オープンアクセス

欧州大学協会(EUA)、よりオープンな学術情報流通システムへの移行に向けた報告書を公開

2017年6月29日、欧州大学協会(EUA)は、よりオープンな学術情報流通システムへの移行に向けて欧州の大学や各国の大学学長会議を支援するため、オープンアクセス(OA)に関する報告書2タイトルを公開しました。

“Towards Full Open Access in 2020: aims and recommendations for university leaders and National Rectors’ Conferences”では、さまざまな分野にわたって、OAに関する提言を行っています。質の高い査読、研究成果に対する著者等の権利の保証、公共機関と出版社の双方が満足できる費用便益比などに基づいたオープンな学術情報流通システムの実現を呼び掛けています。

“Open Access in European universities: results from the 2015/2016 EUA institutional survey”では、OAのポリシーや実践について、各機関の実施状況を2014年の前回調査から追跡しています。調査は2015年10月から2016年1月まで実施され、欧州の33の国の169の機関から回答を得ています。出版物へのOAのほか、今回初めて、研究データへのOAにも焦点を当てています。

カナダ研究図書館協会、持続可能な学術出版のための枠組みモデルに関する最終報告書を公開

2017年7月4日、カナダ研究図書館協会(CARL)のCanadian Scholarly Publishing Working Group(CSPWG)が、同国における持続可能な学術出版のための枠組みモデルを提示する最終報告書を公開しました。

枠組みは、各々の現状が異なる事から、単行書、雑誌、その他新しい学術型式におけるいくつかの関連した取り組みをまとめたものとなっています。

また、重要な原則として、以下の6点を示しています。

・Accountable to the academy
・Supporting openness
・Supporting high-quality publishing practices
・Well-informed authors
・Rich Canadian publishing opportunities
・Building on strength

フランスの学術機関のコンソーシアムCouperin、DOAJへの支援を表明

2017年7月4日、OAジャーナルのディレクトリであるDOAJ(Directory of Open Access Journals)は、フランスの学術機関のコンソーシアムCouperinと、DOAJへの支援について合意したと発表しました。

Couperinにはフランスの大学や研究機関、教育機関、フランス国立図書館(BnF)、博物館、病院等、250以上の機関が加盟していますが、現在、47の機関がDOAJへの支援について署名を済ませています。

COUPERIN TO SUPPORT DOAJ AS A CONSORTIUM(DOAJ, 2017/7/4)
https://blog.doaj.org/2017/07/04/couperin-to-support-doaj-as-a-consortium/

Couperin
http://www.couperin.org/

フィンランドの研究者グループ、Elsevier社の雑誌の編集・査読へのボイコット運動を実施中

フィンランドの研究者グループが、専用ウェブサイト“No deal, no review”を開設し、Elsevier社の雑誌の編集・査読をボイコットする運動を実施しています。

同国では、図書館コンソーシアム“FinELib”を支援することを目的に、2016年11月からウェブサイト“Tiedonhinta.fi”で実施されていた、学術雑誌の公正な価格とオープンアクセス(OA)促進のための、出版社との継続的な交渉を請願するオンラインでの署名活動において、2,700人以上の研究者からの署名が集まりました。署名者の2/3にあたる1,800人以上が、交渉が決裂し、購読が終了した際には、出版社をボイコットする覚悟ができていると表明しているとのことです。

その後、Wiley社、米国化学会(ACS)との交渉は進展しましたが、Elsevier社との交渉は進捗が見られないため、交渉を支援するため、今回実施されるものです。

ウェブサイトでは、世界からの署名を受け付けています。

Knowledge Unlatched、対象をSTEM分野に拡大

2017年7月4日、学術書のオープンアクセス(OA)を支援するKnowledge Unlatched(KU)が、これまでの人文・社会科学(HSS)分野に加え、2018年の第1四半期から、科学・技術・工学・数学(STEM)分野の図書・雑誌の提供を受け入れ、2018年中頃から提供予定の新しいコレクションを作成すると発表しています。

