オープンアクセス

米SHAREプロジェクト、論文情報共有サービスの開発者を決定

2014年6月2日、米国のSHARE(SHared Access Research Ecosystem)プロジェクトが論文情報の共有サービス(Notification Service)の開発者として、ヴァージニア州の非営利団体Center for Open Science(COS)とパートナーシップを結んだことを発表しました。

SHAREは北米研究図書館協会(ARL)等が進める研究成果の共有や公開、保存のためのプロジェクトで、政府助成を受けた研究の成果出版物やデータへのパブリックアクセスを促進させるための計画案策定を求めた米国大統領府科学技術政策局(OSTP)の指令に応える形で始まりました。SHAREでは助成研究の成果を各機関リポジトリ等に登録し、その登録された成果のDOIや著者ID、助成金ID、助成機関等のメタデータを助成機関や著者所属機関等に配信・共有することが想定されています。今回、COSが開発することが決定したのはこの構想の中核となる、研究成果に関するメタデータを共有する部分のサービスです。

ボイコットを越えて Elsevier社へのボイコットから2年、主導者へのインタビュー(記事紹介)

米SPARCのウェブサイトで、2012年にElsevier社へのボイコットを主導したフィールズ賞受賞数学者、ガワーズ(Timothy Gowers)氏への電話インタビューに基づく記事が公開されています。

ガワーズ氏はElsevier社の雑誌が高額であることや図書館への電子ジャーナルのバンドル販売、オープンアクセスの制限につながる米国の法案Research Works Act(RWA)にElsevier社が賛同していること等に反対して、同社での論文出版や同社からの査読依頼に対するボイコットを起こしました。このボイコットは10,000人以上の賛同者を集め、Elsevier社のRWA支持撤回につながる等の成果を収めたものの、インタビューの中でガワーズ氏はそのほかの点は改善しておらず、ボイコットの成果は十分ではなかったと答えています。また、OA義務化に期待しているものの、Gold OA、特にいわゆるハイブリッドOAに重きが置かれがちで、ますます出版者の収益増につながることに対し懸念が示されています。

ガワーズ氏は2014年4月にボイコットから2年を経ての状況をまとめた記事も自身のブログに掲載しており、インタビューの中ではその記事への反応等も尋ねられています。

Beyond the Boycott: Q&A with Timothy Gowers(SPARC)

国際日本文化研究センターの機関リポジトリが正式公開

2014年6月2日から、「国際日本文化研究センター学術機関リポジトリ」である「日文研リポジトリ」が正式公開されました。国際日本文化研究センターの出版物や所属研究員の著作物等、 研究成果を蓄積し、公開しているとのことです。

「日文研機関リポジトリ」の正式公開のお知らせ (国際日本文化研究センター, 2014/6/3付)
http://library.nichibun.ac.jp/ja/announce/side/2014/06/03/s001/index.html

国際日本文化研究センター学術リポジトリ
http://shikon.nichibun.ac.jp/

E1571 - ニュージーランド国立図書館,利用及び再利用の方針を公表

 ニュージーランド国立図書館(NLNZ)が,2014年3月12日承認の,所蔵資料の利用及び再利用についての新方針を発表した。“Policy for Use and Reuse of Collection Items”と題する同方針は,ニュージーランド人による同館所蔵資料の利用・再利用を,明確な枠組みの中で,容易に行うことができるようにすることを目的とするものであり,9つの原則が示されている。なお,同方針における所蔵資料の利用・再利用とは,個人的,社会的,教育的,商業的な利用を目的とする,あらゆる手段での使用と定義されている。また,所蔵資料とは,研究者がアクセス可能なあらゆる同館所蔵の資料を意味し,ここにはボーンデジタルのコンテンツ,NLNZによりデジタル化された物理的なコンテンツ,研究者によりデジタルカメラで撮影された物理的なコンテンツを含むものとされている。また研究者とは,情報ニーズを満たすためにNLNZの資料を活用する者とされ,いわゆる利用者と同義である。...

ニュージーランド国立博物館、30,000点の高精細画像を無料でダウンロード可能に

ニュージーランド国立博物館(Museum of New Zealand Te Papa Tongarewa)が、30,000点以上の高精細画像を無料でダウンロード可能としたことを発表しています。14,000点以上の画像が、クリエイティブコモンズの表示-非営利-改変禁止(CC BY-NC-ND)のライセンスで利用可能であり、また17,000点ほどの画像は、“no known copyright restrictions”とのことで、自由に利用してよいものとのことです。同館のCollections Onlineで検索、利用できるようになっています。

公式ブログの記事では、類似のイニシアティブとして、米国のMetropolitan Museum of Art、National Gallery of Art、Brooklyn Museum、Los Angeles County of Art、Yale University、欧州のRijksmuseum、British Library、British Museum、Victoria & Albert Museum、そしてニュージーランド国立図書館の利用・再利用に関する方針が列挙されています。

リポジトリ用ソフト”DSpace”バージョン 4.0の「コピーを依頼する」機能(記事紹介)

