学術出版

独・De Gruyter社、“De Gruyter Open Access Book Library”を開設

2017年3月22日、独・De Gruyter社は、Directory of Open Access Books(DOAB)を支援し、オープンアクセス(OA)の図書の数や重要性の増加への注目を集めさせることを目的に、同社のウェブサイト(https://www.degruyter.com/)内に“De Gruyter Open Access Book Library”を開設したと発表しています。

“De Gruyter Open Access Book Library”には900点の図書が含まれ、その半分は同社の出版物で、残りは連携している出版社のものです。分野別では、40%が歴史・社会科学・哲学、50%が他の人文科学分野、10%が自然科学(STM分野)となっています。

これによりDe Gruyter社は人文科学系のOAの図書の最大の出版社となると述べられています。

米国大学協会(AAU)、北米研究図書館協会(ARL)、米国大学出版協会(AAUP)がオープンアクセス単行書出版イニシアティブを開始

2017年3月16日、米国大学協会(AAU)、北米研究図書館協会(ARL)、米国大学出版協会(AAUP)は、人文科学社会科学の研究者が、電子版の単行書をオープンアクセスで出版するための助成金の共有を促進するために、今春からOpen Access Monograph Publishing Initiativeを開始すると発表しています。

このイニシアティブに参加する大学は、オープンアクセス単行書出版をサポートするため大学の基本的な出版助成金15,000米ドルを提供する、1年に少なくとも3回出版助成する、このイニシアティブに5年間参加することとしています。12の大学が参加を表明しています。

AAUPは、2017年3月16日現在、57の大学出版社が助成金を受け入れる準備が整っているとしています。

カナダ研究図書館協会、同国における持続可能な学術出版のための原則の草案を含む、カナダの学術出版の現状を概観した中間報告書を公開

2017年1月31日、カナダ研究図書館協会(CARL)のCanadian Scholarly Publishing Working Groupが、現在のカナダにおける学術出版の現状を概観し、カナダにおける持続可能な学術出版のための原則(非営利、高品質、カナダ製、柔軟性、最大限の開放性、既存の強みを生かす)の草案を掲載した中間報告書を公開しました。

同ワーキンググループでは、学術出版社、研究図書館、資金提供者、研究者から構成されており、この草案へのフィードバックを得て、カナダの学術出版界全体は勿論、ジャーナル、モノグラフ、その他新しい形式それぞれのためのフレームワークや推奨モデルを提案する最終報告書を作成します。

Canadian Scholarly Publishing Working Group Releases Interim Report(CARL,2017/1/31)
http://www.carl-abrc.ca/news/cspwg-releases-interim-report/

Canadian Scholarly Publishing Working Group Interim Report(Canadian Scholarly Publishing Working Group)

学術書は章レベルでのメタデータ・抄録の提供が求められている:Publishers Communication Groupによる調査

2017年1月18日、Ingenta社の出版コンサルタント部門Publishers Communication Group(PCG)が、ホワイトペーパー“Increasing the Value of Scholarly Books”を公開しています。

出版社、研究者、図書館員、ディスカバリーサービスやアグリゲータ―を対象に行った調査の結果で、出版社に対しては、特に人文・社会科学分野においては、章レベルでのメタデータ・抄録が利用可能となる事が求められており、それらを提供できる出版社には市場競争力を維持できるなどの複数の利点があると指摘されています。

Increasing the Value of Scholarly Books(PCG,2017/1/18)
http://www.ingenta.com/news-article/increasing-value-scholarly-books/

Wiley社、2016年冬以降、論文投稿時にORCID iDを義務化

2016年11月28日、Wiley社は、2016年冬以降、オンライン投稿・査読システムScholarOne Manuscriptsを利用している500を超す同社のジャーナルへの論文の投稿時に、著者によるORCID iDの提示を義務化すると発表しました。

Wiley Becomes First Major Publisher to Require ORCID IDs for Submitting Authors(Wiley,2016/11/28)
http://as.wiley.com/WileyCDA/PressRelease/pressReleaseId-129824.html

参考:
英国王立協会及び7つの出版社が、著作物の出版に際し、著者にORCID iDの利用を要求
Posted 2016年1月8日
http://current.ndl.go.jp/node/30401

