オープンアクセス

EDP Open、学会のオープンアクセスに対する態度に関する調査結果を公開

2014年5月27日、EDP Openが学会のオープンアクセス(OA)に対する態度に関する調査("Learned Society attitudes towards Open Access”)の結果報告を公開しました。EDP Openは学会と共同で出版活動に従事する非営利出版者、EDP ScienceのOA部門で、今回の報告ではEDP Scienceに参加している学会を対象としたオンライン調査と、補助的に行われたフォーカスグループ調査の結果がまとめられています。

報告によれば、調査に回答した学会の多くはOAによって一部の学会の発行する雑誌が財政危機に陥ることは避けられないだろう、と考えており、大手OA出版者との競争も大きな問題であると考えられていました。また、学会誌におけるOAの提供手段としては著者によるリポジトリへの登録を認めている学会が約8割ともっとも多かった一方で、OA雑誌を出版している学会は30%未満と最も少なくなっていました。しかしOA雑誌を刊行したいと考えている学会は約3分の2にのぼっていた、とされています。

EDP Open survey reveals Learned society attitudes towards Open Access(EDP Open、2014/5/27付け)

Knowledge Unlatched、オープンアクセスの試行についての概要報告を公開

2014年5月付で、学術出版物の継続的なオープンアクセス出版を支援するKnowledge Unlatchedが、オープンアクセスの出版モデルの試行についての概要レポート“Knowledge Unlatched Pilot Progress Summary Report”を公開しました。

2013年10月から2014年2月にかけて行われた試行では、13の出版社から提供された28の学術書を対象として、各国の図書館からの支援をよびかけ、OA出版を行ったとのことです。想定を上回る24か国297の図書館からの協力を得て、各館あたりの負担額は当初想定されていた1,680ドルから、実際には1,195ドルとなり、1タイトルあたりの負担額も43ドル以下(想定された平均は60ドル)であったとのことです。出版社にはクリエイティブコモンズのライセンスを求めたところ、CC BY-NC-ND(表示 - 非営利 - 改変禁止)が24タイトルと84%を占め、CC BY-NC(表示 - 非営利)が3タイトル、CC BY-ND(表示 - 改変禁止)が1タイトルであったとのことです。

試行では解決できなかった課題として、試行の対象としたタイトルのISBNの不一致による利用統計取得に困難があったことなどが挙げられています。

公的助成研究成果のパブリックアクセスに向けた官民連携イニシアティブ“CHORUS”、出版者向けの実行指針を公開

2014年5月15日、公的助成研究成果のパブリックアクセスに向けた官民連携イニシアティブ“Clearinghouse for the Open Research of the United States”(CHORUS)が、出版者向けの実行指針を公開しました。

CHORUSへの参加を検討している出版者に対して、研究成果を支えた助成金の情報を集めてFundRefシステムへ登録することなど、CHORUSの技術的な要件等を紹介するものとのことです。

出版者を対象としてはいますが、それ以外の人にとっても、CHORUSについて理解を助ける文書となっているとのことです。

Publisher Implementation Guide(CHORUS)
http://chorusaccess.org/chorus-publisher-implementation-guide/

CHORUS Publisher Implementation Guide Version 1.1(CHORUS, 2014/5/15付)
http://chorusaccess.files.wordpress.com/2014/05/chorus_publisher_implementation_guide_v1-1.pdf

参考:

OASPA加盟機関がCC BYで出版したオープンアクセスの論文数、2013年は120,972件、累計で399,854件に

OASPA(Open Access Scholarly Publishers Association;オープンアクセス学術出版協会)は、その加盟機関がCC BYで出版したOA論文数を公開しています。2013年は120,972件で累計399,854件になったとのことです。2011年は60,561件、2012年は92,701件と近年の伸びが著しいことがうかがえます。加盟機関の年毎の論文数もエクセル形式で公開されています。

Growth of Fully OA Journals Using a CC-BY License(OASPA)
http://oaspa.org/growth-of-fully-oa-journals-using-a-cc-by-license/

OASPA Members CC-BY Growth_Data to 2013(OASPA)
http://oaspa.org/wp-content/uploads/2014/05/OASPA-Members-CC-BY-Growth_Data-to-2013.xlsx

参考:
OASPA、学術出版における透明性の指針の案文を公開: DOAJ、COPE、WAME及びOASPAの取組み
Posted 2013年12月20日
http://current.ndl.go.jp/node/25132

ARL、公的支援を受けた研究成果の共有や公開、保存のためのプロジェクト“SHARE”についての情報共有サイト“SHARE Knowledge Base”を公開

2014年5月21日の北米研究図書館協会(ARL)が、公的支援を受けた研究成果の共有や公開、保存のためのプロジェクト“SHared Access Research Ecosystem: SHARE”についての情報共有サイト“SHARE Knowledge Base”を公開したと発表しています。

