オープンアクセス

図書館情報学雑誌はどの程度“オープン”か(文献紹介)

フロリダ州立大学のChealsye Bowley氏らのグループが、“Librarian, Heal Thyself: A Scholarly Communication Analysis of LIS Journals”と題するレポートのプレプリントを公開しました。111の図書館情報学雑誌の著作権ポリシー、オープンアクセス・セルフアーカイビングポリシー、オープンアクセス出版のオプション等を含む“オープンさ”を測定し、分析した調査結果とのことです。

Librarian, Heal Thyself: A Scholarly Communication Analysis of LIS Journals
http://diginole.lib.fsu.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1009&context=library_faculty_publications

英国学士院、人文学および社会科学分野のジャーナル出版へのOA方針の影響についての調査レポートを公開

2014年4月17日、英国学士院(British Academy)が、人文学および社会科学分野のジャーナル出版にオープンアクセス(OA)方針が与える影響について分析を行ったレポート“Open access journals in humanities and social science”を公開しました。

このレポートでは、英国以外のジャーナルがどのぐらい英国のOA方針、特にグリーンOAの方針に合致するものであるか、分野による“利用半減期”、図書館の収集方針とエンバーゴがそれにどの程度影響するのかなどについて分析されているようです。

British Academy report offers new evidence about the impact of Open Access journal publishing(British Academy, 2014/4/17付)
http://www.britac.ac.uk/news/news.cfm/newsid/1080

Open access journals in humanities and social science(British Academy)
http://www.britac.ac.uk/openaccess/index.cfm

2013年は特に劇的な変化はなし 2014年雑誌価格調査の結果(米国)

2014年4月11日付けのLibrary Journal誌の記事で、2014年版の雑誌価格調査の結果“Steps Down the Evolutionary Road | Periodicals Price Survey 2014”が公開されています。

2013年にはSCOAP3の開始などの大きな出来事もあったものの、雑誌出版の世界では劇的な変化は起こっておらず、変わらずどの分野の雑誌も値上がりを続けていることなどが報じられています。

また、同日付の別の記事”Measuring the Value of Journals | Periodicals Price Survey 2014”では、計量書誌学的指標と価格の関係についても分析されています。

Steps Down the Evolutionary Road | Periodicals Price Survey 2014(Library Journal、2014/4/11付け)
http://lj.libraryjournal.com/2014/04/publishing/steps-down-the-evolutionary-road-periodicals-price-survey-2014/

米国国立医学図書館(NLM)と英国ウェルカム図書館が150年分の生物医学分野の雑誌をデジタル化して無料公開へ

米国国立医学図書館(NLM)と英国ウェルカム図書館(Wellcome Library)が共同で、歴史的に重要な生物医学分野の雑誌近150年分のバックナンバーをオンラインで無料公開するという覚書を交わしました。NLMが75万ポンド(120万ドル)の寄付を受け、同館の蔵書を3年間かけて記事レベルでスキャニングを行い、ウェルカム図書館が著作権処理や出版者への許諾処理を行うとのことです。NLMはデジタル化済みのオリジナルの資料についても保存していくとのことです。

デジタル化済みの資料は、米国国立衛生研究所(NIH)のリポジトリであるPubMed Central、EuropePMCで公開される予定とのことです。このプロジェクトは、“Medical Journal Backfiles Digitization Project (2004-2010) ”の成果を基にしたものと位置づけられているようです。

NLM and Wellcome Library Establish Agreement to Make 150 Years of Biomedical Journals Freely Available Online(NLM, 2014/4/14付)
http://www.nlm.nih.gov/news/welcome_library_agreement.html

米国デジタル公共図書館(DPLA)を紹介するセミナー資料が公開

米国デジタル公共図書館(DPLA)の事務局長であるDan Cohen氏が2014年3月7日に行ったセミナー"Inside the Digital Public Library of America"の発表資料と録画が公開されています。OCLCの“Distinguished Seminar Series”の一つとして行われたとのことです。

セミナーでは、どのようにDPLAが作られ、ポータルやプラットフォームとしてどのように機能しているのか、また、現在スタッフが取り組んでいること、新しいプロジェクトや組織について紹介されているとのことです。

"Inside the Digital Public Library of America" Presentation by Dan Cohen(OCLC, 2014/3/7付)
http://oclc.org/research/events/2014/03-07.html

録画(1:27)
http://youtu.be/lyYs1H2jSbc

発表資料(PDF;62ページ)
http://oclc.org/content/dam/research/events/dss/pdf/cohen-oclc-dss-2014.pdf

Distinguished Seminar Series(OCLC)

OAの進展状況をチェックする指標の提案(英国)

2014年4月7日、英国の研究情報ネットワーク(RIN)が、オープンアクセス(OA)の進展状況をチェックするための指標策定に関するワーキンググループがまとめた提案”Monitoring Progress in the Transition to Open Access”を公開しました。

