オープンアクセス

ハワイ大学マノア校で大学院生がオープンアクセス方針を採択

2015年4月23日、米ハワイ大学マノア校で大学院生を対象としたオープンアクセス(OA)方針が、大学院生組織で採択されました。これは同校の大学院生と図書館員、米SPARCの呼びかけによって実現したものです。

ハワイ大学マノア校にはもともと教員向けのOA方針があり、新たな方針によってその対象が大学院生にも拡大されます。具体的には大学院生の研究成果についても、同校の機関リポジトリでの公開対象に含まれることになります。

Graduate students adopt Open Access policy for scholarship(University of Hawai’i System News、2015/5/5付け)
https://www.hawaii.edu/news/2015/05/05/graduate-students-adopt-open-access-policy-for-scholarship/

Elsevier社がセルフアーカイビング等に関する新たなポリシーを発表

2015年4月30日、Elsevier社は同社の雑誌掲載論文のセルフアーカイビング等に関する新たなポリシーを発表しました。

新たなポリシーでは従来、一つにまとめられていたセルフアーカイビングや論文の共有に関する方針を著者に向けた”Sharing”とホスティングサービスに向けた”Hosting”の二つに分けています。また、以前のポリシーでは機関によるオープンアクセス義務化方針に基づいて論文をセルフアーカイブする場合と著者が自主的に行う場合でセルフアーカイブを認めるまでの期間(エンバーゴ)が異なっていましたが、新ポリシーでは義務化の有無に関わらず、雑誌ごとにエンバーゴ期間が定められています。そのほかに従来は著者最終版の登録のみが認められていた博士論文として機関等に提出された論文について、出版者版を機関リポジトリに掲載すること等が認められています。

一方、新ポリシーではエンバーゴ期間中は著者最終版であっても機関リポジトリで公開できない(学内のみでの共有は可)とされている等、Sharingポリシーとは名ばかりで、オープンアクセスからの後退であるという批判もなされています。

Unleashing the power of academic sharing(Elsevier Connect、2015/4/30付け)

京都大学、オープンアクセス方針を採択

京都大学は、2015年4月28日に「京都大学オープンアクセス方針」を採択しました。これは、京都大学の教員が生み出した学術論文等の研究成果を、「京都大学学術情報リポジトリKURENAI」によりインターネット上で原則公開することを、教員の義務とするものです。図書館機構長の引原隆士工学研究科教授によると、京都大学は、大学としてオープンアクセスを推進することで、より多くの教育・研究成果をKURENAIで広く公開し、学術研究の発展に寄与するとともに、大学としての社会的責任を果たしていくとのことです。この方針は、平成27年度中に実施が予定されているとのことです。

図書館機構 : 「京都大学オープンアクセス方針」を採択しました(京都大学図書館機構, 2015/5/7)
http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1677

京大、教員の研究成果を原則ネット公開へ 「オープンアクセス方針」採択(ITmedia ニュース, 2015/5/7)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1505/07/news131.html

参考:
PASTEUR4OAプロジェクト、オープンアクセス方針に関するレポート公開

クリエイティブ・コモンズ・ジャパン、CC0日本語版を正式公開

2015年5月1日、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンはCC0(パブリックドメイン)の日本語版を正式に公開しました。2013年11月に公開された日本語版ドラフトに関して実施されたパブリックコメントの結果を踏まえた内容であるとのことです。

また、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンのブログでは、パブリックコメントの内容(訳語への意見等)も掲載されているようです。

CC0 日本語版の公開(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン ,2015/5/1)
http://creativecommons.jp/2015/05/01/cc0-jpver/

クリエイティブ・コモンズ・リーガル・コード(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン) 
http://creativecommons.org/publicdomain/zero/1.0/legalcode.ja
※リーガルコードの要旨です。

Creative Commons — CC0 1.0 全世界(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン)
http://creativecommons.org/publicdomain/zero/1.0/deed.ja

参考:
クリエイティブ・コモンズ・ジャパンがCC0日本語版のパブリックコメントを募集中
Posted 2013年11月7日

2015年雑誌価格調査の結果(米国)

2015年4月23日付けのLibrary Journal誌オンライン版記事で、2015年版の雑誌価格調査の結果” Whole Lotta Shakin’ Goin’ On | Periodicals Price Survey 2015”が公開されています。

同記事では図書館の財政状況、ビッグ・ディール、オープンアクセス、Swets社の破たん等のこの1年のトピックについて解説した後、雑誌価格調査の結果のまとめ(表)を掲載しています。2014年から2015年にかけて、調査対象誌1誌あたりの雑誌価格は6%上昇しており、これは2013年から2014年の上昇率と同率とのことです。

