オープンアクセス

科学技術政策研究所の『科学技術動向』2014年7・8月号にOA出版のコストに関する記事が掲載

2014年7月29日、科学技術政策研究所が、「科学技術動向」7・8月号を公表しました。レポート3「オープンアクセスを踏まえた研究論文の受発信コストを議論する体制作りに向けて」が掲載されています。

レポートでは、従来から議論されている電子ジャーナル購読費の問題に加えて、オープンアクセス(OA)出版によって発生するコストについて解説しているようです。OA出版事業の仕組みや出版者の対応を紹介し、日本でも研究者が支払う掲載料 (Article Processing Charge) が無視できない規模になることが予見される中、電子ジャーナルの購読費とOA出版費を合わせて把握することで、受発信コストを議論できる体制づくりが必要とされているとのことです。

レポート3 オープンアクセスを踏まえた研究論文の受発信コストを議論する体制作りに向けて
http://www.nistep.go.jp/wp/wp-content/uploads/NISTEP-STT145J-19.pdf

Brill社、新たなオープンアクセス誌の創刊を発表

2014年7月29日、Brill社が人文学、社会科学、法学、生物学の4分野で新たなオープンアクセス誌を創刊することを発表しました。各誌ともオンライン版のみの査読誌で、2014年と2015年は論文出版加工料(APC)を減額し、投稿料は免除されるとのことです。

Brill Announces New Suite of Open Access Journals(Brill, 2014/7/29)
http://www.brill.com/news/brill-announces-new-suite-open-access-journals

Coming Soon: A New Suite of Open Access Journals(Brill)
http://www.brill.com/about/open-access/coming-soon-new-suite-open-access-journals

参考:
国際図書館連盟とBrill社、2014年の“オープンアクセス賞”を発表
Posted 2014年6月23日
http://current.ndl.go.jp/node/26418

オープンアクセス学術出版協会(OASPA)にBrill社が加盟
Posted 2014年2月4日

欧州研究図書館協会(LIBER)の2014年第43回年次大会の発表資料等が公開

2014年7月2日から5日まで、ラトビアのリガで開催された欧州研究図書館協会(LIBER)の第43回年次大会の発表資料等が公開されています。今回は、“Research Libraries in the 2020 Information Landscape”をテーマとして開催されたとのことです。「クラウドソーシングとオープンソース」、「Linked Open Data」など10のセッションのペーパーとその発表者のプロフィール、「Europeana Sounds」や「Europeana Cloud」など20のポスター(一部は概要のみ)等が公開されています。

LIBERとSPARC Europeが共同で開催したワークショップでは、EU加盟国のオープンアクセスおよびオープンデータ政策を推進するプロジェクト“Open Access Policy Alignment Strategies for European Union Research(PASTEUR4OA)”や研修等を通じて若手研究者等のオープンサイエンスの実践を支援するプロジェクト“Foster Open Science Training for European Research(FOSTER)”が紹介されたようです。

英JISC Collections、ジャーナルの総所有コストについての調査結果を公表

2014年7月21日、英JISC Collectionsが、ジャーナルの総所有コストについての調査についてのレポートと調査データを公開しました。英国の24の高等教育機関を対象に、Information Power Ltdと協力して、購読契約と論文出版加工料(APC)の費用について調査したものとのことです。

Releasing open data about the Total Cost of Ownership(JISC Collections, 2014/7/21)
https://www.jisc-collections.ac.uk/News/Releasing-open-data-about-Total-Cost-of-Ownership/

Jisc Collections on Total Cost of Ownership Project: Data Capture and Process(Jisc Collections)
https://www.jisc-collections.ac.uk/Global/News%20files%20and%20docs/IPL-Jisc-Total-Cost-of-Ownership-Data-Capture-Report.pdf

Springer社が公開するオープンアクセス論文数が20万件を突破

2014年7月21日、Springer社は同社の雑誌から公開されたオープンアクセス(OA)論文の数が20万件を突破したと発表しました。

20万件の中にはSpringer社のOA雑誌ブランドSpringerOpen から刊行される152誌の掲載論文に加え、2008年にSpringer社が買収したBioMed Centralブランドで刊行される265の雑誌に掲載された論文も含まれています。これらはいずれもクリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンス下で公開されているとのことです。

Springer celebrates open access milestone(Springer、2014/7/21付け)
http://www.springer.com/gp/about-springer/media/press-releases/corporate/springer-celebrates-open-access-milestone/29986

Springer celebrates open access milestone(STM Publishing News、2014/7/21付け)
http://www.stm-publishing.com/springer-celebrates-open-access-milestone/

参考:

英国研究会議(RCUK)、オープンアクセス方針の適用についての調査を開始:根拠に基づいた情報提供を呼びかけ

英国研究会議(RCUK)は、2014年7月14日から2014年9月12日まで、オープンアクセス(OA)方針の適用状況について、根拠にもとづいた情報提供を呼びかけています。