英国研究会議、助成申請システムJe-SでORCID idを採用
Posted 2016年5月26日
http://current.ndl.go.jp/node/31671

CA1880 - 動向レビュー:ORCIDのコミュニティ展開ー日本での実装に向けてー / 宮入暢子
カレントアウェアネス No.329 2016年9月20日

オープンアクセスの書籍からの収益は2020年にかけて年30%で成長:Simba Informationによる調査

2016年11月11日、市場調査会社であるSimba Informationが、オープンアクセス(OA)の書籍の市場の2020年にかけての展望をまとめた報告書“Open Access Book Publishing 2016-2020”を発行しました。本文は有料ですが、プレスリリースで内容の一部が紹介されています。

プレスリリースによると、報告書では、2020年にかけて、書籍の収益は年率1%で減少すると見込まれる一方、OAの書籍からの収益は年30%で増加することが想定されるとしています。

また、雑誌論文より手数料がかかるため、特に研究費が限られている人文・社会科学分野において、ゴールドOAの手法は容易ではなく、多くの人がその将来性に疑問を抱いていることや、大学出版局が、この数十年間に渡り、様々な資金調達方法を開発してきたこと、2015年の学術分野の書籍収益やタイトルに占めるOAの書籍の割合はわずかであるが、不振の書籍市場の中での明るい材料であることが指摘されています。

英・Jisc、オープンアクセスモノグラフ出版サービス調査の最終報告書を公開

2016年10月、英・Jiscが、報告書“Investigating OA monograph services: Final report”を公開しています。

このプロジェクトは、オープンアクセス(OA)モノグラフ出版をサポートするために、潜在的な将来のサービスを調査することを目的としました。英国の大学、独立出版社、およびその他利害関係者の代表と、JISC Collections、OAPEN財団によって行われています。OA査読済モノグラフ出版をサポートし、奨励するために潜在的な中央集中型のサービスについて調査されています。

Investigating OA monograph services – Final report(Jisc scholarly communications、2016/10)
https://scholarlycommunications.jiscinvolve.org/wp/2016/10/11/investigating-oa-monograph-services-final-report/

【イベント】シンポジウム「日本における学術出版社と図書館の役割、その未来」(12/12・東京)

2016年12月12日、早稲田大学中央図書館開館25周年を記念して、早稲田大学大隈記念講堂小講堂において、シンポジウム「日本における学術出版社と図書館の役割、その未来」が開催されます。

北米の大学図書館と日本の大学出版局の基調講演をもとに、大学図書館、研究者、学術出版編集者などの視点から、日本の学術出版を取り巻く状況をあらためて見つめなおし、日本における学術出版社と図書館の役割、そしてその未来について語り合うものです。

参加費は無料ですが、定員は150名(先着)です。

シンポジウム「日本における学術出版社と図書館の役割、その未来」(12/12)(早稲田大学図書館)
https://www.waseda.jp/library/news/2016/10/04/2161/

E1838 - 文献管理ツールをめぐる動向:出版社の取り組み<文献紹介>

 

 本文献は,文献管理ツールをめぐる動向について,特に出版社の企業戦略の観点から論じたものである。1990年代後半から2000年代初めの欧米において,主に大学の研究者らが開発に携わってきた文献管理ツールとして,QUOSA,Zotero,Papers,Mendeley,ReadCubeを挙げた上で,Elsevier社によるQUOSA取得(2012年)を端緒に今やその大半が出版社の製品と化していることを指摘し,その背景について考察するとともに各社の動向を概観している。

 

E1816 - Access to Researchの2年(英国)<文献紹介>

 英国研究情報ネットワーク(RIN)の「研究成果へのアクセス拡大に関するワーキンググループ」が2012年6月に公表した「Finchレポート」では,学術出版社が,公共図書館の利用者に,学術文献への無償でのアクセスを提供するよう求めている。それを受け,英国の出版社団体であるPublishers Licensing Society(PLS)が中心となって,公共図書館にオンラインの学術文献150万件を無償で提供する2年間のパイロットプロジェクト“Access to Research”(A2R)を開始したのは2014年1月のことであった(E1534参照)。

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