Knowledge Unlatched Announces Expansion into STEM in 2018(KU,2017/7/4)
http://knowledgeunlatched.org/2017/07/knowledge-unlatched-announces-expansion-into-stem-in-2018/

Clarivate Analytics、Impactstoryへの資金提供を発表 oaDOIサービスの開発を支援

2017年6月23日、Clarivate Analytics社はaltmetricsサービスImpactstoryに対し資金提供を行うことを発表しました。ImpactstoryのoaDOIサービスの開発を支援するとのことです。

oaDOIはAPIを通じて論文のオープンアクセス(OA)版への情報を提供する非営利のサービスで、1日あたり200万回以上のリクエストを受けるまでに普及しています。2017年3月に話題となったChrome拡張機能、UnpaywallもoaDOIを活用したものです。

Jisc、英国における研究データ公開インフラストラクチャに関するレポートを公開

英JiscのOpen Research Data Taskforceは、2017年6月30日付けで、英国における研究データ公開のためのインフラストラクチャに関するレポート”Research Data Infrastructures in the UK”を公開しました。このレポートは同タスクフォースによる初めてのレポートです。

レポートでは英国等における研究データ公開のためのインフラストラクチャの概況を、研究助成機関や大学等の政策、プラットフォームに関する技術・ツール、各分野における習慣等の側面から扱っています。Open Research Data Taskforceは今後、2018年中に2つめのレポートを公開する予定であり、そこでは更なる支援を要する領域等に関する提言を扱う予定であるとのことです。

米国化学会(ACS)も、海賊版論文の公開サイトSci-Hubを提訴

2017年6月28日、米国化学会(ACS)は、海賊版論文の公開サイトSci-Hubを6月23日に米バージニア州東部地区連邦地方裁判所に提訴したことを発表しました。

ACSは、Sci-Hubが違法に入手したACSのコンテンツへ利用者を誘導するためACSのサイトをまねたウェブサイトを開設したなどとして、著作権の侵害や商標の偽造などを主張しており、Sci-Hubに対して、ACSに著作権があるコンテンツの違法な配布やACSの商標の違法な使用を即刻中止すること、損害賠償金を支払うこと、正当な対価を支払うことなどを求めています。

American Chemical Society files suit against Sci-Hub(ACS, 2017/6/28)
https://www.acs.org/content/acs/en/pressroom/newsreleases/2017/june/acs-files-suit-against-sci-hub.html

figshareと米国の言語聴覚士職能団体ASHAがパートナーシップを締結 ASHAの研究成果専用ポータルを提供

2017年6月23日、研究成果共有プラットフォームfigshareが、新たに米国の言語聴覚士の職能団体American Speech-Language-Hearing Association (ASHA)とパートナーシップを結んだことを発表しました。ASHAの査読付き学術雑誌に掲載された論文に関連する研究成果については、figshare上に用意されたASHA専用ポータルに集約・提供されることになります。

米連邦地裁、海賊版論文公開サイトSci-HubによるElsevier社の著作権侵害を認定 1,500万ドルの損害賠償を命じる

2017年6月21日、米ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所が、海賊版論文の公開サイトSci-HubによるElsevier社の著作権侵害を認定し、Sci-Hubに対し1,500万ドルの損害賠償を命じる判決を下したことが報じられています。

Sci-HubはElsevier社をはじめ、主要な出版者の電子ジャーナル掲載論文を違法にアップロードしたウェブサイトです。カザフスタンの大学院生であったAlexandra Elbakyan氏が、研究者の論文へのアクセスをより容易にすることを目的に開始したもので、現在はロシアから運営されています。

今回の判決はElsevier社の訴えを受けて下されたもので、米国出版社協会(AAP)は支持を表明しています。一方、Nature誌はSci-Hubが違法であることは明らかであるものの、多くの研究者から非常に高い人気を得ているのは、それだけ現在の学術出版に対する不満が高まっていることのあらわれだ、とする研究者のコメントも紹介しています。また、Elbakyan氏からはなんらのコメントも発表されていないものの、損害賠償が支払われるかは疑問であるし、Sci-Hubが閉鎖することもないだろうとする関係者の声も掲載しています。

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