SHAREとは何か、プロジェクトの背景やSHAREが構築を目指すもの、“Clearinghouse for the Open Research of the United States:CHORUS”との関係などについて、Q&A形式でSHAREプロジェクトを説明するものとのことです。

SHARE Launches Knowledge Base(ARL, 2014/5/21付)
http://www.arl.org/news/arl-news/3243-share-launches-knowledge-base#.U31EN9K-2Fw

SHARE Knowledge Base
http://www.arl.org/share-kb

参考:
E1450 - FundRef―その研究助成はどのような研究成果を生んだのか?
カレントアウェアネス-E No.240 2013.07.11
http://current.ndl.go.jp/e1450

米国メトロポリタン美術館、40万点の高精細デジタル画像をウェブサイトからダウンロード可能に:“Open Access for Scholarly Content”(OASC)として公開

米国のメトロポリタン美術館が、2014年5月16日、同館の所蔵するパブリックドメインの作品の40万点分の高精細画像を、非商用利用のためであれば、許諾の必要なく、また無料でダウンロードすることができるようにしたと発表しています。対象となる画像は、今後さらに増加していくとのことです。

対象の画像は、同美術館のウェブサイト(Collectionのページ)において、“OASC”(Open Access for Scholarly Contentの頭文字)が付されて公開されているとのことです。

Metropolitan Museum Initiative Provides Free Access to 400,000 Digital Images(2014/5/16付け)
http://www.metmuseum.org/about-the-museum/press-room/news/2014/oasc-access

Frequently Asked Questions: Open Access for Scholarly Content (OASC)
http://www.metmuseum.org/research/image-resources/frequently-asked-questions

Collection

ニュージーランド国立図書館、資料の利用・再利用について新方針を発表

ニュージーランド国立図書館(NLNZ)が、資料の利用・再利用についての新方針“Collection use and reuse policy”を発表しました。9つの原則が示されており、このうち原則4では、著作権者等との交渉においてはクリエイティブ・コモンズのライセンシングの枠組みを採用すること、原則5では著作権の制限がないものについては、提供にあたりその旨を明記するよう努めることなどが示されています。

Our new use and reuse policy(National Library of New Zealand, 2014/5/20付け)
http://natlib.govt.nz/blog/posts/our-new-use-and-reuse-policy

Collection use and reuse policy((National Library of New Zealand)
http://natlib.govt.nz/about-us/strategy-and-policy/collection-use-and-reuse-policy

米Cultural Anthropology誌の2014年5月号でオープンアクセス特集

米国の文化人類学会(Society for Cultural Anthropology)が発行する雑誌Cultural Anthropology誌の2014年5月号(29巻2号)で、オープンアクセスに関する特集が組まれています。同誌は2014年2月号(29巻1号)からオープンアクセスに移行していました。特集中に含まれる記事は以下のとおりです。

Editors’ Introduction: Open Access
by Anne Allison and Charles Piot

Beyond Copyright and Technology: What Open Access Can Tell Us about Precarity, Authority, Innovation, and Automation in the University Today
by Christopher Kelty

Reason, Risk, and Reward: Models for Libraries and Other Stakeholders in an Evolving Scholarly Publishing Ecosystem
by Kevin Smith and Paolo Mangiafico

Anthropology and Open Access

オープンライセンスポリシーの策定等を支援する”Open Policy Network”設立

2014年5月19日、米Creative Commonsや米SPARC等が参加する新たな連合、Open Policy Network(OPN)の設立が発表されました。

OPNはCreative Commonsの行ってきたオープンポリシーに関する活動を母体とするもので、その目的は、公的資金の助成を受けた成果についてはオープンライセンスで提供するよう求めるポリシーの策定等を支援・推進することとされています。

OPNの最初の活動として、教育・科学分野等のリーダーを対象にオープンライセンスやポリシーに関する研修を行う”Institute for Open Leadership (IOL)”を実施することもあわせて発表されています。

Launch of the Open Policy Network(Open Policy Network、2014/5/19付け)
http://staging.openpolicynetwork.org/launch-of-the-open-policy-network/

About(Open Policy Network、2014/5/19付け)
http://staging.openpolicynetwork.org/about/

“Open Access Workflows for Academic Librarians”の作成プロジェクトが進行中

“Open Access Workflows for Academic Librarians”(OAWAL)が2014年3月に公開されていたようです。運営者はJill Emery氏(米ポートランド州立図書館)と、Graham Stone氏(英ハダースフィールド大学)です。

OAWALは、図書館員が所属機関におけるオープンアクセス関係の業務に関して、そのワークフローを作成するためのベースとなる情報をまとめることを意図したもののようです。大きく6つのセクション(Adovocacy、Workflows、Standards、Library As Publisher、Creative Commons、Discovery)が示され、それぞれ説明等が掲載されています。ベストプラクティスの事例などの情報などのフィードバックを今後様々な形で得ながら、サイトを充実させていくとのことです。

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