス

米国図書館協会(ALA)、成人の英語学習者向けサービスを行なう図書館を支援する事業「アメリカンドリームリテラシーイニシアチブ」の成果をまとめた報告書を公開

2018年7月31日、米国図書館協会(ALA)が、「アメリカンドリームリテラシーイニシアチブ(American Dream Literacy Initiative )」の10年間の成果をまとめた報告書“American Dream Literacy Initiative”を公開しました。

同イニシアチブは、ALAがダラー・ジェネラル・リテラシー財団(Dollar General Literacy Foundation)と連携し、成人の英語学習者や基礎教育や労働力開発が必要な成人のためのサービスを拡大する公共図書館に助成を行う取組です。

開始以来、188館に対して約150万ドルの助成が実施され、同イニシアチブによる英語学習者は2万5,000人に達しています。

報告書では、調査結果として、英語学習者が公共図書館を利用する第一の理由は雇用のためであること、助成を得た館ではコミュニティーとの連携が改善したことやプログラムを長期間維持することが可能になったことを指摘するとともに、図書館の利用者数や英語学習ソフトウェアの利用増、チューターのトレーニングやイベントの実施、機器やソフトウェアの購入といった成功例を紹介しています。

米国学校図書館員協会(AASL)、検閲やLGBTQ+資料に関する問題に対処する学校図書館員を支援するためのガイドを公開

2018年7月19日、米国図書館協会(ALA)の米国学校図書館員協会(AASL)が、検閲や利用者のプライバシー、特にLGBTQ+の資料への異議申し立ての問題に取り組む学校図書館員を支援するためのリソースガイド“Defending Intellectual Freedom LGBTQ+ Materials in School Libraries”を公開しました。

AASLが策定した基準を枠組みとして利用し、学校図書館員が、自分自身や、コレクション中のLGBTQ+資料を守るための方法をまとめたものとなっています。

また、学校図書館員自身が自身の偏見を探り、コレクションの開発やコレクションを守るための実践を見つけるために参照する際に役立つようになってます。

大阪市立図書館、市民の英語学習・国際理解やICTを活用した読書習慣の育成・浸透を目的に、電子図書貸出サービスを試行実施

大阪市立図書館が、楽天株式会社と電子図書館サービス「Rakuten OverDrive」に関する連携協定を締結し、2018年7月2日から2020年5月31日までの約2年間、電子図書貸出サービスを試行実施すると発表しています。

市民の英語学習や国際理解に資することや、ICTを活用した読書習慣の育成や浸透を図ることを目的に、英語の絵本や児童書を導入し、電子書籍の特徴を活かして、英語に親しむ機会を提供することとしており、サービス開始にあたり、7月22日には、入門講座が大阪市立中央図書館で開催されます。

開始時には、英語の絵本や児童書約400点(うち、読み上げ機能付きコンテンツ約150点)が搭載予定で、今後順次追加し、約2,000点を提供予定としています。

電子図書館サービス「Rakuten OverDrive」の試行実施について(大阪市立図書館,2018/6/25)
http://www.oml.city.osaka.lg.jp/index.php?key=jo6upa8yj-510#_510

米国図書館協会(ALA)、南西部国境地域から保護を求めて入国した大人から子どもを引き離して収容する政策に対して声明を発表

2018年6月19日、米国図書館協会(ALA)会長のニール(Jim Neal)氏が、米国の南西部国境地域から保護を求めて入国した大人(両親・保護者)から引き離して子どもを収容している政府の政策・行為に対して声明を発表しました。

声明では、同行為は不法な政策で道徳的な根拠はないとし、国内の全ての移民にサービスを提供し、子どもの支援を重要な価値と考えている図書館界は、同行為を無効にする立法と行動を支持するとしています。

そして、ALAでは、ラテン系米国人・スペイン語話者に図書館情報サービスを推進する全国協会(REFORMA)とも連携し、「ゼロトレランス」に反対する行動を支援するリソースを公開するとともに、図書館関係者に対し、連邦議会の議員に同政策を中止することを要求するよう求めているほか、全ての図書館が、ALAが提供するリソースにより、同行為に関する議論を促し、保護を求めて入国した人々の支援を行なうことを推奨しています。

神戸市立図書館、小学校での英語教育本格化への対応等を目的に、電子図書貸出サービスを試行実施

神戸市立図書館が、楽天株式会社と電子図書館サービス「Rakuten OverDrive」に関する連携協定を締結し、2018年6月22日から2020年4月末までの約2年間、電子図書貸出サービスを試行実施すると発表しています。

