高齢者サービス

Library Journal誌、2017年の米国最優秀小規模図書館にアイダホ州・バウンダリー郡図書館区を選出

2017年9月15日、米・Library Journal(LJ)誌が、2017年の米国の最優秀小規模図書館“Best Small Library in America”として、アイダホ州のバウンダリー郡図書館区(Boundary County Library District)を選出したと発表しています。

同賞は、同誌が2005年から毎年発表しているもので、人口25,000人以下のコミュニティをサービス対象とする小規模図書館を表彰するもので、記事では、

・衰退する農業・林業の革新、新たなビジネスの創出を目的とした、図書館の地下を改築してファブラボを設置、壁に取り付けたワイドスクリーンモニターを用いたSTEM分野の教育プログラムの開催、地元高校と連携しての若者向けの起業家プログラムの実施

・夏と冬に実施される全年代を対象とした読書プログラムや、4Hクラブ(農務省を母体とする青少年育成事業)や高齢者・要介護者・移民農民・貧困層の子どもを対象としたプログラムの実施

といった同館の活動が紹介されています。

記事では、最終候補者として選ばれた、コロンバス公共図書館(ウィスコンシン州)、ポッツボロ地域図書館(テキサス州)の活動内容も紹介されています。

フランス・ラオン=レタップ公共図書館によるサードエイジの住民の孤立化を防ぐ取組(文献紹介)

2017年8月19日から8月25日までポーランドのヴロツワフで開催された第83回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会でのポスター発表資料として、国立高等情報科学図書館学校(enssib)のアレクサンドラ(ORLANDO, Alexandra)氏によるポスター“Fight against isolation of third aged people : a purpose for the Raon l'Etape public library in a little town in Vosges, France”が公開されています。

フランス東部ヴォージュ県にあるラオン=レタップ(Raon l'Etape)公共図書館による、サードエイジ(リタイア後の健康で活発な時期)の住民の孤立化を防ぐための取組を紹介するものです。

韓国・文化体育観光部、全国700の公共図書館に24,408冊の大活字本を配布

2017年7月21日、韓国・文化体育観光部が、「大活字本普及拡大事業」として、全国700の公共図書館に24,408冊の大活字本を配布すると発表しています。

同事業は2011年から行われているもので、今年は、2014年に運営を開始したビックデータを用いた図書館経営支援システムからの「公共図書館における50代以上の利用者の人気貸出し図書」と大型書店の「2016年販売統計資料」を活用して443タイトルの候補を選び、図書館と出版界の専門家による審査を経て、23タイトル24冊の図書が選定されました。

文化体育観光部の担当者は、高齢者が公共図書館において多様な文化を享受できるよう、今後、大活字本だけでなく、オーディオブックの普及、人文学に関する講座の開講、高齢者福祉施設への図書配送サービスなどを推進する計画であると述べています。

“어르신, 인기 도서를 큰 글씨로 즐겨보세요”(문화체육관광부,2017/7/21)
https://www.mcst.go.kr/web/s_notice/press/pressView.jsp?pSeq=16153

【イベント】「ミュージアムと高齢者の互恵的関係」第1回研究会(7/21・大阪)

2017年7月21日、大阪市立自然史博物館において、超高齢社会の博物館研究会主催のイベント「ミュージアムと高齢者の互恵的関係」第1回研究会が開催されます。

同研究会は平成29年度科学研究費助成事業(基盤研究(B))「ミュージアムと高齢者の互恵的関係に関する研究」の補助を受けて行われるものです。ミュージアムと高齢者の互恵的関係に着目することで、ミュージアムが果たすべき役割、積極的なミュージアム活用策、ミュージアムの持続的な発展のあり方を探っていくとされています。

「ミュージアムと高齢者の互恵的関係」第1回研究会
http://researchmap.jp/jo38wvhlx-1869707/

米・マイアミ・デイド郡公共図書館、古くなった移動図書館車を改修し、移動コンピューターラボ“Technobus”を運行(記事紹介)

2017年6月30日付のMiami Herald紙が、米・マイアミ・デイド郡公共図書館システム(MDPLS)が、古くなった移動図書館車を30万ドルで改修し、5月から移動コンピューターラボ“Technobus”によるサービスを行なっていることを紹介しています。

郡内で最新技術に触れる機会が少ないコミュニティのデジタルリテラシーを涵養することを目的としており、車内には、3Dプリンター、ワークステーション11台、ノートパソコン、Adobe Creative Cloudなどのソフトウェア、Wi-Fi、ドローン等が備え付けられているほか、デジタル写真編集、音楽制作、ビデオ撮影、グラフィックデザイン等の講座も開催されています。また、車いす用の昇降機を設置するなど、米国障害者法(ADA)にも準拠しています

“Technobus”には、図書館員が常駐して1週間に4日運行しており、午前はシニアセンターの外に、午後は図書館や青少年向けの施設の外に停留しています。今夏は、地域の公園や青少年向け施設などに停留するほか、様々な場所に停留して、需要があるコミュニティーを見極める計画とのことです。

CA1897 - 公共図書館における郵送・宅配サービスの動向 / 中山愛理

 公共図書館における郵送・宅配サービスは、決して新しいサービスではなく、日本では障害者に対するサービスの一環として取り組まれてきた(1)。近年、郵送・宅配サービスの対象者を障害者から高齢者、子育て世代、一般市民へと拡大する公共図書館が増えつつある。本稿では、文献やウェブサイトで確認できた郵送・宅配サービスについて、図書館サービスでの位置づけを踏まえつつ、対象者別に、申込み方法、郵送・宅配方法、費用負担、サービス内容等の点から整理し、紹介していく。

No.16 超高齢社会と図書館~生きがいづくりから認知症支援まで~

 本調査研究では、「高齢化社会における図書館サービス」をテーマとして取り上げました。

 日本社会の高齢化の急速な進展に対応して、外部機関と連携して高齢者にサービスを提供したり、地域の高齢者と協働してサービスを提供したりするなど、公共図書館のサービスと地域の高齢者との関係に新しい動向が見られます。このような背景を踏まえ、今回の調査研究では、高齢者との関係が先進的あるいは特徴的な図書館サービスを提供している公共図書館の事例をいくつか取り上げ、調査分析を行いました。

 具体的には、調査対象機関を3機関選定し、現地調査などの事例調査を行いました。また、事例調査対象の3機関のうち2機関について、サービス提供地域に居住する高齢者にインタビュー調査を行いました。報告書では、事例調査の3機関が提供しているサービスの概要や、サービスを実施するに至った経緯などを紹介しています。また、高齢者へのインタビュー調査の結果を踏まえ、高齢者の図書館利用の現状と今後のサービスのあり方について、6つの観点から考察しています。そのほか、日本の図書館サービスにおける高齢者の位置付けの変遷や、超高齢社会における図書館サービスの実態・課題など、超高齢社会と図書館についての論考を掲載しています。