高等教育機関や研究機関を主な対象として、2013年4月に改訂したRCUKのOA方針の適用状況を調べるもので、RCUKが助成を行った研究の成果物がOAでの公開に変化していくような影響や効果があったのか、方針で求められている“グリーン”OAのエンバーゴ期間の遵守状況等、さまざまな項目について、実際の出版物の数など、根拠に基づいた情報の提供が求められているようです。

2014年末に中間報告がまとめられ、2015年前半に最終報告書がまとめられる予定とのことです。

RCUK launches call for evidence in Open Access Review
http://www.rcuk.ac.uk/media/news/140717/

2014 Independent Review of Implementation(RCUK)
http://www.rcuk.ac.uk/research/openaccess/2014-independent-review-of-implementation/

参考:
英国研究会議(RCUK)、改訂版OAポリシー準拠の解説文書を公開

COAR、研究成果の迅速な公開を求める共同声明に対する、出版社協会からの声明への回答を公開

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、EIFL、LIBER、SPARC等が、2014年5月14日に公表した、研究成果の迅速な公開を支援する共同声明に対して、その後、多くの機関が声明への指示を表明しているとのことです。この共同声明に対して、国際STM出版社協会(International Association of Scientific, Technical & Medical Publishers)が5月28日に声明を公開しており、7月8日、COARがこれへの回答を公開しています。

7月8日に公開された回答では、COARは、短期間のエンバーゴ、もしくはエンバーゴなしに出版された記事をリポジトリで公開する形でのグリーンOAを強く支援することを表明しているようです。また、出版社や出版社団体からなされる、OAリポジトリを通じた迅速な公開が購読契約に悪影響を与えるとする批判について、Taylor & Francisの調査を引き合いに出し、根拠がないと指摘しているようです。

また、COARは学術コミュニケーションには財政的な支援の必要性を痛切に認識しつつ、多くの商業出版社に指示されている論文処理費用(APC)モデルは、支払う事ができない多くの研究者に不利な状況をもたらすものであり、グリーンOAこそが継続可能でグローバルなOAへのアプローチであるとしているようです。

E1579 -日本におけるOAジャーナル投稿とAPC支払いをめぐる調査

国立情報学研究所のSPARC Japanは,日本の学術機関およびそこに所属する研究者を対象とし,論文処理費用(Article Processing Charges,以下APC)に焦点を当てたアンケート調査及びインタビュー調査を実施した。その調査報告書として2014年5月,報告書「オープンアクセスジャーナルによる論文公表に関する調査」を公表した。この調査は,大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE),国立大学図書館協会学術情報委員会,及び,SCREAL(学術図書館研究委員会)の協力を得て実施したものである。...

【イベント】第1回SPARC Japan セミナー2014「大学/研究機関はどのようにオープンアクセス費用と向き合うべきか―APCをめぐる国内外の動向から考える」(8/4・東京)

2014年8月4日に、第1回SPARC Japan セミナー2014「大学/研究機関はどのようにオープンアクセス費用と向き合うべきか―APCをめぐる国内外の動向から考える」が、国立情報学研究所で開催されます。

今回のSPARC Japanセミナーでは、日本人研究者を対象に行ったOAジャーナルへの成果公表に関する調査およびAPC処理を行っている大学図書館の事例報告に基づいて国内の現状把握を行うとともに、海外の進展状況および今後のAPCが取り得るシナリオを紹介するとのことです。 今後、日本において国および大学レベルで、APCにどのように向き合うべきか、その方向性を議論するとのことです。

第1回 SPARC Japan セミナー2014「大学/研究機関はどのようにオープンアクセス費用と向き合うべきか―APCをめぐる国内外の動向から考える」(SPARC Japan)
http://www.nii.ac.jp/sparc/event/2014/20140804.html

Taylor & Francis、2014年版のオープンアクセス意識調査のレポートを公表

Taylor & Francisが、2014年6月付けで“Taylor & Francis Open Access Survey June 2014”と題した調査レポートを公表しました。これは同社の出版物の著者に対して、オープンアクセス(OA)に関する意識や行動について尋ねた結果をまとめたもので、7,936件の回答があったとのことです。同社は2013年3月にも同様の調査結果のまとめを公開しており、今回のレポートでは前回の調査との比較も行われています。

調査の結果、OAに対する認識は全体に肯定的で、回答者の49%がOAにすると購読型の雑誌に載せるよりも論文が広く流通すると考えており(2013年は38%)、ビジビリティが高まるとする回答も増加していました(2013年は27%に対し今回は35%)。また、「OA雑誌は購読型雑誌よりも質が低い」という考えに強く同意する研究者は2013年に比べ僅かながら減っていました(2013年は10%に対し今回は8%)。

他方で、ライセンスに関する研究者の認識は保守的で、クリエイティブ・コモンズライセンスで最も好まれるのは制限の強いCC-BY-NC-NDライセンスで、CC-BYの支持者は前回よりは増えているものの、依然最も好まれないライセンスであったとされています。

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