電子図書は、日本語の図書約1,000冊、英語の図書約500冊、青空文庫約1万冊でスタートし、2年間の試験的導入期間中に約1万3,000冊まで増やす予定とのことです。

神戸市立図書館の説明によると、次期学習指導要領により小学校での英語教育が本格化するにあたり、家庭でも英語に親しめるよう、英語の図書には、小学校低学年から楽しめる読み上げ機能のあるものから、中学生のリスニングに対応したものまであるとのことです。

アイルランド国立図書館、多様性・包摂性に関するポリシーを公表

2018年6月12日、アイルランド国立図書館(NLI)が、多様性・包摂性に関するポリシーを公表しました。

NLIの2016年から2021年まで戦略計画に基づいて作成されたアクションプランで、収集方針の見直し、本館改修時における物理的アクセスの改善、プログラム・展示会の多様性確保、広報・宣伝時における包摂性、デジタル資源の収集やデジタル化等に際しての多様性、図書館界の連携の促進、来館者への平等な対応や、職員の採用・昇進における差別防止などがあげられています。

また、同プランに基づき、文化活動団体であるCreative Irelandと共同で、より多様で包摂的なナショナルコレクション構築のためのパイロット事業が実施されます。同事業では、国内において過小評価されていたり、その文化遺産が将来に保存されない恐れのあるグループと連携し、2018年から2019年にかけて新しいコレクションを構築します。

2018年の米国の“Library of the Year”が発表される:サンフランシスコ公共図書館

2018年6月5日、Library Journal(LJ)誌とCengage Learning傘下のGale社は、2018年の米国の“Library of the Year”に、カリフォルニア州のサンフランシスコ公共図書館(SFPL)を選出したと発表しました。

移民向けサービス“All Are Welcome”の開始、人種差別解消のための取組、全ての事業に公正という使命を組み込むことに優れていること、ソーシャルワーカーの配置や社会奉仕チームによるホームレス・貧困層や薬物中毒者への支援活動、サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)内への分館設置、多様性に関する展示の実施、図書館職員の「改善」文化の醸成、バイオディーゼルで走行しソーラーパネルを備えるなどの環境にやさしい移動図書館車、若者向けの図書館空間の構築、住民投票による図書館維持財団の設置といった、SFPLの優れた点が紹介されています。

米・ボストン公共図書館(BPL)、LGBTQ+コミュニティを理解するためのブックリスト“We Are Pride 2018”を公開

米・ボストン公共図書館(BPL)が、6月のLGBTQ+プライド月間にあわせて、LGBTQ+コミュニティを理解するための最新の図書を集めたブックリスト“We Are Pride 2018”を公開しました。

児童向け、若者向け、成人向けのリストなどがあります。

@BPLBoston(Twitter,2018/6/2)
https://twitter.com/BPLBoston/status/1002902680866574336

We Are Pride(BPL)
https://bpl.bibliocms.com/browse_program/we-are-pride/

CA1922 - 動向レビュー:スカンジナビアにおける難民・庇護希望者に対する公共図書館サービス / 和気尚美

 2015年頃から顕在化した欧州難民危機により、北欧(1)に滞在する難民の数は急激に増加している。北欧諸国に難民申請する者の数は2014年には10万3,915人であったが、2015年には23万9,555人になった(2)。2017年3月に欧州連合(EU)が発表した統計によると、2015年および2016年の2年間に難民申請があった件数は、北欧全体で27万7,560件であり、これはEU全体での難民申請件数の約11.3%にあたる(3)

優れた准専門職図書館員を称える、2018年の“Paralibrarian of the Year”が発表される(米国)

2018年3月6日付けの米・Library Journal(LJ)誌(オンライン)が、優れた准専門職図書館員(=図書館情報学修士号(MLIS)を持たない)を表彰する“Paralibrarian of the Year”賞の2018年の受賞者を発表しています。

選ばれたのは、カリフォルニア州モンントレー・カウンティ公共図書館(Monterey County Free Libraries)のオルベラ(Orquidea Olvera)氏です。

英語とスペイン語を話すことができるオルベラ氏が、移動図書館車“Safari Van”で、未就学児の教室・同館の分館や各種イベントを訪問し、特にスペイン語を母語とする未就学児に対して、本の貸出しに加え、読み聞かせ・歌・ゲーム・科学実験・工作などといった、リテラシーや科学に関するプログラムを実施していること等が評価されたものです

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