2014年5月29日付けのDuraSpace.orgの記事で、リポジトリ用ソフトDSpaceのバージョン4.0から新たに導入されていた「コピーを依頼する」(”Request a Copy”)機能が紹介されています。

この機能はリポジトリにアップロードはされているものの、エンバーゴ期間中で公開できないファイルについて、元のファイルの投稿者にコピーをメールで送付するよう依頼できる、というものです。ファイルの投稿者はボタンをクリックするだけでリクエスト相手へのファイル送付を許可することができ、リクエスト相手へ当該ファイルを添付したメールが送られます。

DSpace Leads in Providing Open Access to Research During Embargo Periods(DuraSpace.org、2014/5/29付け)
http://duraspace.org/node/2133

Request a Copy(DuraSpace Wiki)
https://wiki.duraspace.org/display/DSDOC4x/Request+a+Copy

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)等と協力し、ハイブリッドOAの論文出版加工料(APC)を相殺する試行プロジェクトを開始

2014年5月27日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)は、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)および英国の主要大学で構成されるRussell Groupと協力して、2014年にIOPに支払われたハイブリッドOAの論文出版加工料(APC)を、翌年の2015年の購読料から差し引くという相殺モデルの試行プロジェクトを行うと発表しています。3年間のプロジェクトとのことです。

IOP Publishing and UK university libraries collaborate on open access offsetting pilot(IOP Publishing, 2014/5/27付)
http://ioppublishing.org/newsDetails/IOP-Publishing-and-UK-university-libraries-collaborate-on-open-access-offsetting-pilot

IOP Publishing launches open access deal(IOP, 2014/5/27付)
http://www.iop.org/news/14/may/page_63308.html

SPARC Japan、オープンアクセスジャーナルによる論文公表に関する調査結果を公表

2014年5月28日、国立情報学研究所・SPARC Japanが国内大学等の研究者を対象として行ったオープンアクセスジャーナルによる論文公表に関する調査の報告書を公表しました。

この調査は、オープンアクセスジャーナルへの投稿の現状を把握し、今後のオープンアクセスモデルの在り方について検討するための基礎データとして活用することを目的として行われたとのことです。

報告書には、大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)、国立大学図書館協会学術情報委員会、及び、SCREAL(学術図書館研究委員会)の協力を得て、行われたアンケート調査(44大学から2,475の完全回答)及びインタビュー調査(8機関)の結果がまとめられています。

オープンアクセスジャーナル(OAJ)への投稿に関する調査(SPARC Japan)
http://www.nii.ac.jp/sparc/apc/index.html
※調査概要

報告書 オープンアクセスジャーナルによる論文公表に関する調査(SPARC Japan)
http://www.nii.ac.jp/sparc/publications/report/pdf/apc_wg_report.pdf

参考:
SPARC Japanが研究者によるオープンアクセスジャーナルへの投稿に関する調査を開始

EDP Open、学会のオープンアクセスに対する態度に関する調査結果を公開

2014年5月27日、EDP Openが学会のオープンアクセス(OA)に対する態度に関する調査("Learned Society attitudes towards Open Access”)の結果報告を公開しました。EDP Openは学会と共同で出版活動に従事する非営利出版者、EDP ScienceのOA部門で、今回の報告ではEDP Scienceに参加している学会を対象としたオンライン調査と、補助的に行われたフォーカスグループ調査の結果がまとめられています。

報告によれば、調査に回答した学会の多くはOAによって一部の学会の発行する雑誌が財政危機に陥ることは避けられないだろう、と考えており、大手OA出版者との競争も大きな問題であると考えられていました。また、学会誌におけるOAの提供手段としては著者によるリポジトリへの登録を認めている学会が約8割ともっとも多かった一方で、OA雑誌を出版している学会は30%未満と最も少なくなっていました。しかしOA雑誌を刊行したいと考えている学会は約3分の2にのぼっていた、とされています。

EDP Open survey reveals Learned society attitudes towards Open Access(EDP Open、2014/5/27付け)

Knowledge Unlatched、オープンアクセスの試行についての概要報告を公開

2014年5月付で、学術出版物の継続的なオープンアクセス出版を支援するKnowledge Unlatchedが、オープンアクセスの出版モデルの試行についての概要レポート“Knowledge Unlatched Pilot Progress Summary Report”を公開しました。

2013年10月から2014年2月にかけて行われた試行では、13の出版社から提供された28の学術書を対象として、各国の図書館からの支援をよびかけ、OA出版を行ったとのことです。想定を上回る24か国297の図書館からの協力を得て、各館あたりの負担額は当初想定されていた1,680ドルから、実際には1,195ドルとなり、1タイトルあたりの負担額も43ドル以下(想定された平均は60ドル)であったとのことです。出版社にはクリエイティブコモンズのライセンスを求めたところ、CC BY-NC-ND(表示 - 非営利 - 改変禁止)が24タイトルと84%を占め、CC BY-NC(表示 - 非営利)が3タイトル、CC BY-ND(表示 - 改変禁止)が1タイトルであったとのことです。

試行では解決できなかった課題として、試行の対象としたタイトルのISBNの不一致による利用統計取得に困難があったことなどが挙げられています。

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