この提案では英国におけるOAの進展状況について、アクセシビリティ、OAオプション、文献の利用、財政面での持続可能性、著者・読者に対するサービスの質の6項目に分けて、毎年同一の指標で調査することを提案しています。さらに例えばアクセシビリティについてであれば、完全なOA誌、ハイブリッド誌、エンバーゴ期間の後に雑誌プラットフォーム上で無料公開される雑誌、リポジトリや他のウェブサイトに掲載された論文の数やすべての論文に対する割合を調べること、調査時にはプレプリントと著者最終稿、出版者版を分けて集計することなど、調査対象や手順の詳細についても踏み込んで提案しています。

Monitoring Progress in the Transition to Open Access(RIN)
http://www.researchinfonet.org/wp-content/uploads/2013/02/Report-final.pdf

APCが支払われた論文リストの公開から見えてきたこと 有志による活躍(記事紹介)

2014年3月28日、英ウェルカム財団のブログに” The cost of open access publishing: a progress report”と題した記事が掲載されました。この記事は2014年3月17日に同財団が公開していた、2012-2013年に同財団の助成の中からAPC(論文加工料)が支払われた論文のリストについて、その後の反応やそこから見えてきたことを紹介するものです。

記事によれば、ウェルカム財団によってデータが公開された直後から、有志によって元のリストにはなかった論文掲載誌のインパクトや各論文のライセンス、ハイブリッドオープンアクセス(OA)誌か完全なOA誌か、本当にOAになっているか等の情報が付け加えられていきました。その結果、助成を受けながらOAになっていない論文があったこと(たとえばElsevierは助成を受けていた422論文のうち6本がOAになっていなかった)、ハイブリッドOA誌のAPCは完全OA誌の2倍近くにもなっていること等がわかったそうです。

米SHAREプロジェクト、IMLSとスローン財団から100万ドルの助成を獲得

2014年3月28日、米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)は、北米研究図書館協会(ARL)等が進める研究成果の共有や公開、保存のためのプロジェクト“SHared Access Research Ecosystem: SHARE”が、IMLSのNational Leadership Grant for Librariesを獲得したことを発表しました。SHAREにはIMLSから50万ドル、アルフレッド・P・スローン財団から同じく50万ドルの計100万ドルが与えられます。

IMLS and Sloan Foundation Award $1 Million to ARL for SHARE Notification Service(IMLS、2014/3/28付け)
http://www.imls.gov/imls_and_sloan_foundation_award_1_million_to_arl_for_share_notification_service.aspx

ARL’s SHARE Project Awarded $1 Million Grant by IMLS and Sloan Foundation(LJ INFOdocket、2014/3/28付け)

北欧閣僚会議がOA方針を発表

2014年1月29日付けで、北欧閣僚会議(Nordic Council of Ministers)がオープンアクセス(OA)方針を発表していました。同方針は2014年3月27日付けでROARMAPに登録されています。

北欧閣僚会議は北欧諸国(デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、アイスランド)の政府代表者による、相互利益追求を目的とする会議で、北欧共通の助成・研究政策提言機関である北欧研究会議(NordForsk)等を下部機関に持ちます。今回発表されたOA方針ではNordForskをはじめとする、北欧閣僚会議関連の研究機関を対象に、すべての発表物を北欧閣僚会議のリポジトリに登録することを求めています。2014年3月26日時点で、リポジトリでは約3,000の出版物が公開されていたとのことです。

Open Access mandate(Nordic cooperation、2014/1/29付け)
http://www.norden.org/en/publications/open-access/open-access-mandate

3000 Nordic publications available with Open Access(Nordic cooperation、2014/3/26付け)

英国、HEFCEはじめ高等教育助成関係4機関が新OA方針を発表 研究成果のリポジトリ登録を義務化へ

2014年3月28日、イングランドの高等教育助成会議(HEFCE)、スコットランドの助成会議(SFC)、ウェールズの高等教育助成会議(HFECW)、北アイルランドの雇用・学習省(Department for Employment and Learning)の連名で、新たなオープンアクセス(OA)方針が発表されました。

この新たな方針は現在英国で行われている研究評価フレームワーク、REF2014の終了後、REF対象機関の著者が投稿した研究成果を対象とするものです。具体的には2016年4月1日以降に受理された査読制のある雑誌論文・会議録論文が対象となります。論文が受理された時点で、著者最終稿を機関リポジトリまたは分野リポジトリに登録することが義務付けられます。また、エンバーゴ期間が設定されている場合には論文本文へのアクセスを可能とするのはエンバーゴ終了後でよいとされていますが、メタデータはすぐに公開し、発見できるようにしなければならないとのことです。

2014年3月31日付けのNature誌オンライン版記事ではこの方針について、Finch Report以来OA雑誌に寄っていた英国のOA政策をリポジトリとセルフアーカイブに引き戻すものとして紹介しています。

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