Whole Lotta Shakin’ Goin’ On | Periodicals Price Survey 2015(Library Journal、2015/4/23付け)
http://lj.libraryjournal.com/2015/04/publishing/whole-lotta-shakin-goin-on-periodicals-price-survey-2015/

参考:
2013年は特に劇的な変化はなし 2014年雑誌価格調査の結果(米国)
Posted 2014年4月15日
http://current.ndl.go.jp/node/25938

米国国立医学図書館(NLM)、ネパールの地震への対応に当たる医療専門家支援のため、生物医学関係資料のフルテキストを期間限定で無料提供

米国国立医学図書館(NLM)は、2015年4月27日、ネパールの地震への対応に当たる医療専門家を支援するために、生物医学関係資料のフルテキストを期間限定で無料提供する“Emergency Access Initiative”(EAI)の実施を発表しました。

650タイトル以上の生物医学の雑誌や4,000タイトル以上の参考図書、オンラインデータベースのフルテキストを提供し、無料提供の期間は、2015年4月25日から5月23日までとのことです。

EAIは、NLMと医学図書館全米ネットワーク(National Network of Libraries of Medicine)、米国出版社協会(AAP)のProfessional/Scholarly Publishing Division等が合意している緊急支援イニシアティブです。EAIの実施は今回で5回目となるとのことです。

NLM and Publishers Launch Emergency Access Initiative, Granting Free Access to Books and Journals for Healthcare Professionals Responding to Earthquake in Nepal(NLM, 2015/4/27)

世界保健機構(WHO)、医薬品の安全性に関するオープンアクセスのデータベースを公開

世界保健機構(WHO)は、2015年4月17日、医薬品の安全性に関するオープンアクセスのデータベースを公開するとのことです。

15万以上の薬剤・ワクチンについて、120か国以上から報告された1,000万件以上の薬物有害反応が疑われる事例がデータベース”VigiBase”に収録されており、ウェブアプリケーション”VigiAccess”から誰もがアクセスできるとのことです。

News and events(WHO)
http://www.who.int/medicines/news/en/
※2015年4月17日付で”WHO Launches Open Access to the WHO Global Medicines* Safety Database”とあります。

HathiTrust、パブリックドメイン及びオープンアクセスの登録件数500万件を達成

2015年4月10日、HathiTrustが2015年3月の活動報告をウェブに掲載しました。

活動報告では、2015年3月にHathiTrustにおけるパブリックドメインとオープンアクセスの登録件数が合計で500万件を超えたこと等が報告されています。

Update on March 2015 Activities (HathiTrust,2015/4/10)
http://www.hathitrust.org/updates_march2015

米SHAREプロジェクト、論文情報通知サービス”SHARE Notify”のベータ版を公開

2015年4月14日、米国のSHARE(SHared Access Research Ecosystem)プロジェクトが論文情報の通知サービス”SHARE Notify”のベータ版を公開しました。

SHAREは北米研究図書館協会(ARL)等が、公的助成研究成果のパブリックアクセスを、機関リポジトリを通じて実現するために設立したプロジェクトです。今回ベータ版が公開されたSHARE NotifyはSHAREの対象となる論文に関するイベント、例えばプレプリント版が主題リポジトリに登録される、データセットがデータリポジトリに登録される、論文が公式に出版される等の機会ごとに、その情報を通知するサービスです。SHARE Notifyのデータベースで論文の情報を検索できるほか、ATOM形式のフィードにより通知を得ることができます。

SHARE Launches Beta of SHARE Notify for Informing Stakeholders When Research Is Released(SHARE News、2015/4/14付け)

オープンアクセス文献に対する複写依頼の増加(文献紹介)

Interlending & Document Supply誌の43巻2号掲載予定の論文”Open Access: Help or Hindrance to Resource Sharing?”が、同誌のウェブサイトで早期公開されています。

この論文の著者はインディアナ大学-パデュー大学インディアナポリス校(IUPUI)図書館のTina Baich氏です。Baich氏は2009/2010~2012/2013年度のIUPUIのILL・複写依頼データを分析し、オープンアクセス(OA)文献に対するリクエストの状況やリクエストした利用者の属性等をまとめています。分析の結果、OA文献に対するリクエストは年々増えており、その大半は学部生・大学院生によるもので、彼らの多くはOAについて気付いていないのではないかと考えられます。

なお、論文本文は有料です。

Tina Baich. Open Access: Help or Hindrance to Resource Sharing?. Interlending & Document Supply. 2015, 43(2) http://www.emeraldinsight.com/doi/abs/10.1108/ILDS-01-2015-0003

参考:

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